日本オラクル株式会社は本日、国立情報学研究所(NII)が構築、運用している学術情報ネットワーク(SINET:Science Information NETwork)の次期ネットワークであるSINET6のクラウド接続サービスに「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」が対応したことを発表します。

SINETは、日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として、全国約1,000の大学・研究機関等が加入し、300万人以上の研究者・学生等が利用しています。また、多くの海外研究ネットワークと相互接続しています。2022年4月に本格運用を開始するSINET6は、ネットワーク接続拠点を全国70カ所に拡充しました。ネットワーク接続速度400Gbpsを全国に整備し、モバイルSINETを5G対応に拡張することに加え、大学などが構築するローカル5Gへの対応、エッジ機能の配備、国際回線の帯域強化など、オープン・サイエンス実現のための研究データ基盤として本格展開します。
「OCI」は、2019年からSINETに対応しており、「Oracle Cloud」の東京および大阪リージョンと接続しています。2019年の対応以来、理化学研究所、奈良先端科学技術大学院大学をはじめ、多くの大学・研究機関がSINET経由でOCIに接続しています。
理化学研究所が開発主体として推進しているスーパーコンピュータ「富岳」は、SINETを介して「OCI」と接続し、高度な計算資源の有効活用と研究成果創出を促進しています。SINET経由の「OCI」への高速、安全かつ低コストでの接続により、「富岳」を利用する大学や研究機関等は、「OCI」のセキュリティ、パフォーマンス、伸縮性に優れたコンピュートやストレージのリソースを「富岳」のネットワークから低コストで利用できます。
SINET経由の「OCI」への接続では、OCIの専用ネットワーク接続サービス「Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」(有償サービス)を利用します。「Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」を利用することで、専用のプライベートな高帯域接続ができるだけでなく、上り/下りともに転送データ量に対する課金が無料となります。これにより、ペタバイト超となることもある膨大な研究データの転送コストを気にすることなく、「OCI」の高性能コンピュートやストレージ・リソースを予測可能なコストで利用できます。
オラクルは、世界中の複雑な課題への対処および重要な変革の推進に取り組むプログラム「Oracle for Research」を通じて、大学・研究機関等のイノベータに、高価値で費用効果の高いクラウド・テクノロジ、オラクルの研究ユーザー・コミュニティへの参加、およびオラクルのテクニカル・サポート・ネットワークへのアクセスを提供しています。2021年11月に発表した「Oracle Open Data」は、世界をリードする科学データベースから空間イメージ、タンパク質配列、注釈付きテキスト・ファイルなどのオープンデータをキュレーションするクラウド・サービスを提供しています。
「OCI」は、SINET6により進化する教育・研究に携わる数多くの人々のコミュニティ形成、多岐にわたる学術情報の流通促進を支援します。
