Oracle は、現在の四半期ごとの Critical Patch Update(CPU)スケジュールを補完する形で、MySQL のセキュリティ・アップデートを月次サイクルへ移行することを計画しています。

月次の Critical Security Patch Update(CSPU)は、重大なセキュリティまたは安定性の問題に対処するため、必要な場合にのみ提供されます。毎月必ずリリースされるわけではありません。

CSPU は、新機能ではなく、重大なセキュリティおよび安定性の修正に重点を置きます。最新のセキュリティベースラインを維持できるよう、MySQLのパッチ適用、テスト、リリース、デプロイの各プロセスを評価し、迅速化するための準備を進める必要があります。

前回の記事では、カレンダーバージョン、LTSリリース、イノベーションリリース、そして定期的なCPUおよびCSPUのリリース間隔を採用した、より予測しやすいMySQLリリースモデルへの移行について紹介しました。

残されていたのは、通常の四半期CPUリリースと、四半期リリースの間に提供されるCSPUリリースをバージョン番号でどのように区別するかという点でした。この形式が今回正式に決定しました。

バージョン形式

新しいカレンダーバージョン方式のMySQLリリースでは、CPUは3つの要素を使用し、CSPUでは4つ目の要素が追加されます。

リリース種別バージョン形式
LTS CPU / 四半期ごとのメンテナンスYY.M.P
LTS CSPU / 月次セキュリティ脆弱性対応パッケージ(提供される場合)YY.M.P.C
イノベーション CPU / 四半期ごとのイノベーションリリースYY.M.0
イノベーション CSPU / 月次セキュリティ脆弱性対応パッケージ(提供される場合)YY.M.0.C

位置意味
YYリリースラインが開始された年
Mリリースラインが開始された月(先頭に0は付けない)
PLTSリリースラインの四半期ごとのメンテナンス・パッケージ番号
イノベーションリリースラインでは、この値は常に0
C各リリースラインのセキュリティ脆弱性対応パッケージ番号
提供される場合にのみ使用

月には先頭の0を付けません。7月は7、10月は10、1月は1となります。

ルールはシンプルです。CPUは3つの要素を使用し、CSPUでは.1から始まる4つ目の要素を追加します。イノベーションリリースでは、3つ目の値は常に0のままです。

LTS リリースの番号付け

LTSリリースでは、最初の2つの要素がリリースラインを識別します。3つ目の要素は、四半期メンテナンス・パッケージごとに増加します。次の四半期リリースまでにCSPUが必要になった場合は4つ目の要素を使用し、次の四半期パッケージでは3つ目の要素を増やして、再び3要素の形式に戻ります。

LTS ラインCPU1 回目の CSPU(必要な場合)2 回目の CSPU(必要な場合)次の CPU
8.4 LTS8.4.118.4.11.18.4.11.28.4.12
9.7 LTS9.7.29.7.2.19.7.2.29.7.3

将来のカレンダーバージョン方式のLTSラインにも同じ構造が適用されます。たとえば、2028年4月に予定されているLTSラインは28.4.0から始まります。CSPUが必要になった場合は28.4.0.128.4.0.2となり、次のCPUは28.4.1となります。

イノベーションリリースの番号付け

四半期ごとに提供される各イノベーションリリースは、それぞれ新しいカレンダーバージョン方式のリリースラインとして開始されます。3つ目の要素は常に0で、次のイノベーションリリースでは、この3つ目の要素を増やすのではなく、カレンダー部分が変更されます。

イノベーションリリースCPU
2026 年 7 月26.7.0
2026 年 10 月26.10.0
2027 年 1 月27.1.0

26.7 ラインで CSPU が必要になった場合は、 26.7.0.126.7.0.2 のようになります。次のイノベーション CPU は 26.10.0 であり、26.7.1 ではありません。

CSPU 番号は、該当するリリースラインに対して順番に割り当てられます。ある製品が CSPU バージョンを使用した場合、同じリリースラインの別の製品に対する次のCSPUでは、次に利用可能なCの値が使用されます。たとえば、MySQL Shell が 27.1.0.1 としてリリースされた場合、その後に同じラインで MySQL Server の CSPU が提供された場合 は 27.1.0.2 となります。

Microsoft MSI パッケージバージョン

ここまで説明してきたものは、MySQL製品のバージョンです。Microsoft MSIパッケージでは3つの数値要素を使用するため、MySQLのPCの値をMSIの3つ目の要素にまとめます。

MSI の 3 つ目の位置 = 100 × P + C

CPU では、この計算では C0 として扱います。イノベーションリリースでは、P は常に 0 です。

リリースタイプMySQL 製品バージョンMSI パッケージバージョン
CPU8.4.118.4.1100
CSPU(必要な場合)8.4.11.18.4.1101
CPU9.7.29.7.200
CSPU(必要な場合)9.7.2.19.7.201
CPU28.4.028.4.0
CSPU(必要な場合)28.4.0.128.4.1

この MSI 固有の表記によってMySQL 製品のバージョンが変わるわけではありません。Microsoft MSI パッケージメタデータ上で、そのバージョンをどのように表現するかを示しているだけです。

まとめ

リリース
ファミリー
CPU の動作CSPU の動作
LTS四半期のパッケージごとに P が増加必要に応じてCが追加され、その四半期サイクルで増加
イノベーション四半期ごとに カレンダーの年/月が変わり、Pは常に0必要に応じてCが追加され、そのカレンダー・リリースラインで増加

セキュリティ脆弱性対応パッケージが自動的に提供されるわけではありません。必要になった場合に、1から始まる4つ目の要素が追加されます。次のLTS CPUではPが増加し、次のイノベーションCPUでは新しいカレンダー・リリースラインが開始され、P = 0 のままとなります。

今後に向けて

より頻繁にセキュリティ・アップデートを提供することで、MySQLユーザーは最新のセキュリティ・ベースラインを維持しやすくなります。CPUおよびCSPUのバージョニングモデルにより、四半期メンテナンスのレベルと、その間に提供されたセキュリティ・アップデートを簡単に識別できます。

必要なアップデートを迅速に評価して適用できるよう、パッチ適用、テスト、リリース、デプロイの各プロセスを見直すことをお勧めします。

いつも MySQL をご利用いただき、ありがとうございます。