経験豊富なSaaSエンジニアたちが挑む新たなプロジェクト導入方法論

True Cloud Methodを展開する日本唯一のパートナーとして、「Fit to Standard」アプローチで市場を切り拓く!

こんにちは、OPN事務局です。今回は新たなプロジェクト導入方法論True Cloud Method(TCM) を展開する日本唯一のパートナーとして、「Fit to Standard」アプローチで市場に挑むTIS株式会社(以下 TIS)の三名のエンジニア、坂元 幸治様、古杉 暁洋様、大森 淳志様スポットライトを当ててご紹介します。

 

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TIS株式会社

経営管理サービス第3部
副部長
坂元 幸治 様

経営管理サービス第3部
セクションチーフ
古杉 暁洋 様

経営管理サービス第3部
セクションチーフ
大森 淳志 様

 

▼今までおよび現在の仕事内容についてお聞かせください。
坂元様:

2003年、TISに新卒入社以来、中規模の会計パッケージの導入、開発を経て、2015年頃よりオラクルビジネスへと軸足を移しています。
その後、EBS、ERPCの導入プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャを担当し、現在はTIS社内におけるオラクルソリューション全体の企画、推進も担当しております。

古杉様:
2007年、TISに新卒入社。入社当初は、スクラッチ開発を担当しておりましたが、その後国産会計パッケージの導入コンサルを経て、2012年よりオラクルEBS Financialの導入コンサルを担当、その後は同プロジェクトマネジメントを実施しております。
2017年ごろに一度、OCS様のFusion Cloud ERP導入プロジェクトに参加させて頂きましたが、その後はEBSのプロジェクトに携わり、2022年より本格的にFusion Cloud ERPの導入を担当しております。

大森様:
2008年、TISに新卒入社。入社当初は、国産会計パッケージの導入コンサルからプロジェクトマネジメントまで幅広く担当しており、その後JDE、EBS、Fusion Cloudといった様々なERP導入プロジェクトにて導入コンサルやプロジェクトマネジメントを実施しています。キャリアの中で2、3年程度RPAも経験しており、色々なソリューションを担当してきました。現在はそれら経験を活かしてFusion Cloud ERP導入プロジェクトのプロジェクトマネージャを担当しております。
 

▼プロジェクトに取り組むにあたり、個人としてどのようなスキル等の準備をしていますか。
坂元様:

日常からの経済状況、市場動向の情報収集を欠かさず、
お客様へのご提案時には、お客様の手掛ける事業内容だけではなく、その業界でのトレンド等も情報収集して、最適な課題解決がご提供できるよう心掛けております。
またプロジェクトは、「人と人との関わりによって成功する」という信念のもと、共通の目標を達成するためにお客様としっかりした信頼関係を築けるようなコミュニケーションを実践しております。

古杉様:
ご提案、プロジェクト参画、いずれにおいても各お客様の業界における重要な会計基準があれば、予め情報収集、把握することを心掛けております。またRFP等でご提示されたお客様の特殊要件について、過去の導入経験より培ったノウハウをもとに、ERPCでの実現方法をイメージアップ、具現化することを得意としております。
その他、経験の少ない領域のモジュールを導入する場合には、オラクルCLS受講や研修、社内テスト環境を活用して、日頃より機能検証を実施しております。

大森様:
まずは、十分にお客様のことを理解するため、お客様の事業内容等お客様情報の収集を毎回実施しています。(HPや有価証券報告書等を活用しています。)
他には、セールスフェーズで営業担当がお客様とどういうコミュニケーションを取っており、どのような提案内容・前提条件でプロジェクトを受注したかを営業担当からしっかり引継ぎを受け、その内容をベースにプロジェクト立ち上げ準備(プロジェクト体制構築、WBS作成、リスク分析、工程計画、品質計画等)を入念に実施します。
また、セールスフェーズ時点で重要と位置付けられた顧客要件については、それを実現するソリューション案・技術検証を先行して進め、しっかり裏取りしてスムーズに顧客セッションが進行できるよう準備しています。
 

▼プロジェクトに関わる中で、特に重要であると感じた点をお聞かせください。

現在EBSをご利用中のお客様に対しては、特にしっかりとSaaS導入の目的、効果という点を、しっかりとご説明、共有することが重要であると感じております。
「お客様業務に即して、しっかりアドオンを交えて構築されているEBS導入」に対して、「業務標準化や定期的に機能アップグレードが提供されるPure SaaS、Full Managed Serviceを目的としているERPC」では、その導入目的、狙いが異なるため、SaaS導入の目的をお客様としっかりと共有し、その共有した目的をぶらすことなく、PJ全体を本番稼働に向けて導いていくということが、非常に重要であると感じました。

 

次に、今回はTrue Cloud Method(TCM)を適用したプロジェクトについて詳しくお伺いしていきたいと思います。

▼最初に、TIS様としてのERPの取り組み事業の目指すべき姿と、その中でTrue Cloud Method(TCM)についてご興味を持ってくださったきっかけについてお聞かせください。

※責任者の平野様にお伺いしました。

我々は、お客様の高度な経営管理を実現する事を目標に日々活動しております。
その中で、やはりERPというのがコアになってきますが、ただERPを入れればといいという時代はずいぶん前に終わっていて、いかに賢く最大限活用していくかということが大事だと思っています。
TCMに興味を持ったのは、お客様に長期的に安定した最新のシステムを使っていただくことを前提とした場合、安易な作りこみによる利便性の追求はSaaS最大のメリットである「定期的なアップデート(四半期アップデート)」の際に課題になってしまい、従来のオンプレミスのERP運用にありがちな、導入当初の機能の形を変えず、いかに延命して使い続けるかというストレスをSaaSでも同様に抱えることになると考えたためです。TCMによるパッケージ標準機能をベースにしたベストプラクティスでの導入は、それらを根本的に解決する事ができる最適な導入方法論ではないかと考えております。

 

▼True Cloud Method(TCM) について、プロジェクトの概要をお聞かせください。
某流通業様向けERPC新規導入プロジェクトにてPilot適用しています。
プロジェクトについては、「短納期・低コスト」、「Fit To Standard」での導入が最重要ポイントであったため、プリセールス段階からTCMの要素をお客様にもしっかりご説明し、評価いただいた上でプロジェクトをスタートしています。このプロジェクトには最大7人で取り組んでおります。
 

▼TCMプロジェクトについて特に留意すべき点などがあれば教えてください。
留意すべき点で言えば、やはりお客様と提案段階から、SaaSを導入する目的、狙いを明確化、共有しておくことだと思います。その中で、SaaS特有の制約というものを、デメリットではなく、メリットとして捉えていただく、SaaS導入に際して、ERPCがこれまでの導入にて培った標準的な業務フローやベストプラクティスを用いて導入することにより、お客様の業務が標準化、シンプルになっていくという点を、中長期的な視点で経営管理の高度化に繋がるということを感じて頂く必要があると思います。
その為にも、我々は、「標準業務フロー」や「標準業務プロセス」、「標準機能にて実現できない際のソリューション」というものを、多くご提供できるように準備していく必要があると考えております。

 

▼今後TCMを日本に普及させるために工夫された点や、今後工夫した方がいい点などはどこでしょうか。
TCMにまつわる各種ドキュメントをオラクル様よりご提供頂いておりますが、現時点では英語版のみの提供となるため、日本語への翻訳版をご提供頂けると、プロジェクトとしてもよりスムーズな推進が可能になると感じております。
また、システム利用者の方の中には、現行システムの操作感に慣れ親しんだ方も多くいらっしゃると思いますので、そういった方々にもSaaS導入のメリットを感じてもらえるようなご説明が必要だと考えています。そのためにも、SaaS導入の意義や効果といったものを、わかりやすくかつ定量的にご説明する必要があると感じています。
 

▼TIS様の今後のERPへの取り組みをお聞かせください。
これまでと変わらず弊社の注力ソリューションとして、これまでの導入実績から培ったノウハウや弊社独自のソリューションと組み合わせて、より多くのお客様にERPCの導入を目指していきたいと思っております。
また、TCMを活用したプロジェクト推進だけではなく、弊社独自ソリューションとなる「ACTIONARISEシリーズ」の『会計処理エンジン』、『クラウド型経費精算システム Spendia』といった、コンポーザブルERPを実現できるソリューションを組み合わせてご提供していきたいと思っております。
合わせて、実際のPJ経験だけではなく、オラクル様にて主催頂いている各種研修、資格試験を有効活用して、社内の技術者育成にも取り組んでおります。
 

▼TIS様のアプリケーション事業全体についての今後の展望をお聞かせください。
※責任者の平野様にお伺いしました。

ERPを導入することだけが目的ではなく、お客様が抱える真の課題解決を実現していきたいと考えています。これまではERPを上流から下流まで統一するのがベストと考えられてきましたが、むしろコンポーザブル ERPを目指した方が、柔軟性のあるシステムとして時代やビジネスの変化に対応しやすくなると捉えています。ERPと共に導入することで効果を発揮するTIS独自ソリューション(『会計処理エンジン』、『クラウド型経費精算システム Spendia』)のご提供が可能ですので、それぞれのお客様の課題に応じて、最適なシステムをご提供させて頂きたいと思っております。

 

▼ご自身がこれまで取得されたOracle認定資格を教えてください。
坂元様:

・Oracle Financials Cloud: General Ledger 2023 Implementation Professional
・Oracle Financials Cloud: General Ledger 2020 Implementation Essentials
・Oracle Financials Cloud: General Ledger 2022 Implementation Professional

古杉様:
・Oracle Financials Cloud: General Ledger 2019 Certified Implementation Specialist

大森様:
・Oracle Procurement Cloud 2022 Certified Implementation Professional
・Oracle Financials Cloud: Receivables 2022 Certified Implementation Professional
・Oracle Financials Cloud: Payables 2022 Certified Implementation Professional
・Oracle Financials Cloud: General Ledger 2019 Certified Implementation Specialist

 

▼技術者育成への会社としての支援についてお聞かせください。
TISとして、有資格者を増やす取り組みや資格者の管理を行っています。
プロジェクトでしっかり活躍できる人材を育成するため、各自の資格取得と並行してプロジェクトで得たノウハウやソリューションの共有をはじめとした知見や経験値を積み上げる取り組みを継続しています。
具体的には、Share point上で課題やノウハウを共有、オラクル様主催の四半期アップデートセミナー等で得た最新情報を定期的に共有する活動を実施しております。他には社内テスト環境やCLS(Cloud learning Subscription)等を活用した独自の学習に加え、半期に3~4回のペースで社内勉強会を開催し、新たなメンバの参画タイミングや、メンバが新領域へチャレンジする際に、組織として様々な育成支援を実施しております。
安定したプロジェクト推進のためにも、日頃からの技術者育成は不可欠なものであると考えておりますので、引き続き多くの技術者を育成し、安心したシステム導入をご提供出来るように取り組んでおります。
 

▼今後のキャリアプランをお教えください。
坂元様:
TCMを活用した導入アプローチをより極めて、お客様にSaaS導入のメリットを最大限享受いただけるようなシステム導入を目指していきたいと思っております。
また、ERPCと組み合わせて効果を発揮する、様々なTIS独自ソリューションもご提供可能ですので、ERPCだけにはとどまらず、お客様課題を多面的に解決していけるようなエンジニアを目指していこうと考えております。

古杉様:
引き続き、Fusion Cloud導入プロジェクトをリードしていくとともに、技術者の育成を行い、スペシャリストが多く在籍するようなチームを作り上げていきたいと思います。

大森様:
TCMの理解をより一層深め、TCMを実践することでFusion Cloud導入プロジェクトを数多く・確実に完遂できるプロジェクトマネージャを目指します。(もちろん、その際にはお客様からも高く評価いただけるようなマネージャに。)
また、プロジェクトマネジメントだけではなく、TISのオラクルビジネスのさらなる拡大を担えるようなOracleビジネスソリューションオーナーも目指していきます。

 

▼同じSaaSエンジニアの皆さまへメッセージをお願いいたします。
坂元様:
Saasを導入するには、これまでのオンプレミス導入の時とは違ったマインド、お客様へのアプローチが必須になると感じています。同じソリューションを扱うエンジニアとして、そういった面での意見交換も実施させて頂き、オラクルビジネスの発展のために一緒に盛り上げていければと思っております。

古杉様:
SaaSエンジニアとしてFusion Cloudについて実感しているのは、オラクルのIdeaLabsで提案した機能が四半期UPDATEで機能追加され、サービスとしてコンスタントに成長している点です。
これは同じSaaSエンジニアの皆さまが、お客様へより良いサービスを提供しようとご提案・また投票をした結果だと考えています。引き続き、より良いサービスへの成長のために、共に力を合わせて頑張りましょう!”

大森様:
時には競合先・時には協同パートナーとして会社の垣根を超えて高め合い、その相乗効果としてオラクルビジネスのさらなる拡大を一緒に目指させてください。
 

【OPN編集後記】

今回はTIS株式会社(以下 TIS)の三名のエンジニア、坂元 幸治様、古杉 暁洋様、大森 淳志様から、新たなプロジェクト導入方法論True Cloud Method を展開する日本唯一のパートナーとしての「Fit to Standard」アプローチについて、また、お三方が日々プロジェクトに関わる中で心がけていることを詳しくお伺いしました。
加えて、TIS様のアプリケーション事業全体についての今後の展望や、技術者育成の取り組みなどについてもお話しいただくことができました。
お三方様の今後のますますのご活躍をお祈りしております!
 

 


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