※本記事は、Fusion Developmentチームによる”Better insights, better outcomes with ERP Analytics”を翻訳/意訳したものです。

 

データ主導型の意思決定は、もはや単なる「メリットがあるもの」ではなく、企業の成功に「必要不可欠なもの」になっています。これは、財務データに関しては特に言えることで、なぜなら、財務データは様々な重要な意思決定の中核になるものだからです。しかし一方で、そのための適切なソリューションを見つけることさえ簡単ではない場合があります。

Oracle Cloud ERPのお客様にとっての最善な方法は明白です。Fusion Data IntelligenceのコンポーネントであるOracle Fusion ERP Analyticsは、ERPのお客様向けに設計されており、定義済みの財務分析、すぐに使用できる分析データ・モデル、構成済みのデータ連携を提供します。この組み合わせにより、Fusion ERP Analyticsは、レジリエントなレポートと分析を迅速に提供し、オラクルのERPシステムを使用する企業は財務データと運用データに関するインサイトを深めることができます。また、完全に管理された形で提供されるデータ統合は、データの可用性に大きな影響を与えることなく、速やかにアップグレードされていきます。

そのため、新しいERPの実装であっても、まだ適切なレポートを得られていなかったとしても、複雑なデータ抽出によって困難に直面していても、特別なユースケース(不正経費の監視など)が必要とされていても、Fusion ERP Analyticsはスマートな意思決定に必要なインサイトを提供することができます。

詳しく見ていきましょう。

基礎から学ぶFusion ERP Analytics

Fusion ERP Analyticsは、オラクルの幅広い分析スイートの一部であり、財務、プロジェクト、調達における様々なユースケースをサポートしています。オラクルのクラウドベースの分析、および、データ・プラットフォーム上に構築されています。ここには、Oracle Analytics CloudとOracle Autonomous Data Warehouseが含まれます。Oracle Analytics Cloudは、セルフサービスでのデータ・ビジュアライゼーションと管理されたセマンティック・レイヤーを提供する、スケーラブルで、ネイティブなOCIサービスです。また、Oracle Autonomous Data Warehouseは、基盤となるデータ・プラットフォームとして機能し、機械学習(ML)を使用してパッチ適用、チューニング、バックアップや更新を自動で行い、高度に最適化されたフルマネージドのデータ・ウェアハウス環境を提供します。

主なユースケースは次のとおりです。

財務分析

  • DSO、DPO、DIOなど、事前定義済のKPIを使用した運転資本の最適化
  • 製品、地域、事業部門における売上高の成長と純利益のトレンドに関するインサイトにより、管理レポートを生成
  • サイクルタイムの指標により、未収金の年齢傾向(経過期間の傾向)、回転率、プロセスの健全性に関するインサイトを取得することで、業務効率を改善

調達

  • 調達のイニシアチブやプログラムの推進に不可欠な、直接材、間接材、サービス支出を可視化
  • 調達から支払までのサイクル、請求書あたりの支出、変更と承認の履歴でプロセスの健全性を測定
  • 購入価格、支払条件、サプライヤの能力、サステナビリティ、配送パフォーマンス、製品品質の問題を包括的に把握して、サプライヤ・リスクを管理

プロジェクト会計

  • ポートフォリオ全体の健全性を総合的に評価し、事業部門レベルで影響を把握
  • 重要な指標や関連する傾向などプロジェクト財務を分析し、是正措置を推進。プロジェクト・マネージャーは計画からの逸脱の検知と、コストとコミットメントの追跡が可能
  • 人材管理とサプライチェーンのデータをプロジェクト財務と組み合せることで、ビジネスの総合的なビューを取得

製品の方向性

Fusion ERP Analyticsは、高度なテクノロジーを統合し、リアルタイムのインサイトを提供し、アクセシビリティを向上させることで、現代のビジネスのニーズに合わせて進化しています。次に例を示します。

  • AIとML:Fusion ERP Analyticsは、AIと機械学習を活用して、インテリジェントなインサイトとオーサリング支援を提供しています。これらの機能拡張により、予測分析、異常検出、財務プロセスの自動化が可能になり、意思決定の正確性とスピードを大幅に向上させることができます。また、事前定義済みなので、初日から使用でき、お客様が社内にデータ・サイエンス・スキルのあるリソースを持つ必要はありません。
  • データ統合:コネクターとデータのリフレッシュ頻度の改善により、企業のリーダーたちは事業運営に関するインサイトを即座に得ることができるようになりました。これには、Cloud EPMのデータを様々な方法で接続するオプション(データ移行不要のセルフサービス接続や、ウェアハウス内のERPとEPMデータの結合など)が含まれます。
  • ユーザー・エクスペリエンスとアクセシビリティの向上:セルフサービス機能の最近のアップデートにより、Fusion ERP Analyticsはダッシュボードのカスタマイズ、文脈に沿ったインサイト、高度なデータ視覚化ツールなど、より使いやすくなりました。そのため、技術的な専門知識を持たないビジネス・リーダーが、複雑なデータに簡単にアクセスして理解できるため、IT部門に大きく依存することなく、データ主導型の意思決定を行うことができます。
  • 予測分析:拡張された予測分析機能は、企業が将来の傾向と課題を予測するのに役立ちます。企業のリーダーは、収益と経費を予測したり、サプライチェーンのリスクを予測したりすることで、Fusion ERP Analyticsを使用してビジネスの優先順位をプロアクティブに管理し、戦略的な計画に不可欠な機会をくまなく活用することができます。

結論

Fusion ERP Analyticsは、財務管理、運用効率、戦略計画の改善を目指す企業で広く使用されており、特に大規模な企業、財務主導の組織、グローバル・ビジネス、複雑なサプライチェーンを持つ業界に適しています。企業がERPデータを活用してより深いインサイトを獲得し、より優れたビジネスの成果を促進するのに役立つ強力なツールです。Oracle Cloud ERPをご使用中のお客様には、最適な選択肢となるでしょう。

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Fusion Development

Fusion Developmentチームは、Oracle ERP、EPM、SCM、HCM、CXを含むOracle Fusion Cloud Applications Suiteのイノベーションの構築、維持、推進を担当しています。本部は米国、インド、メキシコ、フィリピン、ルーマニアにあり、メンバーは世界中に拠点を持っています。