※ 本記事は、Fusion Developmentチームによるブログ投稿” Get a 3-step plan for adopting AI in Fusion ERP“を翻訳/意訳したものです。
AIの導入については誰もが関心を寄せています。しかし、どのように始めるべきかがはっきりしているとは限りません。特に、財務部門のような「即座に行動せよ、そして破壊せよ (moving fast and breaking things)」が適した戦略とはいえない部門にとってはそうでしょう。そこで、私たちは、簡単なことから着手して徐々に範囲を広げていく段階的なアプローチで、Oracle Fusion Cloud ERPに組み込まれているAI機能を有効にしていくことをお客様にお薦めしています。
- パターンの検出、ルーチン・タスクの自動化、異常の発見に役立つ「予測AI機能」から始めます。
- 財務情報を要約し、説明文章やグラフを作成する「生成AI機能」へと進みます。
- 財務部門の特定のニーズに合せたサービスを提供し、タスクを合理化し、ワークフローを自動化する「AIエージェント」へと進みます。
このアプローチであれば、十分なガイダンスと共に使い始め、また、次に何をすべきかを理解することができます。そして自社の優先順位と期待していたビジネス価値に基づいて、特定の機能を一つずつ評価していく柔軟性が得られます。
AI導入計画の作成を具体的に支援するために、この記事では、Fusion Cloud ERPとEPMのサブスクリプションの一部として提供される重要なAI機能について説明します。また、製品のロードマップと今後のリリース予定に記載されている新機能に関する情報もお伝えします。
1. 予測AI
まず、自動化のためのAI機能に焦点を当てることをお薦めします。買掛金管理から始めることを検討してください。買掛金管理では、AI機能によって運用効率の向上、エラーの削減、運転資本の改善、部門の適切な配置に役立ち、運転資本を改善できます。次に例を示します。
- インテリジェント文書認識により、より迅速に、より少ない手作業で、サプライヤからの請求書を処理できます。
- インテリジェント勘定科目初期設定では、勘定科目コードの組合せを予測して初期設定することで、データの手入力を減らします。
- インテリジェントな請求書とPOの明細照合により、発注書と請求書明細が自動的に照合されます。
2. 生成AI
次のステップは、生成AI機能の導入です。有力候補となるのは、財務チームの管理レポートの作成を大幅に簡易化するEPMの拡張機能です。たとえば、ナラティブ・レポートや前期間との比較の機能は、ビジネス状況やその変化について説明するのに役立ちます。また、戦略ソーシング、サプライヤ管理、発注管理などでリリースされた多くの生成AI機能を考慮して、調達を評価することもできます。調達のアプリケーションには、今後のリリースでさらに生成AI機能が追加され、ネゴシエーションの要約、サプライヤ・ポリシー・アドバイス、契約条件向けのものが計画されています。
3. AIエージェント
AIエージェントはホットなトピックであり、今後のリリースでさらに多くの機能を提供してく予定です。Fusion Cloud ERP向けの最も重要なものの1つは、文書入出力エージェント (Document IO Agent) です。このエージェントは、様々なチャネルや文書規格、トランザクション、形式、言語におけるサードパーティとの接続を簡素化するのに役立ちます。今後のリリースでは、文書入出力エージェントを通じて、次のようなより多くの機能を提供していきます。
- 買掛/未払金請求書のストリーミング(サプライヤ請求書、支払要求、トムソン・ロイターのEインボイス)
- 仮想クレジット・カード取引明細書の取込み
- ロック・ボックス、銀行取引明細書、支払送金通知の自動現金処理
- JPモルガン・コーポレート・カードによるタッチレス経費の取込みと自動照合(リリース25A)
また、今後のリリースでは、次のような新しいエージェントが追加されます。
- 従業員のコンプライアンスと質問を支援する経費ポリシー・エージェント
- プログラム分析とアクション・プランを生成するプロジェクト管理AIエージェント。これらの機能は、プロジェクト・ステータス・サマリーと変更オーダー生成の生成AI機能を補完します。
まとめ
財務担当者の方へのアドバイスはシンプルです。AIを導入する時は今です。3ステップのアプローチを実行して、経験、自信、専門知識を得るべきです。何事も言うだけなら簡単で実行するのは難しいですが、AIの導入を始めるのは思っているより簡単かもしれません。これらのAIによるイノベーションは、Fusion Applicationsの四半期ごとのアップデートを通じて、追加のコストをかけることなく、利用できます。始めるだけでいいのです。
次のステップ
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Fusion Development
Fusion Developmentチームは、Oracle ERP、EPM、SCM、HCM、CXを含むOracle Fusion Cloud Applications Suiteの構築、維持、推進を担当しています。本部は米国、インド、メキシコ、フィリピン、ルーマニアにあり、メンバーは世界中に拠点を持っています。