こんにちは。日本オラクルのクラウド・ソリューション・エンジニアの小西です。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?私は一泊旅行でリフレッシュできました。
さて、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では、基本的に隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは 前回に引き続き、OCIの新機能を見ていきましょう!
[Monitoring, Service Connector Hub] サービス・コネクタ・ハブのモニタリング・ソース
-
サービス・コネクタ・ハブを使用したモニタリング・メトリックのエクスポートが可能になりました。
-
モニタリングのメトリックをソースとして、オブジェクト・ストレージ、ストリーミング、ファンクションの宛先にエクスポート可能です。
-
ユースケース
-
メトリックデータのオブジェクトストレージへのアーカイブ
-
ストリーミングやファンクションへメトリック・データを連携
-
ファンクションを使用してメトリックのデータ変換を実行してからターゲットに書き込むことも可能。(JSONからCSVへの変換、データのフィルタリング、データストリームの作成など)
-
-
ブログ:Announcing Service Connector Hub support for exporting metrics
[Service Mesh] OCI Service Meshのリリース
-
Oracle Cloud Infrastructureサービス・メッシュのサービスがリリースされました!
-
アプリケーションに変更を加えることなく、Cloud Nativeアプリケーションにセキュリティ、可観測性、およびネットワーク・トラフィック管理を提供する無料のマネージド・サービスです。
-
英語ブログ:Announcing Oracle Cloud Infrastructure Service Mesh general availability
-
詳細: Service Mesh
[Networking] VCN内でVTAPが利用可能
-
OCIで、仮想テスト・アクセス・ポイント(Virtual Test Access Point, VTAP)がリリースされました!
-
VTAPはトラフィック・ミラーリング、フル・パケット・キャプチャとも呼ばれる機能で、指定したソースを流れるトラフィックの中身をミラーして選択したターゲットに送信することができます。ネットワークのトラブルシューティングやセキュリティ監視などに活用することが可能です。
-
ソースとして、コンピュート・インスタンスのVNIC、ロードバランサ、DBシステム、Exadata VMクラスタ、ADB(プライベート・エンドポイント)が選択でき、ターゲットはネットワーク・ロード・バランサ(NLB)を指定します。NLBのバックエンドにログの蓄積や分析などを行うためのソフトウェアを導入したインスタンスを配置します。
-
詳細: documentation

[WAF] Web Application Firewall ボディ・インスペクション
-
HTTP リクエスト・ボディ・インスペクション(本文検査)はリクエスト・ヘッダーとバッファリングされたリクエスト・ボディをバックエンドに送信する前に、リクエスト・ボディをメモリにバッファリングして検査するようにWebアプリケーション・ファイアウォール・ポリシーに指示します。HTTPリクエスト・ボディ・インスペクションが発生しない場合、リクエスト・ボディは常にバックエンドにストリームされます(リクエストヘッダーが保護ルールをトリガーしていないことを前提としています)。
-
リクエスト保護ルールを追加するときにHTTPリクエスト・ボディ・インスペクション機能を有効にするか、既存の保護ルールを更新して含めることができます。この機能を使用できるのは、ボディ・インスペクション条件を持つ保護機能のみです。
[APM] 合成モニタリングの専用バンテージ・ポイント
-
合成モニタリング(Synthetic Monitoring)で、モニターを実行できる専用バンテージ・ポイントを設定できるようになりました。専用バンテージ・ポイントは、テナント内の安全な場所を定義し、ネットワーク設定を完全に制御し、パブリックにアクセスできないエンドポイントを監視できるようにします。
[Speech] スピーチ・サービスの新機能
-
Speechサービスで以下の新機能が利用可能になりました。
-
クローズドキャプション – 追加の出力形式としてSRTファイルを提供します。SRTを使用して、ビデオファイルにクローズドキャプションを追加します。
-
句読点 – 長いテキストには句読点が必要なため、音声は文字起こしコンテンツに自動的に句読点を付けます。
-
電話対応 – ファイルは8kHzまたは16kHzで、それぞれが自動的に検出されるため、適切なモデルが適用されます。この機能を使用すると、電話の録音を書き写すことができます。
-
-
詳細: AI Blog.
[Logging Analytics] 高度な分析の機能拡張
-
リンク分析の結果であるグループテーブルで、CVEデータベースおよびOCIリソースへのリンクを挿入できます。
-
詳細 Use the CVE Short-cut to Link to CVE Databases and Use the OCID Shortcut to Automatically Link to OCI Resources.
[OS Management] スタンドアロンAutonomous LinuxインスタンスをOS管理サービスに移行
-
alx-migrateスクリプトを使用して、スタンドアロンのAutonomous LinuxインスタンスをOS管理サービスに移行できるようになりました。スタンドアロンのAutonomous Linuxインスタンスとは、古いOracle Autonomous Linuxイメージ( older Oracle Autonomous Linux images)に基づくインスタンスのことで、これらのインスタンスはOS管理サービスと統合されていません。
-
移行後、インスタンスはOS管理サービスを使用して管理され、重要なイベントの監視など、Oracle Cloud Infrastructureのサービスによって提供される追加の自律機能を利用できます。
詳細: Migrating a Standalone Autonomous Linux Instance to the OS Management Service
[Compute] コンピュート・インスタンスにE4ベースのDense I/Oシェイプが登場
-
あたらしいDense IOシェイプとして、AMDプロセッサ(ベース周波数2.55GHz、最大ターボ周波数3.5GHz)でローカルNVMeを搭載したDenseIO E4シェイプがリリースされました。
-
BM.DenseIO.E4.128:128 OCPU、2048 GBメモリ、54.4 TB ローカルNVMe、2 x 50 Gbpsネットワーク
-
VM.DenseIO.E4.Flex:8 / 16 / 32 OCPUから選択可能

-
詳細: Compute Shapes.
-
価格:OCPU、メモリ、NVMeストレージの単価が別々に設定されている。
[Application Dependency Management] アプリケーション依存関係管理サービスのリリース
-
この新しいアプリケーション依存関係管理サービス(Application Dependency Management、ADM)は、OCI DevOpsサービスのビルドパイプラインで利用し、Mavenを使用したJavaアプリケーションの依存関係の脆弱性を検出できます。脆弱性ナレッジのフレームワークであるCommon Vulnerability Scoring Systemで提供されているスコアに基づきます。
[Logging] 新たなロギング検索ページ機能
-
ログ検索ページで以下の新機能が使用できるようになりました。
-
マルチ・リージョン検索:新しい検索対象のリージョンの選択フィールド(詳細検索オプションの下)を使用すると、各リージョンに切り替えて同じクエリを繰り返し実行するのではなく、複数のリージョンにまたがって同時にクエリを実行できます。
-
行の改行:長いログエントリ行を折り返し、関連するログフィールドの完全なビューを表示できるようになりました。この新しいオプションは、探索タブのアクションメニューで使用できます。
-
ログ・フィールドの管理:新しいログ・フィールドの管理パネルを使用して、探索タブで分析するログデータから目的の関連ログフィールドを選択します。アクション、ログ・フィールドの管理を選択してパネルにアクセスします。
-
ログ・データの展開と縮小:探索タブのアクションメニューからログ・データの展開を選択すると、ログイベントの完全なビューを表示できるようになりました。ログ・データの縮小を選択して、すべてのエントリを折りたたみます。
-
クエリベースのビジュアル化:基本モードと詳細モードの両方の検索で、ビジュアル化タブで視覚化する独自のログフィールドを選択します。


-
-
詳細:Searching Multiple Regions, Viewing and Working with Search Results, and Visualizing Search Results
[Functions] プロビジョニングされた同時実行性を使用して関数の起動を高速化
-
Oracle Functionsのプロビジョニングされた同時実行性(Provisioned Concurrency)を使用して、一貫した1秒未満の関数の起動時間を実現できるようになりました。プロビジョニングされた同時実行性を使用すると、初期プロビジョニングのための待ち時間なしで、少なくとも特定の最小数の同時関数呼び出しの実行用のインフラストラクチャが提供されます。
-
日本語ブログ:OCI Functionsのprovisioned concurrency(同時実行のプロビジョニング)の正式リリース
[Compute] コンピュートのDense I/O VMインスタンスで再起動移行のサポート
-
これまではコンピュートのDense I/Oシェイプはインフラストラクチャのメンテナンスイベントの際には手動以降の必要がありましたが、Standardシェイプなどと同様に再起動移行(Reboot Migration)がサポートされました。
[MySQL Database] MySQL Database ServiceでMySQL Version 8.0.29をサポート
-
MySQLデータベースサービスがMySQL 8.0.29をサポートしました。新しいMySQL DBシステムは、最新のMySQLデータベースバージョンに基づいています。バージョン8.0.28から8.0.29などの既存のDBシステムのMySQLサーバーのアップグレードは、手動で実行する必要があります。
-
新しいマイナーバージョンには、改善とバグ修正が含まれています。
-
詳細: MySQL 8.0.29 Release Notes.参照してください。
-
Services: MySQL Database
[Operations Insights] オペレーション・インサイトのデモ・モード
-
デモ・モードは、事前定義された読み取り専用環境を提供します。これにより、データベースまたはホストリソースをセットアップおよび構成しなくても、Operations Insightsの機能を体験できます。
[Search Service with OpenSearch] OpenSearchを使ったOCI検索サービスが利用可能
-
OpenSearchを使用したOCI検索サービスが利用可能になりました。
-
OpenSearchを使用したOCI検索サービスは、 OpenSearch に基づくアプリケーション内検索ソリューションを構築するために使用できるマネージドサービスであり、インフラストラクチャの管理に集中することなく、大規模なデータセットを検索してミリ秒単位で結果を返すことができます。このサービスにより、データの取り込み、検索、視覚化、分析が簡単にできます。
-
詳細:
以上が本日の新機能ハイライトです。
続々と新しいサービスがリリースされてきています。気になるサービスや機能がある方はぜひ試してみてください。
今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います。
関連情報


