Oracle University 講師が ORACLE MASTER 取得を目指している方に向けて試験トピックを解説するブログ連載講座。「ORACLE MASTER Silver SQL 2019」資格取得に向けた試験トピックについて解説します。
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今回はORACLE MASTER Silver SQLの試験トピック「データ・ディクショナリ・ビューを使用したオブジェクトの管理 – データ・ディクショナリ・ビューの使用 -」に関連する問題をご紹介いたします。ORACLE MASTER Silver SQL(Exam Number: 1Z0-071-JPN)の詳細につきましては以下URLをご参考ください。
Oracle Database SQL Exam Number: 1Z0-071
URL: https://education.oracle.com/ja/oracle-database-sql/pexam_1Z0-071
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今回はデータ・ディクショナリに関する問題をやりましょう。データ・ディクショナリはOracleデータベースを管理する上で、重要な情報源になりますのでしっかり学習しておきましょう。

(解説)
それではまずはデータ・ディクショナリについて説明をしていきましょう。
データ・ディクショナリとはOracleデータベースの構成情報を格納している特別な表やビューの集まりとなります。イメージとして、身近なものに例えるとすれば人間の頭の部分に該当するようなものですね。
Oracleデータベースの管理を行う上で、データ・ディクショナリ内に格納されている、各表や索引といったデータベース・オブジェクトの情報を確認する必要が出てくるわけですが、特別な操作やコマンドなどを別途学習する必要はなく、通常のSELECT文でアクセスすることができる専用のデータ・ディクショナリ・ビューが提供されています。データ・ディクショナリ・ビューはアクセスできる管理範囲に対して、以下の表に示した3つの接頭辞によって分類することができます。(※1)
| 接頭辞 |
目的 |
| USER |
ユーザーアクセス用のビュー |
| ALL |
拡張されたユーザーアクセス用のビュー (ユーザーがアクセス可能なオブジェクトの管理情報の表示) |
| DBA |
データベース管理者用のビュー (データベース全体の管理情報を表示、管理者権限を持つユーザーのみアクセス可能) |
※1 マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)環境のルートでアクセスできるCDB_*ビューもありますが今回は説明を割愛します。
一般ユーザーであるSCOTTユーザーで実行した例を載せておきましょう。

今回は「XXX_OBJECTS」をアクセスした内容をサンプルとして記載しましたが、用途に合わせて非常に多くのデータ・ディクショナリ・ビューが準備されています。ご使用されているデータベース・バージョンの以下のマニュアルも参考にするとよいでしょう。
『Oracle Database データベース・リファレンス』
データ・ディクショナリに関して重要な内容を箇条書きでまとめておきます。
- Oracleデータベースに関する情報を保持している表およびビューの集合体
- データ・ディクショナリは接頭辞によってアクセスできる範囲が区別されている
- データ・ディクショナリ内のデータはOracleデータベースのみが情報の書込みや変更を実施する
(ユーザーが直接操作することはない) - データ・ディクショナリの情報はSYSTEM表領域内に格納されており、SYSユーザーが所有している
ここまで確認ができましたら問題文の各選択肢を見ていきましょう。
選択肢1はこれまでの説明内容で大丈夫でしょう。正解の選択肢となります。
選択肢2の内容は誤りです。データ・ディクショナリ内のすべての実表とアクセス可能なビューを所有しているのはSYSユーザーになります。格納している場所はSYSTEM表領域になりますので混同して間違えないようにしてくださいね。
選択肢3の内容は正しい内容です。例えば新規ユーザーを作成したりとか、テーブルを新たに追加したなどの操作を行うと、データ・ディクショナリに対してデータベースの構成情報を自動で更新します。そのため、選択肢3の内容と対となっている選択肢4の内容が誤りになりますね。データ・ディクショナリの情報はユーザーが直接操作して更新をしてはいけません。
選択肢5の内容は誤りです。データ・ディクショナリはデータベースの構成情報を格納していますがユーザー操作内容がすべて記録されるというわけではありません。セキュリティを意識して操作内容をログとして残す場合は監査機能(Oracleデータベースには統合監査機能があります)を使用するとよいでしょう。
選択肢6も誤りですね。すべてのユーザーがデータ・ディクショナリ内のすべての情報が見れるわけではありません。アクセスできる範囲を分ける接頭辞があることを思い出してください。
以上の結果から、正解の選択肢は1と3になります。
今回はOracle データベースの構成情報を格納しているデータ・ディクショナリについて学習しました。Oracleデータベースを管理する上でデータ・ディクショナリ・ビューへのアクセスは欠かせない操作となっています。よく使用するものは自然と覚えていくと思いますが、非常に多くの種類のデータ・ディクショナリ・ビューがありますのでマニュアルもしっかりと活用できるようにしておきましょう。
それでは今回の講義は以上とします。次回も頑張っていきましょう!
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【Oracle University講師によるORACLE MASTER Gold DBA 2019 試験トピック解説講座】トピック一覧
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