(本記事は、Judson ChaseによるWith the emergence of DCTs, do we really need a CTMS?” 2023/1/10 を翻訳したものです。)

 

業界のプロフェッショナルからの質問に応えるブログシリーズ。

 

パンデミック期間中、ソーシャルディスタンスを保ちながら医師と患者で仮想的なやり取りを行い継続的にケアを提供できたことから、分散型臨床試験(DCT)が臨床試験業界で注目されています。

分散型臨床試験がますます普及している中、スポンサーやCROは本当にCTMSが必要なのでしょうか?

 

DCTの出現

  • DCTは、オンライン診療、センサーベースの技術、ウェアラブル医療機器、訪問診療、患者主導のバーチャルヘルスケアインターフェイス、治験薬の被験者宅への直接配送などの「仮想的な」ツールを利用しています。
  • 完全な分散型臨床試験では、被験者の募集、治験薬の配送と投与、試験結果のデータ取得はすべて、試験チームと患者/被験者が対面接触をすることなく進められます。

 

もしCTMSがなかった場合、どうコラボレーションすればDCTのすべての側面をモニタリングするオペレーションをサポートすることができるでしょうか。

 

  • DCTの場合、臨床データは多数の異なるシステム(および異なる企業)に広く分散しているため、CTMSはポートフォリオを統合的に把握するために必要であり、これにより企業は優先順位付け、リソース管理、過去のデータを活用してプロセスと効率を改善することができます。
  • DCT技術により、治験実施医療機関や患者の負担をスポンサーまたはCROに移すことになります。そうすると、スポンサーやCROはデータと得られた知見をまとめ直す必要があり、その結果さらに試験の遅延が生じます。CTMSは、企業のビジネスプロセスをサポートするためのワークフローを簡単に構成できます。文書のルーティング、複数ステップの承認プロセス、施設への治験薬出荷のトリガーなど、CTMSは複数の仮想ツールの組み合わせに固有の非患者プロシージャの非効率性を取り除くことができます。

 

DCTの「分散型」の性質は、データの分離と棲み分けをさらに進めることを意味します。すべてのデータを一か所に保有していない場合、包括的なレポートを作成し、意味のある分析を行うことは非常に困難です。CTMSは、ポートフォリオ全体で統合的なビューを提供し、企業は優先順位付け、リソースの管理、過去のデータを活用してプロセスと効率を改善することができます。

 

 

まとめ:

DCTの普及にかかわらず、CTMSは依然として必要であり、スポンサーやCROが患者を保護し、NDAに向けて試験を進めるために頼る最も重要なeClinicalテクノロジーであると言えると思います。

 

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