※ 本記事は、Wayne HeatherによるAligning sustainability with strategy: Oracle Cloud EPM for ESG Reportingを翻訳/意訳したものです。
このシリーズの前回のブログ「迷路から抜け出すには: ESGデータ収集の複雑さ」でも述べたように、環境、社会、ガバナンス(ESG)に関するデータ収集に課題はあるものの、ESGデータを把握することは、ビジネス・チャンスやビジネス拡大の領域の特定に役立ちます。したがって、CFOがESGの取り組みを主導し、組織のESGの成果を共有するだけでなく、利害関係者の利益に関するESG戦略を策定しようとしていることは驚くことではありません。これを実現するには、CFOはESGの取り組みとビジネス戦略の整合を検討する必要があります。そのためには、ESGレポートを財務報告プロセスに統合し、財務とESGの成果を可視化する必要があります。
何千人ものお客様がOracle Cloud Enterprise Performance Management (EPM) を羅針盤として、絶えず変化する経済的および地政学的不確実性の中でビジネスのかじ取りをされています。Oracle Cloud EPMが、ESGイニシアチブの計画、監視、レポート作成に重点を置くという課題に対処するための最適な選択肢であるのは当然でしょう。企業がESGの目標をコア戦略に統合することの重要性を認識するようになるにしたがって、Oracle Cloud EPMはまさにぴったりのツールとなっています。
長年にわたり、EPMは財務報告プロセスの事実上の標準へと進化し、規制/法定レポートと経営報告の双方において、重要かつ信頼できる唯一のソース(single source of truth)と見なされています。あらゆるソースからデータを取り込み、そのデータをモデル化できるため、検証可能かつ照合可能な情報を提供するための必要な基盤が整っています。
そのため、EPMのテクノロジーを活用して、サステナビリティとESGに関する報告と計画の要件に対応するのは当然の成り行きと考えられます。
Oracle Cloud EPM: 財務とサステナビリティの融合
企業は、サステナビリティの目標についての消費者のマインドシェアを高め信頼を得ようと奮闘する中で、サステナビリティの取り組みがビジネスとして理にかなっているかどうかという課題に向き合っています。経理財務部門は、Oracle Cloud EPMを使用して、長年にわたりデータを収集、変換、集計、レポートしています。したがって、Oracle Cloud EPMは、管理された監査可能なプロセスを通じてESGデータを収集するのに理想的です。ESG計画を財務計画や運用計画と連携させ、規制当局への報告を行い、複数のフレームワークで、すべての利害関係者にESGの成果を伝えるのに役立ちます。前述のように、Oracle Cloud EPMは、長年にわたり財務および規制報告を作成するリーダーとして実績があり、そのような規制ニーズに対応できる実績のあるプラットフォームです。
Oracle Cloud EPM for Sustainabilityは、ESGの報告責任を迅速に管理し、コンプライアンスを遵守するための専用ソリューションです。Oracle Cloud EPM for Sustainabilityは、ESGの目標を財務計画と運用計画に整合する包括的なプラットフォームです。次のような優れた点があります。
- 堅牢なデータ管理: ESGレポートに不可欠な、広範で多様なデータ・セットの処理に優れたプラットフォームです。企業は、財務データと同じレベルの厳格さでサステナビリティ指標を追跡し、ESGに必要なさまざまなソースからデータを取り込むことができます。企業によっては、重要性の決定に応じて1,000もの個別の項目を開示する必要があり、CSRD(EUにおける企業サステナビリティ報告指令)の対象企業であれば、12のESRS(欧州サステナビリティ報告基準)に基づいてESGの成果について報告する必要があります。これに最近承認されたSECによるESG情報開示の義務付けも重なり、要件をサポートするために収集する必要があるデータは膨大になっています。Oracle Cloud EPMの強みは、自社所有のマッピングされたプロセスを通じて、あらゆるソースからデータを取り込み、エンドツーエンドの可監査性と情報の照合を提供することが実証されていることです。
- 統合された計画: Oracle Cloud EPMを使用すると、企業はESG目標を財務戦略や業務運用戦略と融合させることができます。この統合により、サステナビリティの目標は単なる目標ではなく、すべてのビジネス上の意思決定に組み込まれていることが保証されます。企業の計画は単独では実行できず、財務とサステナビリティ両方への影響に対処し、イニシアチブがすべての重要な基準を満たしていることを確認する必要があります。
- モデリングと予測: ESG戦略にとって重要です。Oracle Cloud EPMは、企業がさまざまなサステナビリティ・イニシアチブの影響を予測できる高度なモデリング機能を提供し、効果的な意思決定とリソース割り当てを支援します。
- 財務目標および業務目標との連携: ESG目標をコア・プランニングおよび予測プロセスに統合することで、企業はサステナビリティの目標が財務戦略および業務運用戦略と一致していることを確認します。たとえば、ネットゼロ目標を達成するために、どのような資本支出や運用支出、プロジェクトを計画する必要があるのか。そしてそれは損益計算書、貸借対照表、キャッシュフローにどのように影響するのか、などを確認します。
- パフォーマンス追跡: 設定された目標に対するESGの成果を監視し、企業が正しい方向に進み、必要な調整を行うために不可欠なリアルタイムの追跡と分析を提供します。
- レポートとコンプライアンス: Oracle Cloud EPMを使用して、企業はESRS、CSRD、GRI、IFRSなどのグローバル標準に準拠した詳細なESGレポートを作成し、利害関係者に向けてコンプライアンスと透明性を保証することができます。
- スケーラビリティと柔軟性: ESGのレポート基準が進化を続ける中、Oracle Cloud EPMのスケーラブルで柔軟なアーキテクチャにより、企業は迅速に適応し、コンプライアンスと適切性を維持できます。自社所有のプロセスと機能により、大規模な再開発とメンテナンスを必要とせずに、迅速に導入できます。
- 情報に基づいた意思決定: このプラットフォームは、今日のESGに配慮したビジネス環境において不可欠な、戦略的な意思決定と長期的な価値創造を支援し、コンプライアンスの域を超えたインサイトを提供します。EPMは、パターン認識エンジンを使用して、調査の必要があるデータの領域を明確にし、データに関するインサイトを提供します。これは、様々なデータを扱うにあたり重要な要素となります。
結論
Oracle Cloud EPMは、サステナビリティを企業戦略に一致させる最前線に立っています。Oracle Cloud EPMを使って、ESGレポートを単なる規制要件から戦略的な資産に変換することで、企業はサステナビリティの目標を財務および業務目標とシームレスに結びつけることができます。サステナブルなビジネス・プラクティスへの道のりにおいて、Oracle Cloud EPMは単なるツールではなく、変化のカタリスト(触媒)となるでしょう。
オラクルではESGと財務の融合を促進する、Oracle Cloud EPM for Sustainabilityをリリースしました。
EPM for Sustainabilityについては、日本オラクル技術メンバーが解説するオンデマンド・ウェビナー「Oracle EPM Cloud- EPM for Sustainabilityのご紹介」をご確認ください。
