HeatWaveは、統合され自動化されたセキュアなAI、トランザクション処理、レイクハウス規模の分析を1つのクラウド・サービスで提供します。HeatWaveが提供するサービスのうちの一つの機能、HeatWave MySQLのみを使用することもでき、また、追加コストなしでHeatWaveのすべて機能を活用して、優れたシナジーを得ることも可能です。さらに、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、Amazon Web Services(AWS)またはMicrosoft AzureにHeatWaveを利用するアプリケーションをデプロイできます。

HeatWave Services

3つのパートからなるこのブログ・シリーズでは、HeatWaveの導入例の多い3つの利用形態を検討することで、HeatWaveでお客様が成功する方法を理解するのに役立ちます。

  1. HeatWave MySQLへのMySQLベースのデータベースの移行
  2. HeatWave GenAIおよびHeatWave AutoMLを使用したAIによるイノベーション
  3. HeatWave Lakehouseで「すべて」のデータの活用

この最初のブログでは、パターン#1から始めます: HeatWave MySQLへのMySQLベースのデータベースを移行HeatWave MySQLへ

 

MySQLベースのデータベースを使用する場合の一般的な課題、およびHeatWave MySQLがそれらに対処するのにどのように役立つか

パフォーマンス、信頼性、セキュリティ、およびコストに関する懸念

システムの開発現場で技術選定を行ういわゆる「ボトムアップ」の採用(経営陣が義務付けているトップダウンの採用とは対照的に)は、MySQLでは非常に一般的であり、お客様の組織内でMySQLが使用される範囲にIT部門の管理者が驚くことがよくあります。


実際、変化するビジネスの要件に迅速な対応を求められる開発者やアナリストは、パフォーマンス、信頼性、使いやすさを重視したオープンソース・データベースであるMySQLを利用したアプリケーション構築を選択することがよくあります。これにより、ユーザーはすぐに作業を完了できます。このようなアプリケーションは当初はお客様にとって重要ではない可能性がありますが、多くの場合、急速に変化し、コミュニティ版のMySQL上に構築された多くのアプリケーションは、1つ以上の部門にとって不可欠になる可能性があります。その点では、次のようないくつかの質問が浮上する傾向があります。

  • データの保護方法は?データ侵害の60%が未適用のパッチによるものであることを考慮する重要なポイント
  • 規制要件に準拠していますか?
  • 高可用性の設定は?
  • バックアップのポリシーは?
  • 必要に応じて、すぐに専門的な技術サポートを受けることはできますか?
  • データベースの管理責任者は誰ですか?この社員が退職するとどうなりますか?

パフォーマンスとスケーラビリティを最適化できず、最新の機能を使用せずに、古いバージョンのMySQLをアプリケーションから利用していることがあります。コミュニティ版のMySQLがオンプレミスで利用されているか、クラウドで自己管理されているか(Amazon EC2上などで実行されているなど)にかかわらず、これらの一般的な問題に直面しています。

またMySQLベースのマネージドなデータベース・サービスをAWSまたは他のクラウド・プロバイダーで利用している場合もありますが、パフォーマンス、可用性、セキュリティ、および運用コストの問題に苦慮しているケースは少なくありません。たとえば、南米チリでシステム開発を行う企業のGrupo DTGは、Amazon RDSからHeatWave MySQLに移行しました。「AWSは広範な高可用性の仕組みを提供すると考えていましたが、実際には我々の要件を満たしていませんでした」と指摘しています。Grupo DTGは、HeatWave MySQLに移行することで、 顧客満足度の向上、新しいビジネス契約の獲得、運用の俊敏性の向上、20%のTCOの削減を実現しました。お客様からは次のメッセージをいただいています 「HeatWave MySQLの高可用性は私たちの生活を完全に変えました。そして、私たちはもはや常にストレスを感じていません。OCIではHeatWave MySQLを使用することで、CPUとRAMの半分しか使用せずにAWSと同じレベルのパフォーマンスを実現できました。」

HeatWave MySQLは、MySQL開発チームによって構築されたフルマネージドのデータベース・サービスで、パッチ適用、高可用性管理、バックアップおよびアップグレードを自動化します。

  • 最新のMySQL機能にアクセスし、MySQLエンジニアにアクセスできるエキスパートからテクニカル・サポートを受けることができます
  • HeatWave MySQLは、MySQL Enterprise Edition上に構築された唯一のMySQLクラウド・サービスであり、統合された高度な機能により、データのライフサイクル全体を保護し、規制要件に準拠するのに役立つ追加のセキュリティ対策を簡単に実装できます
  • HeatWaveデータ処理エンジンを統合する唯一のクラウド・サービスであり、MySQLのインメモリーのクエリ・アクセラレータとして機能します。HeatWaveは、アプリケーションの変更を最小限に抑えた上で分析処理のパフォーマンスを桁違いに改善します
  • 組み込まれたHeatWave Autopilotは、更新系の処理と分析系の処理の両方に対して、ワークロード対応の機械学習による自動化を提供します。データベースのチューニングの専門知識を必要とせずにパフォーマンスとスケーラビリティを向上させ、開発者とDBAの生産性を高め、人的エラーを排除します。HeatWave Autopilotは、HeatWaveのお客様に追加コストなしでご利用いただけます

HeatWave MySQLは、この比較で示されているように他のMySQLベースのサービスよりも大幅に安価です。

MySQL cloud services comparison

トランザクション処理と分析処理に別々のデータベースを使用するのは複雑でコストがかかる

MySQLやAmazon Auroraなどのトランザクション・データベースは、分析処理用に設計されていません。そのため、お客様は、複数のクラウド・サービスを必要とすることとなり、複雑で時間のかかるETLプロセスを介して、すべてのデータを別々の分析データベースに移動する必要があります。

To use separate databases is complex and costly

  • 複数のクラウド・サービスを使用すると、複雑さやコストが増し、複数のスキルが必要になります
  • データは、別の分析データベースで使用可能になるまでにすでに古くなっている可能性があるため、リアルタイム分析は得られません
  • セキュリティとコンプライアンスのリスクは、データ・ストア間のデータの移動に伴って増加します

最大の問題として、この複雑さはビジネス上の意思決定を遅らせます

これに対して、HeatWave MySQLでは、トランザクション処理とリアルタイム分析の両方を1つのクラウド・サービスで実行できます。:

  • 個別の分析データベースへのETL複製のコスト、複雑さ、レイテンシ、およびリスクを排除します
  • 既存のMySQLスキルを使用して、リアルタイム分析を取得できます
  • HeatWaveはネイティブのMySQLソリューションであるため、既存のMySQLアプリケーションは変更なしで機能します

ジニアス・ソノリティはコンソールやスマート・デバイス向けのゲームを設計、開発、運用しています。ゲームプレイヤーの顧客満足度を向上させ、同時にゲームの難易度を調整するには、ゲームの使用率とキャンペーンの参加率をリアルタイムで分析する必要があります。ジニアス・ソノリティのエンジニアは、トランザクション・データを別の分析プラットフォームに転送する必要がありました。あるデータ・ストアから別のデータ・ストアにデータを移動すると、データの分析に時間がかかり、複数の異なるツールを使用した追加スクリプトの開発が必要になり、時間がかかり、コストが増加しました。
HeatWave MySQLにより、ジニアス・ソノリティのエンジニアはMySQLからトランザクション処理とリアルタイム分析の両方を実行でき、データの移動や別の分析プラットフォームとの統合が不要になりました。分析処理の性能は通常のMySQLでの処理と比較して最大90倍高速になっています。HeatWave MySQLを使用する以前は、特別なデータ処理とプログラミングによるデータ分析で9時間以上かかっていたものが、HeatWave MySQLの場合は約6分で終了しています。

ジニアス・ソノリティにおけるHeatWave導入事例

 

HeatWaveの適用領域

HeatWave MySQLは、次のようなアプリケーションに対して利用される例が多くなっています:

  • デジタル・マーケティング: マーケティング/広告キャンペーンの影響、効果的なキャンペーンを構築するための顧客データ分析などをリアルタイムで分析
  • フィンテック: 決済アプリケーション、取引プラットフォーム、金融CRM、など
  • ゲーム/仮想プレイグラウンド: リアルタイム分析のエンドユーザー・エンゲージメント、キャンペーンへの参加状況の分析
  • SaaS ISV: ビデオ会議用プラットフォーム、POSシステム、物流管理ソリューション、など
  • 教育プラットフォーム: 学習、評価分析、など
  • 通信/接続ソリューション: 音声、チャットボット、コールセンター・ソリューション、など

こうしたユースケースすべてにおいて、優れたパフォーマンス、信頼性、セキュリティ、コスト効率の高いスケーラビリティを提供するMySQL Databaseサービスを利用することが、お客様にとって重要なポイントでした。また、その多くにとって、ETLの重複による複雑さ、レイテンシ、リスク、コストを別々の分析データベースに排除する機会も重要でした。

 

HeatWave MySQL移行プログラムで簡単に移行

移行プログラムでは、実証済のエンド・ツー・エンドのアプローチを使用して、HeatWave MySQLに確実に移行できます。OCIまたはAWS上のHeatWave MySQLに移行するためのベストプラクティスを概説したステップ・バイ・ステップのガイドに加えて、様々な情報、技術トレーニング・リソース、およびOracleエンジニアとOracleパートナーからのエキスパート・ガイダンスにもアクセスできます。
オンプレミスのMySQLおよびAmazon RDSからHeatWave MySQLへのダウンタイムを最小限に抑えた手順を解説している無料の移行ガイドはこちらのサイトからダウンロードいただけます。

 

まとめ

このブログシリーズの最初の部分で説明したように、HeatWave MySQLはお客様のシステム運用効率の向上やビジネス課題の解決に貢献します:

  • フルマネージドなMySQLデータベース・サービスを使用して、トランザクション処理を行うアプリケーションを実行し、高いパフォーマンス、信頼性、セキュリティおよびコスト効率の高いスケーラビリティを提供します
  • 個別の分析データベースにETLを複製することなく、トランザクション・データに対するリアルタイム分析を実現します
  • 追加コストなしでレイクハウス規模の分析、機械学習、生成AIを含む、HeatWaveがもつ多彩な機能を利用できます

HeatWave MySQL移行プログラムは、簡単かつ迅速に移行するのに役立ちます。また、無料の移行ガイドをダウンロードすることもできます。

HeatWave MySQLを試してみませんか。HeatWaveがOCI上のAlways Freeサービスに含まれるようになりました。つまり、HeatWave MySQLを無制限に使用して小規模アプリケーションを開発および実行できます。

 

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