熱い気持ちで自社パッケージの躍進を支える若きエンジニア

~ 短期間でリーダーまで駆け上った道のりとは

 

 

こんにちはOPN事務局です。今回は、2024 Oracle Partner Awards – Japan Innovation Category を受賞された、株式会社 ADX Consulting(以下 ADXC)様から、統合ソリューションの開発と導入に携わった入社4年目のエンジニア、川合 央通様、イルファン パネ様のお二人スポットライトを当てご紹介します。

 

Eng11-01s

ERP/EPM事業部 コンサルタント 兼 CoE/業務支援グループリーダー
川合 央通様

ERP/EPM事業部 シニアコンサルタント 兼 CoE/業務支援グループ
イルファン パネ様

 

▼今までおよび現在の仕事内容についてお聞かせください。

川合様:

Oracle ERP Cloud導入の帳票開発(OTBI/BI Publisher)チームリーダーや、コンサル会計チームリーダー、プロジェクト業務統括リーダーなどを担当してきました。
現在は、弊社がプライムで受けている案件全ての業務支援(CoE/Center of Excellence)のチームリーダーをしています。

 

イルファン様

これまでは、ERP Cloud帳票開発担当、生産領域リーダー、プロジェクトリーダーなどを担当してきました。
現在はプロジェクトマネージャーに携わっています。

 

▼これまで手掛けてこられた主なプロジェクトについてお聞かせください。

川合様:

小売業/銀行/製造業/SIerの会計領域の導入案件等を対応し、要件定義〜受け入れテストまで携わっておりました。
携わったプロジェクトの中で嬉しかったのは、対SIer様の案件でお客様が知らない機能の仕様を調べて提案したらよく調べたねとお褒めいただいたことです。

 

イルファン様

製造業のお客様の案件で、子会社展開向けに複数セットアップをする中でMadisを活用してセットアップの業務効率化をプロジェクトのリーダーとして務めました。

 

▼プロジェクトに取り組むにあたり、個人としてどのようなスキル等の準備をしていますか。

川合様:

会計関連の幅広い知識の獲得、ERP Cloudの製品知識のキャッチアップなどを心がけています。また、一般的なスキルですが、進捗管理、ファシリテーション能力の向上、エスカレーション能力なども必要だと思います。

 

イルファン様

ERP Cloudの製品知識のキャッチアップ、生産関連のモジュールの資格の獲得、お客様・業界特有の生産管理についての下調べは欠かしません。
加えて、プロジェクトマネージャーになった際に準備していたことは、課題管理・進捗管理・プロジェクト運用ルールに則ったプロジェクトを円滑に運用するための下調べです。

 

▼御社の「Madis」と「WEEEM Portal Noah」の統合ソリューションについてお伺いします。

●「Madis」と「WEEEM Portal Noah」の統合ソリューションの概要をお聞かせください。

「WEEEM Portal Noah」と 「Madis」という二つのツールを統合したソリューションをご提供しております。

「WEEEM Portal Noah」はセットアップ質問票、打ち合わせ議事録や動画、Oracleに関するナレッジ等を閲覧できるポータルサイトです。特にセットアップ質問表がテンプレート化されていてすぐご回答いただける状態になっているため、セットアップ作業開始までの要件すり合わせを大幅に効率化できます。

「Madis」は、CSVアップロードやエクセルライクな操作でセットアップができるため、Oracle Cloud ERPのセットアップを正確かつ効率的に行うことを可能にするツールです。差分取得機能を備えており、一つの環境でセットアップしたものを横展開する際もコピー&ペーストで対応できるため、セットアップ時のミスも削減することができます。
これらのツールを活用しながらこれまで人力で解決していたOracle Cloud ERPのセットアップを自動化・効率化するソリューションをご活用いただいております。

 

●お二人がプロジェクトに関わることになったきっかけについて教えてください。

※上司の金本様にお伺いしました。

弊社はまだ設立4年目の新しい会社なのですが、二人が熱い思いを伝えてくれたのが理由です。
仕組みがない中、人を急激に集めていったという経緯もあり、頑張っているメンバーには特に期待しています。ERPに関わる全社員からヒアリングをしキャッチアップする中で、このプロジェクトを立ち上げるきっかけになったのがこの二人です。困ったことを技術で解決する、という考えがぴったり合っていたと思います。

二人は開発当初はメンバーとしてプロジェクトに参画していました。Madisが出来上がって、新しいADXCのメソドロジーというようなスタイルを私と一緒に1年間で作ってきました。Madisというツールを開発するだけではなく、Madisというブランドの中で業務整理をする。その際に、お客様からどういうことを聞き取っていかなければならないのかということをしっかりまとめるなど、二人は統合的に経験を積み、学んできました。そこからMadisやWEEEM Portalが生まれてきたという流れがあります。
1年を通して二人が成長を続け、上がってきたそれぞれの姿が、川合は全プロジェクトを横断的に見る業務支援グループのリーダー、イルファンはプロジェクトマネージャーという現在の立場になっています。

 

●この統合ソリューションの導入プロジェクトで現在担当されている案件についてお聞かせください。

メンテナンスクラウドの導入案件や、会計システムのリプレイス(オンプレミスからクラウドへ)を担当しております。

WEEEM Portal Noahについては、議事録や打ち合わせ動画等のお客様とのやりとり、要件定義フェーズの中でOracleの機能関連の動画を全てWEEEM Portalで確認できるように進めています。

Madisについては、1つの会社でセットアップしたものを40社に一気通貫して展開予定で、また、マスターのレコード数の多い案件に利用する予定です。

 

●この統合ソリューションを開発するにあたって、特に工夫された点/苦労された点をお聞かせください。

川合様:

工夫したこととしては、Madis/WEEEM Portal Noahともにお客様が使いやすいような画面構成を意識して構築したことです。工程を上流〜下流までブラッシュアップして、どの部分をMadis・WEEEM Portalで効率化できるかを意識しながら開発を行いました。
苦労したことは、Madisの開発にあたりAPIの有無を機能ごと・項目ごとに調査しながら0から構築を進めたことです。

 

イルファン様:

Madisに関しては、最初から100%を目指さずにリリースを進めることで、早めに提供開始できるよう工夫しました。
WEEEM Portal Noahについては、お客様がプロジェクトを円滑に進めるための情報取得をしやすいように、容易にアクセスできるような画面構成にしました。
また、統合ソリューションを考案するにあたっては、同じ作業が二度発生しないよう意識してプロセスの考案をするよう工夫しました。

 

●この統合ソリューションを導入するあたって、特に苦労された点/工夫された点をお聞かせください。

顧客提供にあたり、各製品の効果を明示して理解していただくことに苦労しました。
それに対して工夫したことは、お客様に説明を行う際に、統合ソリューションを利用することで得られる効果をポジティブにアピールしたことです。

 

●今後のこの統合ソリューションの展開予定について教えてください。

今後もプライムで受ける案件については統合ソリューションを前提に導入していただく予定です。
Madis単体に関しては、個別で管理画面を触れるようになっていただくよう支援するモデル展開のサービス提供を考えております。また、それに伴いMadis自体をツールとして提供する予定です。
併せて、移行・セットアップの全自動化に向けた機能拡張を検討しています。
Oracle Marketplaceでトップランナーになれるようにツール提供をしていきたいと考えております。

 

▼1年間の急激な変化の中で、ここが難しかったという点があればお聞かせください。

川合様:

初めて各プロジェクトを横断的に見てみたときに、こんなにそれぞれ色が違うんだと気づきました。プロジェクトマネージャーごとの違いなどを吸収していく中で、道しるべを作っていくところが大変だったと思います。その中で学んだのは、全員に聞くのではなく、ERPに特化したメンバーや、技術に特化したメンバーなど、ある程度少人数に絞って聞いたものを元に進めていくのが有効だということです。

 

イルファン様:

自分も含めて、周りの考え方を変えるのは大変だということを学びました。各プロジェクトは色があって、優秀なプロジェクトマネージャーなど「人」に依存してしまいがちですが、長期的に見ると個人に依存しすぎない方がいいと考えています。個人だけが成長するよりも、チームの底上げをする方が会社にとっても有益だと思います。プロジェクトに入って間もない人でもMadisやWEEEM Portalを使えばすぐに同じチームでやっていくことができる、という考え方の転換につながりました。

 

▼今後のADXC様の会社として目指す方向性や取り組みについてお聞かせください。

※上司の金本様にお伺いしました。

弊社の目指す方向性は、会社が成長することは当然ですが、それ以上にオラクルのSaaS市場を拡大していくことに取り組むべきだととらえています。自分達だけが儲かるよりも、市場を拡大/底上げすることによって、新しい世界や未来が見えてくると考えています。

その上で、プロダクトを導入したり、我々がMadisのように新しいプロダクトを開発したりしてOracleのERPと組み合わせていくなどの取り組みで、これからもOracle社と一緒に歩んでいくことを目指しています。
さらに、もっともっとお客様にERPはSaaSを利用するからこそフィット・トゥ・スタンダード(Fit To Standard)で導入しやすいという気づきを与えたいです。今までフィット・アンド・ギャップ(Fit&Gap)でギャップの部分を解消するために組み込みで開発をしていたためバージョンアップが当たらない、ということが一般出来でした。標準をきちんとトレースすることで、今後のバージョンアップ、今後の未来に対して成長していけるシステムをゲットできる、というメッセージを、弊社発信のマーケティングを通して認知拡大する一助となれればと考えております。

 

▼ご自身がこれまでに取得済み、もしくは取得予定のOracle認定資格を教えてください。

川合様:

【2024/09~2025/08で取得予定】
・Oracle Financials Cloud: General Ledger 2023 Certified Implementation Professional
・Oracle Financials Cloud: Payables 2023 Certified Implementation Professional
・Oracle Financials Cloud: Receivables 2023 Certified Implementation Professional
・Oracle Cloud Infrastructure 2023 Certified Architect Associate

 

イルファン様:

・Oracle Procurement 2020 Certified Implementation Specialist
・Oracle Inventory Cloud 2021 Certified Implementation Specialist
・Oracle Cost Management Cloud 2021 Certified Implementation Specialist
・Oracle Manufacturing Cloud 2023 Certified Implementation Professional
・ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 12c

今は自分の資格取得だけでなく、チームでの取得を推進したいと考えています。

 

▼会社として取り組んでいる資格取得等のエンジニア育成の取り組みについてお聞かせください。

まずはOracle Universityで提供されているコンテンツを使って勉強会を行っています。
社内ではNote PM というツールを用いてナレッジを蓄積しており、社員であれば誰でも閲覧が可能です。こちらは、WEEEM Portalにも組み込まれ生かされている社内ツールの一つです。
またアウトプットとしては、各社員の執筆したコラムを外部へ公開するなどの取り組みで、情報発信の循環システムを構築しています。

 

▼今後のキャリアプランをお教えください。

川合様:

今後はより事業を幅広く捉えて、事業全体の推進をするような役割を担いたいと考えております。また全体を見渡すためにも、複数案件でのプロジェクトマネージャーにチャレンジしてみたいです。

 

イルファン様:

直近では現プロジェクトマネージャーとして担当プロジェクトを完走し、お客様にもご満足いただければと考えております。
また、Madis等の提供を通じてOracle Marketplaceをより盛り上げていきたいです。会社の規模拡大という意味では、東アジア・東南アジアをはじめとして海外展開をしていきたいです。

 

▼同じSaaSエンジニアの皆さまへメッセージをお願いいたします。

川合様:

Oracle Cloud ERPの製品を取り扱うためには幅広い製品や業界の知識が必要になります。各社の教育プログラム等でより知見を深めていただいて、一緒にOracle ERPを盛り上げていきましょう!

 

イルファン様:

導入していく中で、日頃から発生する課題に対して「こういうものだから」という慣習で諦めてしまうのではなく、小さなことからソリューションを実現し、Oracle Marketplaceを盛り上げていきましょう!

 

 

【OPN事務局 編集後記】

今回は、株式会社 ADX Consulting様から、統合ソリューションの開発と導入に携わった二名の若きエンジニア、川合 央通様、イルファン パネ様にスポットライトを当てお伺いしました。
このインタビューを通して、プロジェクトに携わりながら、その熱意や積極性を武器に会社とともに成長していく力強さを感じました。
ADXC様ではフルリモートでの業務のほか、ワーケーションにも取り組まれており、「TOKYOテレワークアワード」も受賞されるなど、土地にしばられない働き方を推進されています。業務と技術をちゃんと併せ持っていればみなハッピーに仕事していける、というお言葉が大変印象的でした。
お二人の今後のますますのご活躍をお祈りしております!