Oracle Blockchain Platform Digital Assets Editionの発表:金融や他産業のイノベーションを加速

February 14, 2025 | 3 minute read
Gaku Nakamura
Solution Engineer
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​※ 本記事は、Gourav SarkarMark Rakhmilevichによる"Unveiling Oracle Blockchain Platform Digital Assets Edition: Accelerate Innovation in Finance and Other Industries"を翻訳したものです。


はじめに

デジタル経済は大きな変化の最中にあります。トークン化(tokenization)により、中央銀行デジタル通貨(CBDC)や預金トークン、ステーブルコイン、株や債券などのトークン化証券、不動産や土地や蒐集品や貴金属などの現実世界資産(Real-World Asset、RWA)などを含むデジタルアセットが、規制下の金融領域で興隆しており、また、トークン化によって生産性と様々なエコシステム間の協働可能性の向上、革新的なサービスの実現が起こっています。

これまで、こうした試みの多くは、サイロ化された台帳に頼っており、そのことがデジタルアセットのポータビリティを制約してきました。最近、国際決済銀行(Bank for International Settlement、BIS)および国際的な決済システムの主導的なプレイヤーたちは、「Finternet」と統合台帳(Unified Ledger)についての議論を始めています。これは、中央銀行貨幣とトークン化預金、そしてトークン化資産をプラグラマブルなプラットフォーム上で結びつけることで、トークン化によるメリットを最大限に享受することができる新しいタイプの金融マーケットインフラです。

アナウンスメント

OracleはOracle Blockchain Platform Digital Assets Edition(OBP DA)をリリースしました。これは、デジタルアセットアプリケーションと統合台帳を開発し、そして稼働させるための、パワフルなエンタープライズ・グレードのソリューションです。企業はこのプラットフォームを用いることで、包括的な銀行グレードの分散台帳インフラと備え付けのスマートコントラクト、API、強力なインデックス用データベース機能、Webアプリケーション、そして分析ツールにより、トークン化の生産性を向上し、革新的なデジタルアセット・ソリューションの市場への投入を加速させることができます。

OBP DAは業界をリードする製品であるOracle Blockchain Platform(OBP)の拡張版です。OBPは、ブロックチェーンプラットフォームとしてJuniper Research Competitor Leaderboardでリーダーとして位置づけられ、また、Government Blockchain Association(GBA)によるBlockchain Maturity Model (BMM) Assessmentの評価に合格しています。OBPはOracle Cloud Infrastructure(OCI)上にマネージド・サービスとして利用可能な他、オンプレミスや他クラウド上でもKubernetes/コンテナベースのノードとしてデプロイ可能です。

Oracle Blockchain Platform Digital Assets Editionを使う理由

デジタルアセット領域は急速に発展しています。多くの組織では、安全でスケーラブルなブロックチェーンベースの金融ソリューションの開発にかかる高いコスト、そしてその複雑さ、要求される知識の多さに困難を抱えています。OBP DAはそうした課題を以下のように解決しています

  • 即席のドメイン習熟:包括的な備え付けアプリケーションコンポーネントにより、専門的なドメイン能力に即座にアクセスできます。これによって、企業はより速く市場に参入することができます。
  • 開発コストの低減:構築済のトークン化フレームワークおよびアプリケーションごとのスマートコントラクト、そして本番利用の用意ができたブロックチェーン基盤、さらにローコード開発ツールによって、高給な技術者と長い開発期間の必要性を削減します。
  • より高速なイノベーションサイクル:用途に合わせることのできる仕様テンプレートからスマートコントラクトとAPIを自動で生成できます。ローコードのスマートコントラクトとアプリケーション、そして分析ツールによってカスタマイズ柔軟性を享受しつつ、実装までの期間を短縮し、イノベーションを高速化します。
  • シームレスな相互運用性:アトミックトランザクションと強力なオーケストレーション機能による台帳をまたがる(Cross-ledger)アセットの可搬性により、複数の金融システムの統合とリアルタイム決済というビジョンを実現させます。
  • エンタープライズグレードのセキュリティ:パーミッションド・ブロックチェーン・アズ・ア・サービス、イミュータブルな監査ログ、包括的なOracle Cloud Infrastructureセキュリティをベースとした、グローバルなセキュリティと規制基準に適合した堅牢で安全なプラットフォームです。
  • リアルタイムのインサイト:ビルトインされたインデックス、構築済のダッシュボードおよびデータ可視化が提供され、さらにそれらはローコード分析ツールを用いることで容易に拡張することもできます。統合された分析ツールにより、より良い決断と透明性が実現されます。

ユースケースの例

 

1. 中央銀行デジタル通貨(CBDC)

ホールセールCBDCは銀行間送金、決済、そして金融政策の実行をモダナイズするうえで重要な役割を果たします。OBP DAによって金融機関や中央銀行は以下のことが実現できます:

  • トークン作成、発行、移転、償還、除却、およびオプショナルな申請/承認機能のためのあらかじめパッケージ化されたHyperledger Fabricのスマートコントラクトを用いて、ホールセールCBDCを開発、デプロイする
  • 発行、分配、除却などを中央銀行管理下の口座でのコントロールとしつつ、金融機関管理の口座へ一部を委譲するといったロール・ベースのガバナンスを実装する
  • オプショナルな申請/承認機能を用いつつ、トークン化された銀行内/銀行間送金を用い、銀行間決済を拡張する
  • CBDC用のAPI、Webアプリ、 分析ダッシュボードと既存の銀行インフラとを連携させる

2. 金融機関のトークン化

様々な資産クラスでのより高速、より安全、そしてよりコスト効率のよいトランザクションを実現することで、トークン化は銀行業と金融市場を変化させています:

  • 預金トークンとステーブルコイン:商業銀行はOBP DAを用いて、デジタル預金トークンあるいは銀行発行のステーブルコインという形態で商用資金を発行することができます。これにより、国内あるいはクロスボーダーのトランザクションの決済について、日次の量的制約や申請/承認フローなどオプショナルな管理を付けることで規制に準拠した、安全でリアルタイムな送金を実現できます。
  • トークン化債券:OBP DAは一次債券市場をサポートしており、ホールセールCBDCや預金トークン、銀行発行のステーブルコインを用いて、デジタル債券の自動化された発行、購入、利息の支払い、償還、そしてDvP(Delivery vs. Payment)決済を実現することができます。

3. 現実世界資産(Real-World Asset、RWA)とネイティブデジタル資産

トークン化された現実世界資産(RWA)はブロックチェーン上に表現された、物理的な資産のデジタルツインです。一方、ネイティブデジタル資産は、ロイヤリティポイントや音楽、知的財産記録などの電子的な形態でのみ存在する資産のトークン化された表現です。いずれについても、ブロックチェーン上でトークン化することにより、取引や更新などの検証可能な来歴と監査性が実現され、以下の例のようなメリットがあります:

  • 不動産のトークン化をすることで、購入やレンディングプロセスにおける所有権の分割と部分取引、より大きな流動性とアクセス可能性、効率性の実現につながります。
  • 土地記録、蒐集品、貴金属、知的財産やライセンスなどのトークン化をすることで、所有権や取引のトレーサビリティにつながり、担保とすることもできるようになります。
  • トークン化された太陽光再生可能エネルギー証書およびCO2削減量は、ブロックチェーンを用いて太陽光発電量を記録することで、証書から実際の発電場所、記録までのエンドツーエンドのトレーサビリティを可能にします。

コンポーネントと機能の概要

Oracle Blockchain Platform Digital Assets Edition(OBP DA)はデジタル資産アプリケーションのエンドツーエンドの開発とデプロイをサポートするようにつくられています。OBP DAプラットフォームは、Oracle Blockchain PlatformとBlockchain App Builderとに、いくつかの拡張と、ドメイン独特のパッケージ化された、またはフレームワークベースのスマートコントラクトと、パッケージ化されたAPIと、インデックス用データベースビューと、サンプルのWebアプリと、サンプルの分析ダッシュボードとレポートを付属させたものです。

OCIでDeveloper ServicesセクションのOracle Blockchain Platformページに遷移し、Digital Assets Editionのインスタンスを作成すると、OBP DAコンソールのなかのDigital AssetsタブからサンプルChaincodeをインストールし、以下に説明しているリファレンスアーキテクチャ図のようにデプロイできるアーティファクトをダウンロードすることができます。

​  Figure 1. Reference Architecture of a Digital Asset Application  ​
Figure 1. Reference OCI Deployment Architecture of a Digital Asset Solution

1. Oracle Blockchain Platform: 分散台帳とスマートコントラクト基盤となる、分権化されたパーミッションド・ブロックチェーン・ネットワーク

2. 拡張されたBlockchain App Builder: 用途に合わせた宣言的な仕様テンプレートからスマートコントラクトと関連するアーティファクトを自動生成し、テストの自動化、デプロイの管理機能までを備え、デジタルアセットアプリケーションを作成、そして最適化できるローコードツール

  • ホールセールCBDC、債券マーケットプレース、不動産トークン化、ロイヤリティ・トークン、蒐集品などなどのための完全なChaincodeアプリケーションを含む、一般的なデジタルアセットアプリケーションを生成するための多数の定義済みテンプレート
  • Chaincodeにライフサイクルイベントを発出させ、トークンの作成、移転やその他のオペレーションをトリガーとしてリアルタイムに外部の更新をトリガーさせることで、ワークフローの自動化をサポート
  • アプリケーションごとのAPI、また、OCI API Gateway用のAPIルート・デプロイメントパッケージを自動生成し、セキュリティとアクセス制御を強化しつつブロックチェーンとのやりとりを合理化
  • 生成されたAPIの迅速かつ容易なテストのためのPostmanコレクションを自動生成

3. デジタルアセットアプリケーションとフレームワークのためのパッケージされたスマートコントラクトホールセールCBDC、トークン化債券、加えてジェネリックなFungibleおよびNon-fungible、複合トークンフレームワークのためのアプリケーション・ドメイン・スペシフィックなスマートコントラクトChaincodeを提供

  • ホールセールCBDC用の、一連のライフサイクルオペレーション、ロールベースアクセス制御(RBAC)を備えた口座管理、作成/承認慣行に沿った承認機能、コンプライアンス制御、監査を含む、パッケージされたスマートコントラクト実装
  • 一次債券マーケットプレース用の、一連のライフサイクルオペレーション、ロールベースアクセス制御(RBAC)を備えた口座管理、利息計算、DvP(Delivery vs Payment)決済モデルによる購入/償還を含む、パッケージされたスマートコントラクト実装
  • Fungibleトークン用Chaincodeにより、銀行や他の組織は、預金トークンやステーブルコイン、ロイヤリティシステム、その他のデジタルアセットアプリケーションを構築可能
  • デジタル証券や不動産、貴金属、ゲーミング、知財管理や再エネ証書、CO2削減量証書、サプライチェーントラッキングなどに使える、一体型/分割可能なNFT用のChaincode

4. 豊富なAPIサポート機能:エンタープライズのデジタルアセットのインテグレーションを迅速化、合理化し、複雑さを縮小し、相互運用性と自動化を促進

  • CBDCや債券オペレーション、また、Fungible/Non-fungibleトークンフレームワークを、電子商取引やコア・バンキング、RTGS(時点即時決済)システムや他の銀行間送金システム、取引などのための金融マーケットインフラに対して連携させるための、豊富なAPI
  • OCIのAPI Gatewayリソースのプロビジョニング、また、関連APIルートのデプロイのための自動生成ツールを搭載し、ブロックチェーンスマートコントラクトに自動的に接続
  • Chaincodeデプロイの一貫性を保護するため、既存Chaincodeの拡張、あるいは新規Chaincodeを作成する際にAPIを自動的に再生成する機能を搭載

5. アプリケーションスペシフィックなインデックス用DBビュー:リアルタイムあるいは決済後の分析や、オフチェーンでの非ブロックチェーンデータとのデータインテグレーションに利用可能な、台帳上のトランザクションから同期されるインデックス用データベース

  • データベースビューはホールセールCBDCのリッチヒストリー・データモデルをJSONからカラムにマップし、パッケージされた分析ダッシュボードやデータ可視化で使用される
  • データベース内でOracle Machine Learning(OML)を用いることで、対詐欺の分析に利用可能
  • 口座や資金移動のつながり、関連性をグラフデータベース処理することで、AML分析が可能に
  • Oracle REST Data Servicesを経由することでその他のアプリケーションでも利用可能

6. CBDCユースケースのためのサンプルWeb UIアプリケーション: ホールセールCBDCを管理し、ライフサイクルオペレーションを実行するためのロールベースのUXフローを備え、デジタル通貨アプリの即席な検証や、OCI Visual BuilderやIntegration Cloud Serviceを用いてテーラリングと調整も迅速に行える、すぐに使ってみることのできるサンプルWebアプリ

  • CBDCの作成、発行、償還、除却、また、銀行内/銀行間送金を、作成/承認機能付きでサポート
  • 管理者、役員、承認者、監督者、通常ユーザーなど様々な中央銀行、参加機関のロールの間での、CBDCライフサイクル機能を整理
  • OCIユーザー作成およびHyperledger FabricのカスタムEnrollmentと連携された口座のオンボーディングと管理、日次量制約によるコンプライアンス制御、各銀行の管理者ロールへのユーザー管理権限の委譲
  • Oracle IAM Identity Domainを通じたロールベースのアクセス制御による広範なセキュリティ、OCI多要素認証、多層脅威インテリジェンスと250を超える定義済みOWASP、アプリケーション、コンプライアンススペシフィックなルールからなるWeb Application Firewall

7. CBDCユースケース用のサンプル分析パッケージ: CBDCライフサイクルオペレーション、銀行間送金、資金フローについてのリアルタイムのインサイトを提示し、透明性と、中央銀行および金融機関のよりよい意思決定を可能に。Oracle Analyticsを用いて、デジタル通貨の迅速な実験やカスタマイズ、導入へと導く。

  • 設定した接続先のリッチヒストリーデータベース上に複製されたブロックチェーンデータを利用
  • ふたつのデータ可視化セットを提供:中央銀行用の一連のセット、そして自身に関連する口座やトランザクションのみにアクセスできるように参加機関向けのフィルターを施されたデータのサブセット
  • Oracle Analytics Cloud(OAC)で構築されたダッシュボードと可視化が提供され、OACのローコード開発モードで修正、拡張できる
  • 組み込みのAI/MLによる自然言語でのやり取りとアノマリー検知により、生産性を向上し、よりよいビジネス上の意思決定を促進

8. 台帳またぎ(Cross-Ledger)の相互運用性と統合台帳(Unified Ledger)アーキテクチャ: Oracle Blockchain PlatformによるX/Open XA標準へのサポートと2フェーズコミット(2PC)、そしてQuant NetworkのOverledgerにより提供される強力なオーケストレーションにより、統合台帳アーキテクチャを実装するために必要となる台帳またぎのオペレーションやワークフローが実現され、ブロックチェーンの分断化を乗り越え、「貨幣の単一性」を保護

  • 複雑な金融メッセージングプロトコルを必要とすることなく参加者が複数ブロックチェーンエコシステム間で複製されたステートの更新をコミットすることを可能にする、複数の台帳とオフチェーンデータベースの間でのアトミックな決済と即時のファイナリティ
  • ブロックチェーンベースのデジタル資産とトラディショナルな金融システムとのギャップを橋渡しし、既存の銀行インフラと送金経路へ、CBDCや預金トークン、トークン化証券のシームレスな接続を実現
  • OBP DAとの動作検証済のOverledgerのマルチチェーン接続性とトランザクションオーケストレーションを用いることで、企業は完全につながったデジタルアセットエコシステムの中で、新しいイノベーション機会と金融包摂を実現できる

これは最近、Regulated Liabilities Network(RLN)の実験フェーズのユースケースをシミュレートすることにより、実際に示されたものでもあります。OBP DAベースのネットワーク上に実装された4つの隔離されたパーティション(ふたつの銀行預金パーティション、ホールセールCBDC、一次債券マーケットプレース)にまたがるトークン化された債券の決済を、DvPモデルで実現しました。

このシナリオでは、Bank Aが一次債券マーケットプレースでトークン化債券を顧客(Alice)のために発行し、Bank Bの顧客(Bob)がその債券をいくらかの量購入し、代金をBank B預金トークンで支払います。この際のアトミックなDvPトランザクションでは、一次債券マーケットプレース上で債券の所有権がBobに移転され、一方でAliceはBank A預金トークンでの支払いを受け取ります(その前にはBank Bが自身の預金トークンを除却し、ホールセールCBDC台帳を通じて対応する額をBank Aに送金し、それを受けてBank Aが自身の預金トークンとして同額を発行したうえでAliceに送ることができています)。

OBPDAPicture2
Figure 2. Unified Ledger Architecture with Quant Network's Overledger

このシナリオは債券発行とDvP決済を用いたその購買の例を示しており、そして、トークン化されたアセット、トークン化された預金、そしてホールセールCBDCの同期された移転により実現される、高度なプログラマビリティと自動化の恩恵を銀行がどのように享受できるかを示しています。

更に、OverledgerとOBP DAとの連携により、預金トークンやステーブルコインのプラグラマブルな送金サービスも実現できます。プログラマブル送金により、金融オペレーションの自動化が可能になり、法定通貨とトークン台帳との間で様々な条件、トリガーでの自動決済実行も実現できるでしょう。たとえば、この連携は、単純ロックや2者ロック、3者ロック(例:品物の到着と同時に支払い)をサポートしており、銀行やアセットマネージャー、その他の機関が利用することで革新的な金融サービスを顧客に提供できます。

Quant NetworkのCEOで創業者のGilbert Verdianは「QuantはOracle Blockchain Platform Digital Assets Editionのローンチを喜んでいます。わたしたちはOracleとのパートナリングによって、統合台帳というコンセプトを実現するということだけでなく、Regulated Liability Network(RLN)のような規制下のネットワークとアセットとのシームレスなインターオペラビリティをOracleのプラットフォームにより実装するということも実現してきました。」と語りました。「デジタルアセットの既存のネットワークと金融機関へのシームレスな接続を実現することで、ブロックチェーンの相互運用性の推進者として、その進化を次の段階へと進めることに貢献できることを楽しみにしています。そして、資金とアセットを複数の価値のネットワークの間で安全につなぎ、それらの移動をオーケストレートし、プログラミングするうえでの課題を解決するという点で、顧客となる企業にとって重要なものとなるでしょう。」

デジタルアセットによる革新の未来

OBP DAはブロックチェーン技術とデジタルアセット管理の進化における重要なマイルストーンです。拡張されたBlockchain App Builderベースの自動化されたスマートコントラクト開発、パッケージされたChaincode、先進的なトークン化フレームワーク、シームレスなAPI統合、そしてサンプルUIと分析ダッシュボードにより、このプラットフォームは企業と金融機関のイノベーション、オペレーションの合理化、デジタル経済での先進的な一歩を後押しします。

デジタルアセットが進化するにつれ、金融業界、そしてクロスボーダー送金、資本や他の金融サービスに依拠した産業のかたちを変えていくでしょう。長く存在していた課題を解決し、ビジネスに新しい機会をもたらすことで。以下のようなメリットがあります:

金融機関にとって

金融サービスの利用者にとって

  • 24時間/週7日の銀行間/ホールセール送金と決済が、金額の大きい送金向けのRTGSの限られた営業時間に依存するのに比べ、カウンターパーティ決済リスクを縮減

  • 中間者を含めたポストトレードの突合を必要とするトラディショナルなオーケストレーションの複雑さに対して、証券の即時かつアトミックなトランザクションが可能に
  • これまでは非流動的だったアセットのリアルタイムかつ継続的なアセット評価
  • これまでの固定的なアセット評価に対して、アセットの分割や結合による流動性の向上
  • Fintech事業者に比べてより競争力のある価格とサービス提供により顧客を獲得
  • 統合台帳により関連する商業および中央銀行間でのクロスボーダー送金のコストを削減し、決済を短期化
  • 担保管理やクリアリング、コーポレートアクションやカストディ送金などの人手による、ミスや不正の起こり得るタスクの自動化
  • より広い投資機会と資本ソースへのアクセス
  • 取引ドキュメント(PO、インボイス、船荷証券など)のつなぎこみと金融プロセスの統合台帳活用によって貿易金融での不正を削減
  • 証券発行のコストと期間を縮小し、小規模な企業も資本にアクセスしやすく

Quant Networkとのパートナリングにより、Oracleはブロックチェーン相互運用性に新たな波をもたらします。デジタルアセットはブロックチェーンネットワークとトラディショナルな金融システムの両方にシームレスに連携することができるのです。

Oracle Blockchain Platform Digital Assets Editionは、単なるテクノロジー・ソリューションに留まりません。それはデジタルアセットによる変革の基盤であり、企業が新たな機会を獲得し、効率を向上し、ますますデジタル化される世界において自身のビジネスモデルを再定義することを可能にするものなのです。

より詳しい情報については、Oracle Blockchain Platform Digital Assets Editionのドキュメントを御覧ください。

Gaku Nakamura

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