※ 本記事は、Amal Sharmaによる”Essential tools for migrating to the Oracle Autonomous Database“を翻訳したものです。

2023年10月26日


Oracle Autonomous DatabaseへのOracle Databaseの移行をご検討中ですか? 技術的な考慮事項は? どのデータベースを先に移動しますか? 必要な作業をどのように評価しますか? 朗報です! Oracleは、データベース資産全体を評価し、移行するデータベースの優先順位を決定し、技術的な互換性を確保するのに役立つ無料の診断ツールを提供します。このプロセスには、Oracle Estate ExplorerとCloud Premigration Advisorが必要です。

しかし、移行が成功したかどうかはどうやってわかるのでしょうか? あるデータベースから別のデータベースにすべてのレコードをコピーした後ですか? それとも移行先のデータベースのパフォーマンスが、起動した場所より優れていることを検証した後ですか? そのために、Oracleでは、Oracle DatabaseのオプションであるReal Application Testingを提供しています。

このブログ投稿では、Oracle Autonomous Databaseの採用を計画していたOracleのお客様とこれらの3つのツールの使用について話し合った会話から、その価値を見ていきます。Oracle DatabaseからOracle Cloud Infrastructure (OCI)への移行の詳細は、Webページを参照してください。

データベース移行に関する懸念事項

最近、Oracle Autonomous Databaseのメリットをお客様と話し合いました。お客様がその価値を確信するようになった後、会話は移行に移りました。お客様は、データベース資産に100以上の多様なデータベースがあることが判明しました。移行元のバージョンが多すぎて、正確な数さえ把握していませんでした。それがわからなくても、お客様はデータベース資産が複雑な状況で、複数のバージョン、異なるキャラクタ・セットおよび様々なデータベース・オプションで運用されていることを知っていました。WindowsやSolarisで実行されているものもありました。

そのお客様は、多様性が原因ですぐに思考停止に陥ること、およびプロジェクトが複雑すぎて時間がかかりすぎることを懸念するようになりました。私は、計画からアドバイザおよび診断ツールを使用した検証まで、移行に関する意思決定を整理するのに役立つことを説明して、会話を開始しました。

A graphic depicting the steps for Oracle Database migration: plan, prepare, execute, validate.

Oracle Autonomous Databaseへのシームレスで簡単な移行パス

最も重要なことは、リセット、再起動、切り替えの遅延を強制するような予期せぬ事態は望まないことであると説明しました。包括的な自動化された計画および検証ツールがその解決策です。高度に自動化されたシステムとして、Oracle Autonomous Databaseは、多くのデータベース・システム管理機能の管理責任を担うため、オブジェクトおよびプロセスの所有者にする必要があります。Autonomous migrationでは、これらの状況を検出して無効化または再構成する必要があります。たとえば、データベース・オブジェクトにルート権限を持たず、表領域はデフォルトのままとし、表をクラスタ化できず、列にメディア・タイプを設定できません。

しかし、これらの技術的なチェックは単なる文法のようなもので、調整も簡単です。より重要な問題は、移行先データベースが移行元データベースと同様、またはそれ以上のパフォーマンスであることを確認することです。そのための1つの方法は、移行元データベースでのSQL文の実際のパフォーマンスを取得し、移行先データベースでの実際のパフォーマンスと比較することです。

トランザクション処理および問合せ処理のユースケースでは、移行元データベース索引は通常高度にチューニング済みで、その維持は重要です。しかし、Autonomous Databaseには、自己チューニング・オプションが用意されており、移行元での索引を削除し、自動チューニングに置き換えることが可能です。ただし、索引付け戦略を変更すると、パフォーマンスおよびユーザーの受入れに影響する可能性があります。そのため、移行の最終ステップとして、パフォーマンスを検証する必要があります。

主要なSQLを特定し、それらをベンチマークし、移行後のリグレッション・テストの一部となるようにすべきだとお伝えしました。最終的に、その一部は保持し、残りは継続的なデータ分散による自律的な運用とします。

良いニュースは、Oracleがこれら2つの領域を適切にサポートしており、会話が進むにつれて、お客様は当社の技術計画ツールと、移行方法に加えて当社のパフォーマンス検証ツールがニーズに十分に満たしていることを確信するようになったことです。

計画ツールの開始: Oracle Database Estate Explorer

まず、Oracle Database Estate Explorerを使用して、データベース資産全体とその技術的な移行の準備状況を評価しました。この無料ツールにより、ユーザーはユースケース(開発、テスト、本番)でデータベースをグループ化し、社内のデータベース管理者(DBA)のスキルとユース・ケースのリスク許容範囲の重み付けに基づいて、データベース毎に移行作業を最も簡単から最も難しいものに優先順位を付けることができます。各データベースは、移行の適性、および問題を修正するために実行するアクションに関する詳細な評価も受けます。

A graphic depicting the workflow for Oracle Estate Explorer.

しかし、分析を開始する前に、お客様はデータのプライバシーとパフォーマンスへの影響に関する懸念をお持ちでした。私はデータ収集スクリプトをセキュリティ・チームと共有し、スクリプトが読取り専用であり、データベース・データやメタデータはOracleと共有されないことを指摘しました。その後、DBAチームに、このツールはデータベースごとに15秒のみかかり、それを1回のみ読み取るため、本番データベースに対するパフォーマンスへの影響は無視できると説明しました。ご納得の上で、このセルフサービス・ツールをファイアウォールの内側で実行し、データベース資産の完全な技術プロファイルを取得しました。

Oracle Database Estate Explorer、その他の計画ツールおよびデータベース移行方法の詳細は、Oracle Database migrationのWebサイトを参照してください。

データベース診断の開始: Cloud Premigration Advisor Tool

移行するデータベースの優先リストを取得したので、Cloud Premigration Advisor Tool (CPAT)を使用して、データベース毎に詳細な技術評価を行うことにしました。

CPATは、データベースのアップグレードと移行に非常に活用されているツールで、分析のみのために実行することも、Oracle Zero Downtime MigrationOCI Database MigrationサービスOracle Enterprise Manager Migration WorkbenchSQLコマンドラインなど、Oracleの複数の自動移行ソリューションに統合して使用することもできます。

The five step Cloud Premigration Advisor Tool (CPAT) process.

このケースでは、CPATを使用して、すべてのデータベースを共通の移行先であるOracle Autonomous Databaseに対して評価していました。移行元のOracleデータベースでメタデータとデータ分析を実行し、「アクションが必要」、「レビューが必要」、または「レビューが望ましい」の 3 つのアクションが提案されました。

このオンラインかつインタラクティブなCPATユーザー・エクスペリエンスは、OCI Database Migrationサービス内に実装されています。この概要ビデオでは、DBAはCPAT分析に応答し、スクリプト・アクションの受入れ、拒否、除外または実行する様子を紹介します。

データベース移行の検証

切り替えの基準について話し合うために、会話が移りました。お客様は、コピーされたレコード数や、フィールド値のハッシュ合計によって、レコードの数と正確性が検証できることを理解していました。しかし、Autonomous Databaseはまったく新しいデータベース・プラットフォームでした。顧客は、コミットされたサービス・レベルを維持または改善することを保証する必要がありました。

このサービス・レベルの会話を予想し、移行の最終ステップは、移行元と移行先データベース間の比較SQLパフォーマンス・テストであることを説明しました。切り替えの目標は、Autonomous Databaseのパフォーマンスが少なくとも移行元システムと同じようになるようにすることでした。これを実現するために、Oracle Real Application Testingを利用しました。

Real Application Testingを使用した検証: SQL Performance Analyzer

Real Application Testingは、SQL Performance Analyzerワークロード分析およびデータベース・リプレイの3つの主要コンポーネントを含む高度なテスト・スイートです。移行では、SQL Performance Analyzerに焦点を当てました。

SQL Performance Analyzerは、移行元データベースおよび移行先データベースでSQL文を分離してシリアルに実行することで、SQL処理計画および統計の詳細な評価を提供します。SQL Performance Analyzerは、関連するSQLパフォーマンス・ツール(SQLチューニング・アドバイザおよびSQL Plan Management)を使用します。

その分析の内訳にお客様は感心したようです。SQL Performance Analyzerは、移行元データベースに対して動作しているすべてのSQL文を評価し、Autonomous Databaseで30%高速に実行されていることを確認しました。

A screenshot of the analysis summary for the comparison metric elapsed time.

ブレークダウン・レポートでは、変更の影響がある上位100のSQLを示し、全体から改善されたSQL、低下したSQL、変わりないSQLの内訳と、サポートされていないSQLがまとめられています。システムの安定性を確実にするため、SQL文の大部分は変更せず、自動実行計画のみを変更しました。また、追加のレポートでは、パフォーマンス改善の推奨事項も示しています。

A A screenshot of SQL Performance Analyzer database performance detailed statistics

そのため、SQL Performance Analyzerは、既存のサービス・レベル契約(SLA)を満たすというビジネス・レベルの証明となります。このツールは、本番システムの継続的なパフォーマンス向上にも使えると付け加えました。さらに多くの機能を示す技術ブログを共有しました。

アドバイス

多くのお客様と、Oracle Autonomous Database独自の面白いことについてお話します。その特徴的な自己チューニング機能、自己保護機能、自己管理機能は非常に高く評価されています。しかし、話し合いが移行計画に移り、候補データベース、統合の優先順位、移行方法、関連する時間、労力、リスクの話になると、多くの場合、お客様は次の一歩に踏み出せず、本当に十分なスキルがあるか心配します。

Oracleは業界をリードする1社です。それは、優れた製品が1つあるからではなく、何世代にも渡って、テクノロジー・イノベーションを通じてお客様のミッションクリティカルな投資を維持しているからです。継続的にイノベーションを進める中で、お客様がこれらの移行を容易に行えるようにすることが重要です。

3つのツール、Oracle Estate Explorer、Cloud Premigration Advisor Tool、Oracle Real Application Testingは、Oracle Autonomous Databaseの移行プロジェクトを成功させるための基礎となります。これらのツールはすべてセルフサービス向けに設計されていますが、Oracleとグローバル・サービスのパートナ・コミュニティによる移行の戦略と実行の支援のご活用をお薦めします。

次はあなたの番です!

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