※本記事は、“Capture and Analyze Product Reviews Using Generative AI“を翻訳/意訳したものです。

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このブログ投稿では、生成AI(GenAI)を活用して、製品エンジニアが製品の市場投入後の状況を把握する方法について掘り下げています。この投稿では、公開されている各種ウェブサイトからのカスタマーフィードバックや製品レビューを、ウェブ検索やコンテンツのスクレイピングを通じて収集するプロセスを紹介しています。さらに、大規模言語モデル(LLM)、Oracle Database 23ai Vector Store、およびAIエージェントを用いて、レビュー情報を製品エンジニアに提供し、今後の製品開発の意思決定を支援する方法を解説しています。

※スクレイピングとは、ウェブサイト上の情報を自動的に取得して集める技術

 

生成AI(GenAI)を活用した製品レビューの活用

私たちは、人工知能ツールや大規模言語モデル(LLM)を活用して、カスタマーフィードバックや製品レビューを分析・解釈しています。生成AI(GenAI)モデルは、以下の要素を通じて、大量のユーザー生成レビューを企業や消費者が理解するのに役立ちます:

  • センチメント(心情や感想)の要約: 何千件ものレビューを分析し、「ポジティブ・ニュートラル・ネガティブ」といった顧客の全体的なセンチメント傾向を把握することで、製品に対する一般的な評価を理解できます。
  • 重要なインサイトの抽出: 顧客が繰り返し言及するテーマや、特に評価・批判されている機能を特定し、製品改善やマーケティング戦略に活かすことができます。
  • 機能要望と改善点の抽出: ユーザーフィードバックから、新機能の要望や既存機能への改善提案を特定し、これらを製品開発サイクルに反映できます。
  • 消費者の感情の理解: レビューの中の感情的なトーン(例:興奮、フラストレーション、失望など)を検出し、単なる感情分析よりも深いインサイトを提供します。

 

ユースケース

Oracle Database 23aiとOracle Supply Chain Management (SCM) Cloud のProduct Information Managementを含むOracle AIテクノロジー・スタックを使用して、レビューをソートおよび管理する方法の例を見てみましょう。

Hyundai i20という製品が、製品エンジニアによってSCM Cloud のProduct Information Managementのアイテムとして定義および管理されているとします。このアイテムは完成品として市場にリリースされ、投入されます。製品エンジニアは、エンドユーザーからのインサイト、顧客からのフィードバック、そして市場からのその他の重要なインサイトに基づいて、製品の市場での動向を把握し、製品をさらに改善する方法を検討したいと考えています。

Manage Item Screen listing the example product.

 

レビュー・データの収集

Web検索を利用して公開ドメインや各種レビューサイトにある製品レビューを収集するために、AIエージェントまたは専用のプログラムを設計・構築できます。このプログラムは、検索APIを利用してウェブ上のコンテンツを検索し、個々のリンクをたどってウェブページの内容をスクレイピングします。その後、レビュー本文を適切な単位(チャンク)で分割し、Oracle Database 23ai Vector Storeにベクター埋め込みとして保存します。

Review Data Collection showing the web search content.

 

レビュー・データは、標準のOracle Cloud Infrastructure(OCI)埋め込みモデルを使用してチャンク(小さな単位)に分割され、Oracle Database 23aiに保存されます。

Vector embeddings captured in 23.ai database.

 

製品レビューと洞察

このソリューションは、製品エンジニアによる特定のユーザークエリに基づいて、ローカルの 23ai Vector Store から情報とコンテキストを取得し、プロンプトをコンテキストで拡張し、LLM プロバイダーを使用して最終的な重要な洞察を製品エンジニアに提示します。

Product reviews and insights with user query option for the specific product.

 

すでに収集されたレビューから重要なインサイトを生成するためのAIエージェント、またはプログラムを別途作成します。このプロセスでは、ベクターデータベースから関連するコンテキストを取得し、それをプロンプトに設定して大規模言語モデル(LLM)に送信し、最終的な回答を構築します。

Collected and summarized responses for improving the design and features of the product.

 

製品情報管理(Product Information Management: PIM)におけるレビューの要約

最終的なレビュー要約は、PIMの「アイテム編集画面」上で表示可能です。これにより、製品エンジニアはレビューの内容を容易に解釈でき、製品開発に関する意思決定を改善するための参考情報として活用できます。

Adding summarized responses to the product in Product Information Management.

 

結論

生成AIは、製品エンジニアによる顧客フィードバックの理解と対応の在り方を変革し、製品改善に向けたデータドリブン型の意思決定を可能にします。

OracleのAIスタックなどのツールは、レビューの収集・分析・提示を自動化することでこのプロセスを効率化し、最終的には顧客満足度の向上と市場での成功につなげます。

 

詳細については、以下のリソースをご参照ください(英語サイト):