OCI GoldenGateでGoldenGate 23aiの提供開始を発表

※ 本記事は、Peter Inzanaによる”Announcing GoldenGate 23ai General Availability for OCI GoldenGate“を翻訳したものです。

Oracle GoldenGateは、最新の長期サポート・リリースGoldenGate 23aiを発表し、OCI GoldenGate内で使用できるようにします。Oracle GoldenGateは、リアルタイムの異種データ統合とグローバルなトランザクション・データ・ファブリックの構築のための市場をリードするテクノロジです。多くの新機能の中で、生成AIと大規模言語モデルの精度を向上させるために、エンタープライズクラスのベクトル埋め込みのリアルタイム・レプリケーションをサポートするようになりました。

GoldenGate 23aiは、操作性、パフォーマンス、セキュリティ、ガバナンスおよび開発者APIを改善するGoldenGateポートフォリオの100以上の更新に加えて、新しいOracle Database 23ai機能をサポートしています。GoldenGate 23aiは、Oracleベクトル・データ型のリアルタイム・レプリケーションとOracle以外のベクトル・データベース間でのレプリケーションを可能にする新機能を備えています。これは、LLMの精度を最適化するためにベクトル埋め込みの統合が重要な分散アプリケーションおよびデータにとって特に重要です。また、企業は、既存のデータベースからOracle Database 23aiにデータをレプリケートすることで、最小限のリスクでAIをすべてのデータにすばやく取り込むことができ、高速AI検索のためにベクトル化およびインデックス化できます。

「組織は、高度に分散され、多様でダイナミックであるという特徴を持つ最新のデータ環境における一貫性、回復性、セキュリティの維持に苦労しています」と、IDCのデータ・インテリジェンスおよび統合ソフトウェア担当リサーチ・バイス・プレジデントであるStewart Bond氏は述べています。「Oracle GoldenGate 23aiは、Oracleの次のメジャー・リリースであり、操作性、パフォーマンス、回復性およびセキュリティを向上させる100以上のGoldenGateの拡張機能を追加します。より具体的には、GoldenGate 23aiの新しいユーザー・エクスペリエンス、ベクトル・データベースのサポート、およびAsyncAPIを介して実装されたデータ・ストリームは、最新のデータ・ワーカーに対する最新のデータ環境の要求に直接対応します。」

GoldenGate 23aiは、操作、分析および分散GenAIアプリケーションの異機種間、ハイブリッドおよびマルチクラウド・データ同期を可能にする、GoldenGateプラットフォーム全体で、新しい高度な機能を提供します。

このブログでは、次の主要な新機能について説明します:

• AIベクトルおよびベクトル・データベースのデータ・レプリケーション
• AsyncAPIを介したデータベース・イベントへのパブリッシュ/サブスクライブ・アクセスのデータ・ストリーム
• グラフィカル・ユーザー・エクスペリエンスの更新
• 可観測性と診断の向上
• Oracle Database 23aiの新機能サポート
• セキュリティ管理とユーザー認可の強化
• 拡張された異種

AIベクトルおよびベクトル・データベースのデータ・レプリケーション

非構造化データをベクターに変換することは、あらゆる場所でビジネスを行うためのミッションになりつつあります。GoldenGate 23aiは、リアルタイムの非構造化データとベクトルをAIアプリケーションに導入し、次世代のユーザー・エクスペリエンスを提供できる手段です。

Oracle GoldenGate 23aiでは、エンタープライズRAG(Retrieval Augmented Generation)を強化し、分散ベクトルとデータをベクトル・ハブに統合してリアルタイムのGenAIアプリケーション・エクスペリエンスを実現できる、Oracle Database 23aiベクトル・データ型のレプリケーション・サポートが追加されています。GenAIの有用性(有効性と適時性の組合せ)を改善するには、信頼できるエンタープライズ・トランザクション・データをLLM(大規模言語モデル)にリアルタイムで複製することが重要です。GoldenGate 23aiは、「AI対応」データをGPT(Generative Pre-trained Transformers)にストリーミングして、hallucinationを減らし、より正確なRAG(Retrieval-Augmented Generation)の結果を得ることができます。

GoldenGate 23aiは、Oracle Database 23ai、MySQL Heatwaveベクトル、PostgreSQL (pgvector)、GCP AlloyDB AI、AWS Aurora (pgvector)、AWS RDS PostgreSQL (pgvector)、Azure PostgreSQL (pgvector)、ElasticSearchベクトル、OpenSearchベクトル、AWS OpenSearchベクトル、OCI OpenSearchニューラルなど、新しいベクトル・データベースを接続ポートフォリオに追加します。

このブログでは、GoldenGate 23aiでベクトルをOracle Database 23aiに移行する方法についてさらに学習できます。分散ベクトル処理にGoldenGate 23aiを使用する4つのパターンの例を次に示します:

図1: リアルタイム分散ベクトルを管理するための4つのユース・ケース

GoldenGate 23aiを使用すると、リアルタイムの非構造化データおよび導出ベクトルを分散データ・ファブリック間で移動できます。一般的なユース・ケースは、情報が統合されるベクトル・ハブを構築し、プライベート、セキュア、および信頼できる企業情報による微調整ベクトル検索をサポートすることです。

図2: マルチデータ・ソース・ベクター・レプリケーションを使用する一般的なユース・ケース

AsyncAPIを介したデータベース・イベントへのパブリッシュ/サブスクライブ・アクセスのデータ・ストリーム

イベントベースのアーキテクチャにより、より動的で応答性の高いアプリケーションが可能になります。データ・ストリームは、データベースの挿入、更新、削除、フィールド属性などのデータベース・スキーマの変更など、すべてのGoldenGateフォルト・トレラント・レプリケーションへのAPIアクセスを可能にする新機能です。

直接APIアクセスにより、データ・ファブリックの応答性がさらに向上します。アプリケーションは、Kafkaトピックだけでなくフォルト・トレラントなメッセージを公開でき、データ・サブスクライバは、マイクロサービス間でメッセージを直接公開する際のレイテンシをさらに短縮できます。Oracle GoldenGateで使用されるAsyncAPI標準についてさらに学習します。データ・ストリームとAsyncAPI実装のアーキテクチャの概要を聞きます。

パブリッシュ/サブスクライブ・アプローチでは、この新機能により、GoldenGateのマイクロサービスベースのトランザクション・ログ取得メソッドでサポートされている膨大なデータベースから、JSON形式のCloudEventsとして、AsyncAPIチャネルを介して直接データベース(DDLおよびDML)イベントが公開されます。

図3: データ・ストリームは、パブリッシュ/サブスクライブの使用に対するすべてのDDL/DMLSデータベース・イベントを出力

新しいグラフィカル・ユーザー・エクスペリエンス

より生産的なユーザー・エクスペリエンスを実現するために、GoldenGate 23aiは、ワークフロー、構成、管理、およびトラブルシューティングの新しいユーザー・エクスペリエンスにより、設定と管理を簡素化します。

GoldenGate 23aiは、レプリケーションおよび継続的変換およびロード(CTL)パイプラインを構築するためのグラフィカル・ユーザー・エクスペリエンスを更新し、より自動化されたワークフローと運用データの表示を可能にします。

図4:  管理、配布/受信者およびパフォーマンス・メトリック・サービス用の新しいGoldenGate 23aiユーザー・インタフェース。

すべてのレプリケーション・ワークフローが合理化され、より効率的な構成とチューニングが可能になりました。Oracle UTL_RAPDVおよびAWRレポートから取得したGoldenGateプロセス情報がGUIに表示されるようになり、単一の場所からより高度なトラブルシューティングが可能になります。多数の同時ExtractおよびReplicatプロセスの可視性も向上しました。

可観測性と診断の向上

GoldenGate 23aiは、可観測性と診断を大幅に強化し、マルチクラウド・トポロジにおけるレプリケーション・フローのすべてのプロセス、ステータスおよびパフォーマンスを監視するための、より包括的で直感的なアプローチを提供します。

GoldenGateは、顧客またはTelegrafによる消費のために、オプションでStatsD形式でテレメトリをプッシュします。収集されたすべてのメトリックは、GoldenGate Stream AnalyticsまたはKafkaを使用してリアルタイム・アラート用にストリーミングでき、履歴分析のためにすべてOracle Databaseに格納されます。

詳細は、このブログを参照してください。

Oracle Database 23aiの新機能サポート

Oracle Database 23aiの新機能サポートするGoldenGate 23aiは、完全に統合され、Oracle 23aiデータベースで使用できるように最適化されています。

Database 23aiには、レプリケーション・サポートを必要とするデータベース機能が追加され、統合操作時の可観測性と診断が向上します。

いつものように、GoldenGate 23aiは、Autonomous Database、Exadata Cloud Service、Exadata Cloud at Customer、Base DatabaseサービスなどのすべてのOracle Databasesと、オンプレミスのソフトウェア・バージョンをサポートしています。また、GoldenGate、Oracle Database 23aiの両方の最新バージョンである23aiは、グローバル、分散、トランザクションおよび分析データ・ファブリックを実現するために、他のベンダーにはない総合力と独自の差別化を提供します。

OCI GoldenGateは、ターゲットまたは使用するアプリケーションへのレプリケーションのためにAutonomous Databaseから変更されたデータを取得する、影響の少ない最適なテクノロジです。

セキュリティ管理とユーザー認可の強化

GoldenGate 23aiでは、セキュリティにエンタープライズの強みとマルチフォームの進歩がいくつか追加されています。これらの新機能には、保存中および処理中のデータの暗号化、ロールベースの認証および権限、および複数のアイデンティティ・プロバイダとの統合が含まれます。

拡張された異種

GoldenGateは、オンプレミス、サードパーティ・クラウド、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のいずれにデプロイされているかに関係なく、データドリブンのイノベーションを実現します。ただし、OCI GoldenGate 23aiを活用することで、リアルタイムの異機種間データ・レプリケーション、ストリーム分析、さらにOCI GoldenGateの複雑な変換能力を拡張するバッチ/バルク「データ変換」など、さまざまな導入オプションにわたって最高の価格性能が得られます。さらに、より多くのエンタープライズSaaSアプリケーション、およびその他のソースやターゲットにもリーチできます。

まとめ

GoldenGate 23aiは、新しいOracle Database 23ai機能をサポートし、操作性、パフォーマンス、セキュリティ、ガバナンスおよび開発者APIを改善するGoldenGateポートフォリオに100以上の追加機能拡張を移動します。

GoldenGate 23aiは、OCI GoldenGateでサポートされるようになり、45以上の世界規模のデータセンターで、FinOps制御で最適化されたパフォーマンスを実現するための柔軟な自動スケーリングを備えたフルマネージドOCIクラウド・サービスとして利用できるようになりました。OCI GoldenGateは、リージョン間の高可用性、クラウド間の高可用性、あらゆるクラウド・データウェアハウス/レイクハウスへの高速取り込み、地上からクラウドへのデータ移行、移動中のデータの分析とエンリッチなど、何千ものお客様が使用しています。

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