OCI Full Stack DRがOCI MySQL HeatWaveとネイティブ統合

この記事は”Suraj Ramesh”と”Sriram Vrinda“による”OCI Full Stack DR Now Natively Integrates with OCI MySQL HeatWave“の日本語翻訳版記事です。

2025年8月28日

Oracle Full Stack Disaster Recovery（以下、Full Stack DR）がOCI MySQL HeatWaveとネイティブに統合されたことを発表します。この統合により、OCI上で稼働する重要なアプリケーションをより効果的に保護できるようになりました。

この統合は、Full Stack DRの高度なレジリエンス（耐障害性）と高速なリカバリ能力を、MySQL HeatWaveの高性能・分析機能と組み合わせたものです。MySQL HeatWave DBシステムをFull Stack DRの保護グループに追加し、リカバリプロセスを自動化することで、計画的作業、予期せぬ障害、定期的なDR訓練などの際にダウンタイムを最小化し、業務の継続性を維持できます。

主なビジネス・技術上のメリット

この新機能により、従来の手動・スクリプトベースのMySQL DBシステム向けDRプロセスから、Full Stack DRとのネイティブ統合へ移行できます。効率性と信頼性が大幅に向上します。

• 統合管理：MySQL DBシステムを、コンピュート、ストレージ、OKEクラスタ、ネットワーキングと一緒にFull Stack DRプランで管理可能になり、運用が簡単になります。

• 組み込みのインテリジェンス：自動事前チェックやエラー処理が統合され、DRの信頼性が向上します。

• 企業レベルの信頼性：Full Stack DRにはログ、監視、監査証跡が含まれており、透明性とコンプライアンスを確保できます。

• 高速リカバリ：自動化されたリカバリにより、MySQL DBシステムに依存するシステムのRTO（復旧目標時間）を短縮できます。

• 運用効率向上：チーム間の手動調整が不要となり、異なるワークロード間でも一貫したDR運用が可能です。

OCI Full Stack DRとMySQL DBシステムの統合

この統合は、MySQLのインバウンドレプリケーションを使用し、アクティブ-パッシブ構成でMySQL DBシステムを運用しているお客様が対象です。MySQL DBシステムを追加する前に、以下の前提条件を完了する必要があります。詳細はOCI Full Stack DRのドキュメントを参照してください。

ネットワーク設定

• 両リージョンにDynamic Routing Gateway（DRG）を作成し、リモートピアリングを確立する。

• VCNルートテーブルを更新し、トラフィックをDRG経由でルーティングする。

• セキュリティリストとネットワークセキュリティグループ（NSG）を調整し、レプリケーショントラフィックを許可する。

DBシステムのデプロイ

• ソースリージョンにMySQL HeatWave DBシステムをセットアップし、レプリケーション用ユーザーを作成する。

• プライマリDBのバックアップを取得し、Copy Backup機能でターゲットリージョンにコピーする。

• ターゲットリージョンでバックアップをリストアしてスタンバイDBシステムを作成し、Read Onlyに設定する。

レプリケーション設定

• ソースDBのホスト名、ポート、レプリケーションユーザーの認証情報を使ってレプリケーションチャネルを設定する。

• 定期的にレプリケーション状態を確認し、データ整合性チェックを実施して完全性を保証する。

メンバー追加からDRプラン実行まで

1. MySQL DBシステムを、それぞれのDR保護グループのメンバーとして追加します。

   • プライマリDBシステムは「Primary DR保護グループ」に追加

   • スタンバイDBシステムは「Standby DR保護グループ」に追加

2.MySQL DBシステムをそれぞれの保護グループにメンバーとして追加します。プライマリDBは「Primary DR保護グループ」、スタンバイDBは「Standby DR保護グループ」に追加します。

3. Full Stack DRはMySQL DBシステム向けにサポートされているプランタイプに対して、組み込みのプラングループを自動作成します。

4. Switchoverプランには事前チェックとDBシステムの切り替え手順が含まれます。他のDRプランもそれぞれ独自の手順を持つプラングループがあります。保護グループに複数のMySQL DBシステムがある場合、すべてのリカバリ手順は並列で実行されるため、役割変更が同時に行われ、業務システムのRTOを短縮できます。

5. プラン作成後は事前チェックを実行し、希望のDRプランを実行できます。実行中は各ステップの所要時間が表示され、ログの確認・ダウンロード、再実行やスキップも可能です。すべてのDR操作を一元管理できるため、シングルペインでの運用が可能です。

まとめ

OCI Full Stack DRとOCI MySQL HeatWaveの統合により、OCI上で稼働する重要アプリケーションを、自動化された強力な方法で保護できます。効率性が向上し、リカバリ時間が短縮され、計画的・予期せぬ障害時の事業継続性が確保されます。この統合により、企業はDR対応をより自信を持って行い、レジリエンスと信頼性を維持できます。

さらに詳しく知りたい場合

OCI Full Stack DRをまだ体験していない場合は、Oracle Cloud Infrastructureのアカウントチームにデモの設定を依頼してください。

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