この記事はIntroducing the MySQL Configurator tool の翻訳版です。
MySQL Server 8.1.0リリースは2023年7月18日に公開され、Windows向けMySQL Server 8.1以降で利用できる新しいMySQL Configuratorツールが導入されました。
Windows向けのMySQLコンフィギュレータは、簡単なステップでMySQLサーバーのインストール構成を設定します。MySQLサーバーのインストール構成を設定・再設定することが可能です。また、システムからMySQLサーバーを削除する際にはクリーンな環境を利用できるようにするために作成した構成を削除することもできます。
配布方法
MySQLコンフィギュレータは、MySQL Server 8.1インストールパッケージの一部として提供されています。MSIインストーラとzipファイル両方にmysql_configurator.exeという実行可能ファイルとして含まれています。
MySQLコンフィギュレータの実行方法
MSIのGUIを使用してMySQLサーバーをインストールする場合、MSI設定ウィザードのプロセスの最後のステップで、MySQLコンフィギュレータの起動(“Run MySQL Configurator”)が有効になっています:

また、MySQLコンフィギュレータをいつでも起動できるようWindowsスタートメニューにショートカットも作成されます:

MySQLコンフィギュレータは、MySQLサーバーのインストールフォルダ配下のbinフォルダにあります。zipアーカイブを使ったインストールの場合は、ファイルを展開した任意のフォルダ配下のbinフォルダにmysql_configurator.exeファイルが存在します:

前述のとおり、MySQLコンフィギュレータはいつでも実行できる実行可能ファイルとして配布されます。Windows Explorerを使用している場合は、mysql_configurator.exeをダブルクリックして、MySQLサーバー・インストールを構成または再構成します。
一度MySQLコンフィギュレータによって作成された構成を削除するには、–removeオプションを指定して実行します。実行するには、コマンドプロンプトから–removeオプションを指定して実行可能ファイルを起動するのが最も簡単な方法です。
注意事項: MySQLコンフィギュレータは、ファイルを作成/削除し設定するため、実行には管理者権限が必要です。
設定できるMySQLサーバーの項目
ローカル・マシンで実行するMySQL Serverインスタンスを作成するオプションを構成します。MySQLサーバーにアクセスするためのプロトコルの定義、選択した構成オプションを含む構成ファイル(my.ini)の作成(通常はC:\ProgramData\MySQL)の作成、MySQLサーバーのデータディレクトリの作成と初期化、必要なファイアウォール・ルールの追加、Windowsサービスまたはプロセスとして起動するMySQLサーバーの構成などが含まれます。構成プロセスには、以下のようなステップが含まれます:
初期画面
この画面は、初回設定時のみ表示され、再設定の際には表示されません。

構成タイプと接続画面
ここから構成プロセスが開始されます。最初に、インストールしたMySQLサーバの利用目的に応じてサーバー構成タイプを選択できます。目的に最適なオプションを選択します。ここで、接続に使用するプロトコルを選択することもできます。さらに、拡張オプションとロギング・オプションの表示(Show Advanced and Logging Options) を選択すると、さらに2つの構成プロセスが追加されます。

アカウントおよびロール画面
ここでrootユーザーのパスワードを設定します。再構成プロセス中は新しいrootユーザーのパスワードを設定するのではなく、既存のrootユーザーのパスワード入力を要求されます。

Add User をクリックして、MySQLユーザーを追加します。これらのユーザーには、選択したユーザーロールに基づいてMySQLサーバー上のデータへのアクセス権が付与されます。現在、ユーザーの作成は初回の構成プロセスでのみ許可され、再構成時には許可されないことに注意してください。

Windowsサービス画面
MySQLコンフィギュレータは、デフォルトの設定としてWindowsサービスとして自動的に実行するようにMySQLサーバーを構成しますが、プロセスとして起動することもできます。プロセスとしてMySQLサーバーを起動するには、ホストコンピュータの再起動または停止後にMySQLサーバーを手動で起動する必要があります。Windowsサービスとして構成されている場合、Windows NetworkService アカウントはサービスを開始するために割り当てられますが、別のアカウントの使用も可能です。

サーバファイルの権限画面
MySQLサーバーのデータディレクトリのセキュリティは必須であるため、アクセス権を持つユーザーを設定する必要があります。デフォルトでは、構成プロセスによって最小限必要な権限が付与されますが、ここでアクセス権を設定することができます。そのためには、アクセス権を取得するユーザーを選択するか、構成プロセスの終了後に権限を手動で設定できます。

次の2つの画面は、構成タイプと接続画面において拡張オプションとロギング・オプションの表示(Show Advanced and Logging Options) チェックボックスが選択されている場合にのみ表示されます:
ロギング・オプション画面
MySQLサーバーログのファイルパス変更や、各種ログを有効または無効にすることができます。

詳細オプション画面
MySQLサーバーID (将来、InnoDBクラスタを実装する計画がある場合は必要になる可能性があります)を指定し、サーバーがテーブル名を処理するときに大/小文字の区別有無を選択できます。

サンプルデータベース画面
MySQLには、アプリケーションをテストするためのサンプルデータベースが用意されています。初期設定時または再設定時に作成するサンプルデータベースを選択します。

設定の適用画面
必要な設定オプションを選択したら、ExecuteをクリックしてMySQLサーバーの構成を実行します。

スタートメニューのショートカットはMSIインストールを実行した場合にのみ作成されることに注意してください。zipアーカイブを利用した場合は、スタート・メニューの更新(Updating the Start menu link)は表示されません
設定完了画面
最後に、(構成の適用画面で確認できていない場合は)ログを確認し、公式のMySQLドキュメントを確認してください。この画面に遷移すると、構成プロセスが設定通りに完了し、MySQLサーバーインスタンスの使用が可能になります。

再設定
MySQLコンフィギュレータは初期設定後いつでも使用でき、以前に選択した構成を自動的に識別するため、必要に応じて構成を変更することができます。
削除モード
MSI、もしくはWindowsコントロールパネルからMySQLサーバをアンインストールすると、アンインストールプロセスによって、MySQLコンフィギュレータが削除モードで自動的に起動され、MySQLコンフィギュレータによって設定した構成を削除できます。zipアーカイブを利用したインストールでは、サーバーファイルを削除する前に、手動でMySQLコンフィギュレータを削除モードで起動して、ファイルが残っていないことを確認する必要があります。
コマンドラインから“–remove”パラメータを指定してMySQLコンフィギュレータを起動すると、削除モードで実行されます。このオプションは、最初から設定をやり直したり、MySQLサーバーを削除する場合に便利です。
削除モードで実行すると、データディレクトリを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。削除しないことを選択した場合、今後のインストールでも同じデータディレクトリを使用することを意味します。現在、初回の構成プロセス設定時に既存のデータディレクトリを再利用することはサポートされていません。

データディレクトリを削除するかどうかを選択した後、削除ステップの実行に進みます。

ダウンロード
前述のとおり、MySQL ConfiguratorはMySQL Server 8.1以降のインストールパッケージの一部です。MySQL Serverの最新バージョンをダウンロードするには、こちらの公式ダウンロードサイトを参照してください。
バグ報告
問題や誤った動作については、MySQLコンフィギュレータのバグレポートを挙げてください。MySQLバグ報告サイトにアクセスし、MySQL Server: Install Configuration Toolカテゴリに新しいバグを追加してください。可能な場合は、まず類似の問題がまだ発生していないことを確認します。また、問題を再現するための簡単な手順を実行・報告してください。
コードへのコントリビューション
MySQLコンフィギュレータのコードは 公式のGithubリポジトリで公開されています。このプロジェクトへの貢献していただける方は以下のステップに従って実施していただけます:
- bugs.mysql.com にユーザーアカウントがあることを確認します。OCA (Oracle Contributor Agreement)の送信時にアカウントを参照する必要があります。
- Oracle OCAに署名します。こちらに関連する手順は OCA のページを参照して下さい。
- プルリクエストを作成します。
- 機能を十分に網羅するテストを行い、プルリクエストを検証します。
- プルリクエストを送信します。プルリクエストは Github から送信できますが、bugs.mysql.com より直接送信することも可能です。
私たちはオープンソースの原則を真に信じ、プロジェクトへのあらゆる貢献に感謝しています。
MySQLをご利用いただきありがとうございます!
MySQLコンフィギュレータが、MySQL サーバの構成設定を容易にし皆様のご期待に沿うことを願っています。今後のリリースでは、より多くの設定機能を追加しお客様のニーズに合った最新のMySQLを常に提供できるようにする予定です。

