※本ページは、”Exadata System Software 20.1 June 19, 2020“の翻訳です
Exadata System Software リリース20.1がリリースされました
このリリースは、Exadata System Softwareリリース19.3に続くものであり、よりスマートなインフラストラクチャ、パフォーマンスの向上、およびよりスマートな管理のためのさらなる革新をもたらします。
昨年、すべてのデータベースワークロードのパフォーマンスの向上など、20を超える独自のソフトウェア機能がリリースされました。トランザクション処理、分析、統合などの従来のワークロード全体だけでなく、IoT、機械学習、ゲーム、eコマースなどの最新のマルチモードアプリケーションのサポートも含まれます。RoCEおよびInfiniBandシステム間で互換性のあるすべての新しいソフトウェア機能、およびサポートされているすべてのExadataハードウェア世代を使用して、Exadataへの投資を保護するという伝統を継続します。
この投稿では、3つの領域に焦点を当てたExadataソフトウェアのいくつかの重要な機能強化について概説します。
- スマートなインフラストラクチャ
- 改良された性能
- スマートな管理
もしもあなたが「長くて読めません!(TL; DR)」タイプの方タイプの方の場合は、 『Oracle Exadata System Overview Guide』の「New Features for Oracle Exadata System Software Release 20.x」セクションに進むか、Exadata Developmentの上級副社長であるKothanda UmamageswaranによるWebキャスト(YouTube)をご覧ください。
素晴らしいいくつかの機能を見てみましょう。
スマートなインフラストラクチャ
Exadata Secure RDMA Fabric Isolation
Exadata Secure RDMA Fabric Isolationは、複数VM環境下でOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)の厳密なネットワーク分離を可能にします。Exadata RoCEでの仮想化環境で利用可能なこの新機能により、専用仮想マシン(VM)クラスタに存在する各テナントはRoCE VLANとKVMホストレベルでのセキュリティタグの適用を使用して、別々のクラスタ内のデータベースサーバー(ゲストVM)が共有ストレージネットワーク上でも相互に通信できないようにすることができます。この機能は、前世代のネットワーク分離のためのInfiniBandパーティショニングと似た機能です。
詳細は、ドキュメントのExadata Secure RDMA Fabric Isolationの使用を参照してください。

改良された性能
Exadata Smart Flash Log Write-Back
高性能データベースワークロードでのREDOログ書き込みスループットを向上させるために、ハードドライブへのREDOログ書き込みは、ExadataストレージサーバーHC(High Capacity) モデルでは、Write-BackモードのExadata Smart Flash Cacheを使用して自動的かつ透過的に保存されるようになりました。GoldenGateのログマイニング、ログアーカイブ、RMANバックアップおよびRMANリストアなどのようなI / O集約型アクティビティのためにハードディスクドライブリソースを解放することが出来るようになりました。システムのワークロードに応じて、REDOログ書き込みスループットを最大2.5倍向上させることができます。
この機能は、データベースからの最初のREDOログ書き込みの待ち時間を大幅に短縮するPersistent Memory Commit Accelerator(X8Mシステムで使用可能)、および時折のREDOログ書き込み待ち時間の外れ値を防ぐSmart Flash Loggingと連携して機能します。Smart Flash Log Write-Backは、全体的なREDOログ書き込みスループットを向上させます。
Oracle Data Guardのプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースはどちらも、オンラインREDOログ・ファイルとスタンバイREDOログ・ファイルのスループットの向上をさせることが可能になります。IORM(I/O Rerouce Management)でExadata Smart Flash Cacheのスペース・リソース管理が構成されている場合、REDOログ・ファイルのキャッシュは、各コンテナー・データベース(CDB)またはプラガブル・データベース(PDB)それぞれの利用スペースに含まれます。

Fast In-Memory Columnar Cache Creation(インメモリ列キャッシュの高速作成)
この機能は、Exadata Flash Cache上にすでに存在するハイブリッド・カラムナー・フォーマットのデータからデータを読み取ることにより、インメモリ・データベース形式で列キャッシュを作成する際のパフォーマンスを大幅に向上させます。これは、複数の同時ワークロードがハードディスクI / O帯域幅を共有している場合に特に役立ちます。たとえば、ハードディスク帯域幅を利用するバックアップの処理と、インメモリ列キャッシュ作成の両方が同時に実行されている場合、Fast In-Memory Columnar Cache Creation(高速インメモリ列キャッシュ作成)はフラッシュ・キャッシュを使用し、バックアップとインメモリ列キャッシュ作成の両方をより早く実行できるようにします。
インメモリ列キャッシュ形式の詳細は、 『Oracle Exadata System Softwareユーザーズ・ガイド』の「インメモリ列形式のサポート」を参照してください。

Cell-to-Cell Rebalance Preserves Persistent Memory
Exadata X8M RoCEシステムの場合、この新機能は既存のExadata Smart Flash Cache機能に基づいており、セル間のリバランス操作中にPMEM上にデータを保持し、Persistent Memory Data Acceleratorが永続メモリ(PMEM)キャッシュを自動的にリバランスして、一貫したアプリケーションパフォーマンスを維持できるようにします。リバランス操作でデータを別のストレージサーバーに移動すると、たとえば、ハードディスクで実際の障害または予測障害(Predictive Failure)が発生した後、ソースとなるストレージ・サーバーのPersistent Memory Data Acceleratorにキャッシュされている可能性のあるデータはすべて、ターゲットのストレージ・サーバーのPMEM上に自動的に複製されます。

スマートな管理
Controlling Persistent Memory Usage for Specific Databases(特定のデータベースへのPMEM利用可否の設定)
統合環境でミッション・クリティカルなデータベースが貴重な永続メモリ−・リソースに優先されるようにするために、2つの新しいIORMデータベース間プラン・ディレクティブを使用して、データベース・レベルでPersistent Memory Data Acceleratorを有効/無効にできるようになりました。IORMプラン・ディレクティブpmemcacheおよびpmemlogを「off」に設定して、指定したデータベースがPMEMキャッシュおよびPMEMログを使用しないようにすることができます。従来はこの機能が無かったので、すべてのデータベースでPMEMCACHE, PMEMLOG が使われていました。
alter iormplan dbplan =((name = testdb、pmemlog = off、pmemcache = off));
詳細は、 『Oracle Exadata System Softwareユーザーズ・ガイド』の「IORMを使用したフラッシュおよびPMEMリソースへのデータベースアクセスの制御」および「PMEMキャッシュおよびPMEMログへのアクセスの制御」を参照してください。
その他の管理機能の強化
Exadata System Software20.1の管理に対するその他の拡張機能は次のとおりです。
- データベース・サーバーとストレージ・サーバーの両方にあるExadata System Software内部管理サーバー(MS)は、Oracle WebLogic ServerベースのアプリケーションサーバーからEclipse Jettyに移行します。Oracle WebLogic Serverなどのフル機能のアプリケーションサーバーは、Exadata System Softwareが必要としない多くの機能に加えて、これらの不要な機能に対する追加のセキュリティ要件を提供していました。軽量で機能が制限されたアプリケーションサーバーであるEclipse Jettyに移行することで、必要なシステムリソースが少なくなり、セキュリティ脆弱性攻撃対象領域が大幅に削減されます。
- Oracle LinuxはOracle Linux 7.8 UEK5 Update 3に更新され、データベースサーバーにPython3が含まれるようになりました。下位互換性のためにPython2も含まれています。(OVMのdom0はOracle Linux 6に残ります)
- DiagnosticsとSecure EraserのライブブートCDが簡素化され、使いやすくなりました。これにより、diagnostics.isoを使用した低レベルの問題や、Secure Eraserイメージを使用したデータベースおよびストレージサーバーのデータ消去または移動について、Oracleサポートとの連携が容易になります。
詳しくは
Exadata System Software Release 20.1の詳細は、 『Oracle Exadata System Overview Guide』の「Oracle Exadata System Software Release 20.xの新機能」セクションに記載されています。
また、Exadata Developmentの上級副社長であるKothanda UmamageswaranによるExadata Software Release20.1のWebキャストを表示することもできます。
まとめ
Exadata System Software Release 20.1は、Oracle Linux 7への移行を希望するお客様に最適なアップグレード・ターゲットです。新しいExadata X8および Exadata X8Mシステムには、Exadata System Software Release 20.1がインストールされています。以前のソフトウェアリリースからアップグレードするお客様は、My Oracle Support Note 888828.1にアクセスして、Exadata System Software Release 20.1に更新するために必要なグリッド・インフラストラクチャおよびデータベース・ソフトウェアのバージョンとパッチの最小セットに関するガイダンスを入手できます。(または、Oracle Platinum Servicesに問い合わせて処理することもできます。)
Exadataプラットフォームを強化するためにこれらの新しいリリースを提供し続けるExadata開発チームに大いに感謝します。
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