(本記事は、Susan Jalbertによる”Using RWD in clinical trials – a CRO perspective” 2023/5/9 を翻訳したものです。)
先日行われたウェビナー“Creating the Future in Clinical Research with CROs Using Real-World Data”「RWDデータを用いたCROとの臨床研究の未来創造」において、
著名なパネリストRaghu Chintala(ICON)、Chem Hachani(Eclevar)、Scott Schliebner(TFS HealthScience)、Carla Rodrigues-Watson(Reagan-Udall Foundation for the FDA)、Marc Pignot(ZEG)、Mariah Baltezegar(PPD)が登壇し、どのようにCROがテクノロジーを駆使しRWDから得られる価値を最大限に高めるのか、そして堅牢で意味のあるデータを作り出すにはどんな問題を考慮しなければならないかということについて議論をしました。
また、会場から寄せられた質問に、PPDのMariah Baltezegar氏(VP and Head PPAS & RWE Specialized Solutions)に答えていただきました。
Q. 臨床試験における「施設の負担」と「患者の負担」、特にDEI(Diversity, Equity, and Inclusion: 多様性、公平性、包括性)に関連してどのように定義していますか?
施設側の負担とは、施設スタッフ(治験コーディネーター、治験責任医師など)が、通常の患者さんの治療以外に治験を行うために必要な労力(倫理委員会への申請、文書作成、データ入力など)を指します。患者の負担とは、患者(およびその介護者)が臨床試験に参加するために必要な労力です。これには、診察、検体採取、臨床転帰評価(COA)などが含まれます。すべての集団の負担を軽減することで参加への障壁を減らすという点で、DEIと多様性の向上は関連しています。負担の定義は、集団によって異なる場合があります。
Q. 研究に使用する前に、RWDのデータを準備するのに時間がかかりすぎることがよくあります。今後の研究を促進するために、高品質で分析可能なデータをEMR/EHRシステムに取り込む方法について、何かアドバイスはありますか?
EMR/EHRデータの品質と利用可能性を向上させる機会はいくつかあります:
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HCP (Health Care Professional:医療従事者) に、自分たちが収集している通常のケアデータの重要性と、それが人々の生活を改善するために臨床の外でどのように使用されているのかについて教育する。
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FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources: 米国のHL7協会が開発した医療情報交換のための新しい標準規格(仕様))のようなデータ収集の標準化を進め、定義されていないデータが入力できるような曖昧なフィールドの使用を制限する。
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EMR/EHRのどこで入力されたデータであってもそれぞれのデータに対して意味づけを行うとともに、共通のデータモデルに変換するAI/ML機能を高める。
Q. 事前に特定した患者への電子カルテのクエリについて、どのような経験がありますか?
PPDでは、電子カルテを検索して研究対象患者を特定した経験があります。電子カルテ内で対象となる患者を特定して医療従事者にアラートを送信することが可能です。実際の課題は、患者を特定するよりむしろ特定された患者を最終的に臨床試験に登録するまでのラストワンマイルにあります。
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