OPNエンジニアスポットライト:
数々の大規模OCI実装を手掛けてきたエンジニアから見たOCIとは
~オラクルDBと関わり13年、社内の行動指針(セブンハート)に基づく案件との向き合い方~
こんにちは、OPN事務局です。
今回は、オラクルDBと関わり始めて13年、数々の大規模OCI (Oracle Cloud Infrastructure) 実装を手掛け、チームリーダーとして若手を牽引していらっしゃる、株式会社アシスト(以下アシスト) 加藤 康佑様にスポットライトを当てご紹介します。
このOPNエンジニアスポットライトでは、優れた業績を上げられたオラクルパートナーのエンジニアの方に焦点を当て、その成果を称賛し感謝の意を表明するためお話をうかがっております。お話を通じ、皆様の仕事や学習へ少しでもヒントになればと思いお届けします。
株式会社アシスト
ビジネスインフラ技術本部
データベース技術統括部 技術3部
加藤 康佑様

これまでのクラウド経験
▼今までのお仕事内容についてお聞かせください。
アシストに新卒入社し、まずは監視ツール、テストツールを担当。
その後DB担当部署に異動し、ExadataやODAを含むオラクルDB製品全般の提案、構築、移行、チューニングなど幅広く経験してきました。
2020年からはOCIも兼任することになり、西日本エリアを中心にOCIビジネス拡大のための販促活動、実装支援を担当し、現在OCIチームのリーダーをしています。
オラクルDBとの関わりは、約13年になります。
▼これまでご担当された主な大規模クラウド案件の内容をお聞かせください。
大規模なクラウド案件の内容は以下です。Exadata関連の案件が多いです。
・Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure 構築
・Oracle Cloud VMware SolutionのPoC
・Oracle Exadata Cloud at Customer 構築、Gen1→Gen2移行、
・Oracle Management Cloud 監視設定
大規模クラウド案件への取り組み
▼クラウド案件のキーポイントはどこでしょうか?
まずはオンプレミスとの違いやクラウドにある制約を、お客様にわかっていただき、納得していただくことが重要だと思います。
また、クラウドは日々進化していくので、これまでできなかったこともある日できるようになったりします。朝一でリリースノートをチェックするなど、常に新機能の確認をして、使えるようになった新機能をすぐに導入できるよう心掛けています。
▼クラウド案件に取り組むにあたり、個人としてどのようなスキル等の準備をしていますか。
・DBまわりの知識に偏っていたので、インフラを扱うためにネットワークとセキュリティ分野の基礎を改めて勉強
・OCIサービスの制限や制約を調査・検証しナレッジを蓄積
・OCIの機能拡張、新機能リリースなどの最新情報の情報収集
・他社クラウドと比較検討となることが多いため、主要クラウドのメリット/デメリットや動向の情報収集
Oracle Cloudを手掛け始めた頃は、全然知らない分野だったので大変でしたが、もともとずっと同じことをしているよりも新しいことにチャレンジするのが好きなので、新たな知識が増えていくことがやりがいに繋がり現在では「楽しい」の方が大きくなっています。
勉強のソースとしては、マニュアルを読んだり、オラクル社が提供するチュートリアルを活用していました。チュートリアルは今は更に拡充されていると思います。また、Oracle Cloud Infrastructure Architect Associate 認定資格の試験学習がそのまま勉強になっています。私は西日本チームに所属していますが、先行してOCIに取り組んでいた東京チームに相談して学んだこともありました。
他社クラウドについては、webの公開情報で学ぶことが多いです。
実際の案件に取り組むことからも、大規模クラウド案件を手掛けるにあたって注意しなければならない点を学び、日々経験値を積み、知見を多く得られていると感じます。
お客様への対応でこころがけていること
▼アシスト様は顧客満足度の高さ、サポートの手厚さを高く評価されていると思いますが、
個人的にお客様への対応として心がけていることはありますか。
個人として意識しているのは以下の点です。
・お客様が実現したいことの本質を捉え、最適な手段を提案する
・お客様が気付いていないことを補完する
・お客様の立場で考える、当事者意識をもつ
弊社の「行動指針(セブンハート)」にもあるように、お客様のための「プラスアルファ」をご提供できるようにいつも考えるようにしています。この考え方は、社内カルチャーとしても根付いていると感じます。
クラウド案件で苦労した点は
▼プロジェクトに関わる中で、特に苦労された点をお聞かせください。
様々な「オンプレミスとの違い」には苦労しました。仕様や制限の違い、変化の速さ、自社が担当するスコープの違い、案件関係者の違いなどです。
お客様もオンプレミスと同じことを求める方が多いので、オンプレミスとは考え方を変える必要があることから伝えるようにしています。
今後に向けて
私個人としては、まだ触れていない機能は多くあるので、自身が提案・実装できる範囲を広げて引き続き技術者としてのレベルは高めていきたいと思っています。
お客様から良き相談相手として頼られる存在でありたいです。
また、自身のノウハウを積極的に展開し後進育成を進めていくつもりです。
現在、弊社の西日本チームでは、「オンプレミスでのオラクルDB担当メンバー数十名全員が Oracle Cloud をできるようになる」を目標に、技術者育成の取り組みもしています。
今の私の仕事をどんどん奪ってもらい、私はお客様のニーズに応えられるサービスの組み合わせや新しいソリューションの打ち出しなど、新たな価値を生み出す役割にシフトしていきたいと考えています。
みなさんへのメッセージ・アドバイス
▼これからクラウド案件を手掛けていく皆さまへメッセージをお願いいたします。
漠然とした不安を抱えている方はまず触ってみてください。オラクル社が公開しているチュートリアルをそのまま実施するだけでもいいです。オンプレミスでの経験をお持ちの方は少し触るだけでポイントを掴めると思います。
クラウド案件のプロジェクトリーダーの皆さんには、「クラウドだからといってあまり心配しないで、なんとかなる」というメッセージを贈ります。
実際に案件に携わる時にはクラウドの変化の速さを意識すると良いと思います。以前に検証した機能も変化しているかもしれません、前はこうだったという記憶だけで進めてしまうと最適なサービスをお客様に提供できないこともあります。クラウドは変化するものと理解して最新情報のキャッチ、最新状態の確認をする習慣づけを大切にしていただきたいです。
【OPN編集後記】
今回は株式会社アシストの加藤様にお話を伺いました。
アシスト様には、まだ「Oracle Cloudって何、オンプレミスから持っていけるの?」という時代から取り組んでいただき、いわば先駆けのような存在として現在も数々の基幹系/大規模案件を手掛けていらっしゃいます。
OCIの大規模案件をいくつも手掛けてこられた加藤様のお話をいろいろお聞かせいただき、これからクラウド案件に携わっていく方々には特に参考になる内容だったかと思いますし、私ども事務局も学ばせていただくことばかりでした。
加藤様の今後のますますのご活躍に、心より期待しております!
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