HeatWave REST Serviceの一般提供を発表しました。強力なフルマネージド・クラウド・サービスであり、バックエンド・コードを1行も記述することなく、HeatWave MySQLデータベースからRESTful APIエンドポイントを直接すぐに作成できます。 

HeatWave REST Service の機能ハイライト

  • RESTのフルスタックのサポート
    • アプリケーション・スタックは、ミドルウェアやアプリケーション・バックエンド全体を排除することで簡素化できます。これにより、アプリケーションは標準のHTTPリクエストを介して直接かつ安全にデータと対話できます。

    • すべてのレイヤー(MySQLサーバー、ルーターおよびクライアント内)でJavaScriptを使用して、強力なプログレッシブWebアプリケーション(PWA)を開発できます。

  • 最新のAIアプリケーション開発に対応
    • HeatWave 生成AIおよび機械学習機能を最大限に活用して、AI機能を既存および新規アプリケーションに統合します。

    • HeatWaveのデータベース内LLMに依存するGenAIアプリケーションを開発し、追加のソフトウェアやハードウェアの必要性をなくし、コストを削減します。

    • LLMおよびREST処理を含むすべてのデータ処理をMySQLサーバーに移動することで、データ・セキュリティを向上させます。.

  • どこでも利用可能- HeatWave、エンタープライズおよびコミュニティ・エディション
    • MySQL RouterのMySQL REST Service (MRS)プラグインに基づいて、HeatWave MySQL 9.3.1のマネージド・サービスとしてだけでなく、商用版のMySQL Enterprise EditionおよびMySQLコミュニティ版の通常のMySQL Routerパッケージの一部として使用できます。

 

HeatWave REST Service - MySQL Summit Keynote

 

HeatWave REST Serviceを構築した理由

最新の開発スタックには、多くの場合、バックエンド・フレームワーク、ORM、ドライバ、コネクション・マネージャ、ロード・バランサ、セキュリティ・ラッパーなど、複雑さのレイヤーがあふれています。これらはすべて、アプリケーションがデータベースと通信できるように構築されています。しかし、余分なレイヤーはすべて、管理、保護および拡張のためのものです。

Typical REST Service Deployment Stack

HeatWave REST Serviceは、データベースとネイティブにRESTでやりとりすることで、そのすべてを簡素化します。つまり、Webアプリケーション、モバイル・アプリケーション、さらにはIoTデバイスでも、標準のHTTPのみを使用してHeatWaveと安全にやり取りできます。カスタム・ミドルウェアは必要ありません。

HeatWave REST Service Stack

これにより、開発とサービスの運用における複雑さが大幅に軽減され、コストを大幅に削減できます。

AIアプリ開発の簡素化

HeatWave REST Serviceは、データベース内のAIおよび機械学習(ML)機能への標準化された使いやすいインタフェースを提供することで、AIによるアプリケーションの開発を合理化します。これにより、AIとMLの機能の統合を心配せずに、アプリケーションの開発に集中できます。

HeatWave REST Serviceを使用すると、次のことができます。

  • REST APIを使用して、データベースのAIおよびML機能に簡単にアクセス

  • ビジネス価値を高めるAIを活用したアプリケーションを構築

  • AIとML機能を統合するために必要な時間と労力を削減

HeatWave REST Serviceは、HeatWaveデータベースの組込みAIおよびML機能を簡単に活用できるようにすることで、AIおよびMLの採用に対する障壁を打ち破ります。これにより、すべてのスキル・レベルの開発者は、より革新的で強力なアプリケーションを構築できます。

JavaScriptをどこでも

HeatWave REST Serviceは、AIによるアプリケーションの開発を容易にすることに加えて、アプリケーション・バックエンドおよびフルスタック・アプリケーションの作成を合理化します。MySQLのJavaScriptサポートを利用すると、データとシームレスに統合する堅牢でスケーラブルなアプリケーション・バックエンドを作成できます。JavaScriptを使用すると、ビジネス・ロジックを処理し、データベースとの複雑な相互作用を実行できるため、フルスタック・アプリケーションを構築するための理想的なプラットフォームとなります。

データベース内のJavaScriptを使用してアプリケーション・バックエンドおよびフルスタック・アプリケーションを構築すると、開発者はいくつかの利点を得ることができます。.

  • 開発者が単一の言語とプラットフォームを操作できるようにすることで、生産性が向上します。

  • アプリケーション・バックエンドをデータベースと統合することで、パフォーマンスが向上します。

  • 複数のテクノロジの管理の複雑さを軽減することで、メンテナンスを簡素化します。

  • この統合プラットフォームにより、開発者は基盤となるインフラストラクチャを気にするのではなく、アプリケーションの構築に集中できます。

入出力の全てをJSONで

データを操作するためにSQLを使用する必要も、SQLを知る必要もありません。

HeatWave REST Serviceでは、一般的な操作に対して自動でエンドポイント生成がサポートされています:

• データ参照: シンプルなHTTP GETリクエストを使用して、表やビュー(JOINの結果を含む)をJSONオブジェクトとして取得

データ変更: JSONペイロード付きのHTTP POST, PUT, DELETEリクエストで、挿入、更新、削除を実行

バックグラウンドで、HeatWaveは、これらのRESTコールを最適化されたSQL問合せにマップします。必要に応じて、宣言仕様またはビジュアル・エンドポイント構築インタフェースを使用してエンドポイントをカスタマイズできる場合を除き、問合せを記述する必要はありません。

GETリクエストは仕様に従ってJSONオブジェクトを生成し、結合された表の行は透過的にネストされ、意味のある方法でオブジェクトをリストします。同様に、HTTPリクエストでJSONオブジェクトを送信することで、行を挿入および更新できます。サービスは、参照される表の更新、削除および挿入など、トランザクション内のコピーと一致するようにオブジェクトのデータベース表現を更新するために必要なすべてのことを自動的に実行します。

これにより、次のサービスに最適です。

  • UI/UXを重視するフロントエンド開発者

  • 複雑なビジネス・ロジックに集中したいバックエンド開発者

  • 迅速なプロトタイピング・チーム

  • 社内ツールを構築する非エンジニアまたはデータ・アナリスト

必要な機能がすぐに利用可能

お客様が必要な機能はあらかじめ用意されています。

セキュアなRESTサービス

登録されているユーザーのみがアクセスできるように制限することで、RESTエンドポイントを保護します。各ユーザーがアクセスできるエンドポイントと、ロール・ベースのアクセス制御システムを介して実行できる操作を制御します。

柔軟な認証システム

拡張可能なシステムでは、ユーザー・アカウントと、ユースケースに最適な方法でログインする方法を管理できます。個別に管理されたパスワード・ベースのネイティブ・ユーザー・データベースを使用するか、MySQLアカウントを持つすべてのユーザーにRESTサービスへの接続を許可できます。または、ユーザー管理を外部アイデンティティ・サービスに委任して、既存のアプリケーション・ユーザーが新しいRESTエンドポイントにアクセスできるようにします。

Webセッション管理

ログイン・ユーザーのWebセッションは、クッキーまたはJSON Webトークン(JWT)を使用して自動的に処理できます。  

高性能なHTTPサーバー

RESTリクエストは、高スループットのHTTPサーバーによって処理されます。即時利用可能なHTTPパフォーマンスは、最適化なしでも、スケーラビリティ・オプションが追加された一般的なアプリケーション・フレームワークと同等かそれ以上です。

動的なウェブコンテンツ

HeatWave REST Serviceでは、静的および動的HTMLコンテンツのサービスもサポートされます。これにより、HeatWave MySQLインスタンスが軽量Webサーバーとして機能し、外部アプリケーション・フレームワークやサーバーなしでデータドリブン・ページを配信できます。

ダッシュボード、レポート、管理ツールまたは軽量アプリケーションに最適です。これらはすべてデータベースから直接実行されます。

プログレッシブなWebアプリケーション

HeatWave REST Serviceは、外部ライブラリやサードパーティ・コンポーネントに依存することなく、プログレッシブWebアプリケーション(PWA)を構築するために必要なすべてのものを提供します。ルーティング、状態管理、データ管理など、すべてネイティブにサポートされた一貫性のあるアーキテクチャを提供します。これにより、依存関係のスプロールが不要になり、ビルド・パイプラインが簡素化され、長期的なメンテナンス性が向上します。MRSを使用することで、チームはスタックを完全に制御して、迅速で信頼性が高く、データ集約型のPWAを提供し、セキュリティ・リスクを軽減し、すぐに使えるパフォーマンスを向上させることができます。

自動生成クライアントSDK

開発をさらに簡単にするために、HeatWave REST Serviceは、追加でエンドポイントの高レベルのクライアントSDKを生成できます。

これらのSDKには、次のものが用意されています。

  • RAW HTTPリクエストではなく、使いやすいメソッド・コール

  • データベース・スキーマに一致する組込みデータ・モデル

  • 自動処理認証とリクエストのフォーマット

つまり、フロントエンド・チームは、TypeScript、Pythonまたはその他のサポートされている言語を使用しているかどうかに関係なく、最小限の労力でデータベースAPIを統合できます。

SDKの生成は、バックエンドAPIとクライアント・アプリケーションの間のギャップを埋めるのに役立ち、ありがちなコードを繰り返し書くことを削減し、市場投入までの時間を短縮します。

HeatWave GenAIを使用した組込みAI

HeatWave REST Serviceには、HeatWave GenAIのネイティブ・サポートが含まれており、高度なAIおよびML機能へのRESTベース・アクセスを可能とします。

  • LLMサービス: RESTエンドポイントを介したデータベース内またはクラウドホストの生成AIモデルの使用
  • モデルのトレーニングと推論: データを移動せずにMLモデルをデータベース内でトレーニングおよびクエリ
  • RAG (Retrieval-Augmented Generation): ベクトル検索とLLMワークフローが組み込まれた強力なインテリジェント・アプリケーション

これらのAI機能はエンドポイントとして公開されるため、外部のMLパイプラインを必要とせずに、アプリケーションに簡単に統合できます。

使い慣れたツールでの管理

Visual Studio Codeの拡張機能であるMySQL Shell for VS Codeまたはコマンドライン・インタフェースが必要な場合は通常のMySQL Shellを使用して、HeatWave REST Serviceを管理できます。使い慣れたツールを使用して、エンドポイントを作成、構成およびデプロイできます。

MySQL Shell for VS Code - Data Mapping

今すぐ試す

始めるのは簡単です。OCIでHeatWave MySQLの管理コンソールを開き、DB Systemを9.3.1にアップグレードし、REST Serviceを有効にして、エンドポイントの定義を開始します。

How to Enable REST Support For HeatWave

より詳しく知るためには、クイックスタート・ガイド または ドキュメント に記載のREST APIの定義、管理および保護方法の詳細を参照してください。

まずはMySQL Shell for VS Code 拡張機能をダウンロードしてインストールしましょう!