競走馬生産牧場から飛び込むクラウドエンジニア転職
~業界未経験から意欲的に成長する若手エンジニアの挑戦~
こんにちはOPN事務局です。今回は、異業種である競走馬生産牧場からクラウドエンジニアに転職し、ゼロからITスキルを身に付け、多岐にわたる案件でご活躍中の、株式会社Cloudii(以下 Cloudii)のエンジニア、高梨 祐樹様にスポットライトを当てご紹介します。

株式会社Cloudii
クラウドインテグレーション事業部
高梨 祐樹様
▼入社されてからこれまでの仕事内容についてお聞かせください。
私は業界未経験でしたが、幸運にも入社時に無償でOracle Cloud Infrastructure(以下 OCI) の日本語試験を受けられる機会に恵まれました。
そのため、入社後の数ヶ月間は資格取得を目的とした学習に集中して取り組みました。
その後、実際の案件にアサインされ、OJTを通じて技術を習得しました。
これまで、要件定義から設計、構築、運用保守まで、多岐にわたる案件に携わってきました。
▼前職は競走馬に関わるお仕事と伺っていますが、IT業界に転職を決められたきっかけをお聞かせください。
馬が好きで大学卒業後に北海道の生産牧場に就職し、充実した日々を過ごしていました。
しかし仕事を続けていく中で、常に危険と隣り合わせである事や、自身の生活を犠牲にする面があることに疑問を感じるようになりました。
そこで、一度区切りをつけることを決意して転職活動を始めました。
その中で、働き方に多様性がある点や将来性に魅力を感じ、IT業界へ転職しました。
Cloudiiには、クラウド関連での実務を中心とした転職活動を続ける中で、職務内容や募集要項などが希望と合致していたため応募し、採用されました。
▼入社されたあと、ゼロからのエンジニアとしてのスキル取得など、ご苦労された点があれば教えてください。
業界未経験だったので、OCIのスキルを身につける前に、ITインフラの基礎知識の習得に時間を要した事を覚えております。
知識習得のため、周りの有識者に遠慮せず質問したり、自分で図を描いてみたり、関連知識を積極的に学ぶなど、なるべく深く理解するよう努めました。
学習の教材としては、Oracle Universityの動画や、Oracle Cloud Infrastructure 徹底入門などの学習書を使用しました。
▼これまでご担当されたプロジェクトをお聞かせください。
学習サイトやコーポレートサイトの移行や、Contents Management System の基盤構築、OCI DevOps の学習会の講師等、幅広い案件に携わっております。
これまで上司の元で働く機会が多かったのですが、最近では自身が主担当で顧客と直接やり取りする機会も増えてきて、日々自分ができる事が多くなっていることを実感しております。
▼主なプロジェクトについて、案件のキーポイントをお聞かせください。
これまで携わったプロジェクトの中の一例として、1年目の担当プロジェクトである学習サイトの基盤構築を実施した経験があります。
このプロジェクトに関して、お客様から回答いただいた内容を元に自ら設計や構築を実施しました。
また、基盤構築に加えて、OS内でローテートされるログをOCIのオブジェクト・ストレージに格納するスクリプトも作成しました。
このプロジェクトのキーポイントとして、お客様からの追加要望にも下記のように柔軟に対応できたとことです。
別々のバックエンドセットに対してそれぞれ異なるURL文字列でアクセスを行いたいという追加要望がありました。
そこで、OCIのロードバランサ内にあるルーティングポリシーを使用して、アクセスを分散させる仕組みを構築途中で設計・構築を実施することで、お客様からの要望に応えることができました。
▼プロジェクトに取り組むにあたり、個人としてどのようなスキル等の準備をしていますか。
案件開始前に事前に共有された内容を元に、弊社環境で実際に検証を行い、回答や手順を先回りして確認することで、案件をスムーズに進められるよう準備しております。
その過程で不明点などあれば、今でも有識者に積極的に聞いて解消するようにしています。
▼プロジェクトに関わる中で、特に工夫された点/苦労された点をお聞かせください。
全くの別業界からの転職だったため、知識や仕事の進め方が不明な部分が多く、最初は四苦八苦したことを覚えています。
お客様との直接のやり取りや折衝の難しさ、特に、お客様の希望の本音の部分を、メールやSlackなどの文字からではない所から意図を汲み取ることに、当初は苦労しました。
また、自分から能動的に調べていかないと必要な知識をつかめないので、周囲の助けを借りながら学習に努めています。知らない単語を控えておいてあとで重点的に調べたり、同じ知識レベルの新人エンジニアが複数名いるので、終業間際に一緒に振り返りをしたりしています。
ITインフラは普段私たちの目に見えない部分に存在しているため、意識して目を向ける必要があると学びました。
その分、毎日新しいことを学べるので、非常に新鮮な日々を過ごしております。
▼ご自身がお持ちのOracle認定資格を教えてください。
・Oracle Cloud Infrastructure 2023 Certified Cloud Operations Professional
・Oracle Cloud Infrastructure 2023 Certified Security Professional
・Oracle Cloud Infrastructure 2023 Architect Professional
・Oracle Cloud Infrastructure 2023 Developer Professional
・Oracle Cloud Infrastructure 2023 AI Certified Foundations Associate
・Oracle Cloud Data Management 2023 Foundations Certified Associate
▼社内でのエンジニア育成方法について詳しくお聞かせください。
・毎週、インフラチームが集まって定例を実施し、その中で司会進行、OCIリリースノート、LT(Lightning Talks) を持ち回りで担当しています。
・司会進行は、各自担当に関することや時事ネタなどを持ち込みます。打ち合わせ前のアイスブレイクなどを意識して、各自のコミュニケーション力をつける目的で行っています。
・1週間で発表されたOCIリリースノートを紹介しています。発表者がそのサービスをどのくらい理解しているのか、興味があるのか、実際に事前に触ってみた感想を聞くなどして、スキルも含めた確認をしています。
・LTは、担当が資料を作り発表しています。アウトプットすることにより、フィードバックや、資料作成方法、伝え方を鍛えるために実施しています。慣れてきたらOracle Cloud Infrastructure(OCI)に関する勉強会を開催するユーザーグループ OCI.jp 等の登壇につなげています。
・また、自分で得た知識をブログやSNSでアウトプットしています。
ブログは半年に1本は書くというノルマで回しています。アウトプットすることによる知識定着や、アウトプット=ナレッジを共有するので、次のスキル取得が必要となるといったよい循環にもなっています。
▼上司の大森様から見た、社内でのエンジニア育成についてお聞かせください。
インフラチームには現在12名のエンジニアが所属しています。
メンバーそれぞれのスキルアップ、ひいては個人の市場価値を上げること、そして各自にスキルアップを体感してもらいたいという願いを込めて社内のエンジニア育成を行っています。
指示するときには先段階を伝えながら/見せながら伝えることで、全行程の中で今どの部分を担当しているかを知ってもらうようにしています。
ナレッジを渡して早く育ってもらうことで自分も楽になりますし、スキルの便秘にならないようBlogなどのアウトプットを意識することも育成する上で大事にしています。
個人が挑戦したいことについては、新しいこと/やりたいことを一緒に方向性を見ながらできるだけチャレンジさせてあげたいと考えながら育成をしています。そして、業務経歴書にこれまで自分がやってきた実績をたくさん書けるようになってもらいたいと思っています。
▼Cloudii様のOCIへの取り組みをお聞かせください。
弊社ではOCIを主として対応しております。
詳細や他の情報については下記の弊社サイトをご参照ください。
https://cloudii.jp/company/
▼高梨様が昨年17本の記事を執筆されたというCloudii様の技術ブログについてお聞かせください。
弊社ブログでは、主にOCI関連の技術に関する記事を定期的に投稿しています。
特に年末には、OCIのアドベントカレンダー企画に積極的に参加し、弊社メンバーが1人1記事投稿するというのが恒例となっています。
記事のテーマを選ぶ際、私は自分が学びたいことや後から読み返したい内容を基準に選んでいます。
弊社ブログは以下のURLからぜひご覧ください!
https://cloudii.jp/news/category/blog/
▼今後のキャリアプランをお教えください。
これまで私はOCI関連の様々なプロジェクトに携わってきましたが、弊社ではOracle以外のクラウドの案件を扱っていることもあり、今後はOCIのみならずAWSの知見も深めていきたいです。
理由としては、他社のクラウドを知ることにより、OCIとの連携時のアーキテクチャや移行において、これまで以上により良い提案ができると考えたからです。
また、今年で入社3年目となり、新人が入社する機会も増えているため、新人への設計書/手順書の指導、構築支援など、教える側と教えられる側の比重が変わりつつあります。これからはマネジメントの立場としても経験を積みたいと考えています。
▼これからOCIビジネスを手掛けていく皆さまへメッセージをお願いいたします。
何でもいいので、まずは何かを学ぶ際の「手段」を考えて学習に取り組みましょう。
特にオススメがアウトプットを行うということで、アウトプットをすることにより知識が整理され、結果として深い理解につながると考えております。
培った知識を外部に公開する事で、自分のスキルを第三者にも伝えられ、自身の名刺代わりにもなるので一石二鳥です。
私の場合、案件がひと段落したタイミングで弊社ブログに投稿し、知識の定着を図っております。
変化が激しい業界で覚えることが多く、知識の習得には時間がかかることもありますが、お互いに頑張っていきましょう!
【OPN編集後記】
今回は株式会社Cloudiiのエンジニア、高梨 祐樹様から、ゼロからのITスキル習得の方法や、手掛けてこられたプロジェクト、Cloudii様でのOCIエンジニア育成の取り組みについてお話を伺いました。
全くの異業種からの転職ということで苦労された点や、スキル習得について詳しくお聞かせいただき、さらにCloudii様のOCIエンジニア育成の方針や手法などについても、上司の大森様からお伺いすることができました。IT未経験からチャレンジされる方々にも、これから新人エンジニアを育てていく方々にも、大変参考になるお話だったかと思います。
高梨様の今後のますますのご活躍をお祈りしております!
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