この記事はKelly SmithとKalyan Kakiによる”Zero Data Loss Autonomous Recovery Service is now available for Oracle Database@Azure“の日本語翻訳記事です。
2024年9月12日
ランサムウェア攻撃、データ盗難、悪意のあるデータ削除や改ざんの脅威が高まる中、企業はビジネス・リスクの低減に注力しています。
この度、Oracle Database@Azure上でOracle Exadata Database Serviceを稼動させているお客様は、オンプレミスのオラクルのZero Data Loss Recovery Applianceテクノロジーに基づくフルマネージドサービス、Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceを利用できるようになりました。リカバリ・サービスは、ランサムウェア攻撃からビジネスクリティカルなデータをデータ損失ゼロで迅速に復旧・運用効率を向上させることで財務要件への準拠を支援し、クラウドサービスの簡素化に対するユーザーの期待に応えることができます。
Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceのメリット
- Microsoft Azure Consumption Commitment (MACC)を使用してバックアップ・ストレージの料金を支払うことができます。
- 企業のデータ・レジデンシーやコンプライアンス要件に合わせてバックアップストレージの場所を選択可能です。
- リアルタイム・データ保護により、データ損失をゼロにし、障害やランサムウェア攻撃が発生した時点から1秒以内にリカバリ可能にします。
- ポリシーベースのバックアップ保持ロックにより、テナント内のあらゆるユーザーによるバックアップの削除や変更を防止します。
- ライフサイクル全体を通して、すべてのバックアップ・データを自動的に暗号化することで、データの盗難を防止します。
- 週次フルバックアップが不要になり、運用効率が向上
- バックアップ実行時のCPU、メモリ、I/Oのオーバーヘッドを削減できるため、データベースクラウド全体のコストを削減できます。
- データベースとリカバリ・サービス間でバックアップ・データを少量ずつ移動させる永久増分バックアップにより、バックアップ・ウィンドウを短縮します。
- すべてのデータベース・バックアップに対して自動化された、本番システムに影響のないリカバリ検証により、リカバリ可能性を向上させます。
- 最適化されたバックアップにより、複数の増分バックアップをリカバリする必要がなくなり、あらゆるリージョンに迅速にリカバリできます。
- きめ細かなリカバリの健全性ダッシュボードにより、データベース保護に関する洞察を一元化します。
アーキテクチャ
リカバリサービスは図1に示すように、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)またはMicrosoft Azureのバックアップ先として利用できます。リカバリサービスのインフラはOracleが管理するテナント内にあり、Oracle Recovery Manager(RMAN)通信用のプライベートエンドポイントで顧客テナントと接続されています。 リージョン内の高可用性のために、リカバリ・サービスはバックアップを別のAZ(Azure)またはAD(OCI)に自動的に複製します。 リストア時には、元のバックアップまたはレプリケートされたバックアップを活用できます。 リカバリ・サービスは、最後の増分バックアップのポイントに仮想フルバックアップ(CDBまたは個々のPDB)を作成し、Azure または OCI リージョン内のアクセス可能なExadata Database Service上でポイントインタイムの高速リカバリを行うために、アーカイブされたログ・バックアップと共にフルバックアップを送信します。 リカバリ・サービスの保護ポリシー(図2)では、データベースと同じクラウドにバックアップを保存するオプションを使用することで、バックアップの保存場所としてAzureを指定することができます。 また、保護ポリシーでは、保持ロックを含むカスタム保持オプションも使用できます。

図1. リカバリ・サービスのアーキテクチャ概要

図2. リカバリ・サービスの保護ポリシーの設定
Oracle Database@Azureの自動バックアップを構成する際、バックアップ先として自律型リカバリ・サービスを選択します。 ここで、データベース・バックアップの保持先をデータベースが稼働しているクラウド先と同じに定義している保護ポリシーを選択します。

図3. データベース・サービスに自動バックアップを有効化する設定画面
自動バックアップの取得先としてリカバリ・サービスが有効化されると、バックアップに使用されたリカバリ・サービスの容量は、保護対象のOracle Database@AzureのMACCサブスクリプションに課金されます。
このサブスクリプションとバックアップの取得される場所の情報は、保護されたデータベースの詳細ページ(図 4)に表示されます。 バックアップのステータスは、リカバリ・サービスで保護されたデータベースの詳細ページ (図 4) およびOracle Database@Azure データベースの詳細画面 (図 5) で確認できます。

図4. 保護されたデータベースの詳細画面から確認できるサブスクリプション情報とバックアップ・ステータス

図5. Oracle Database@Azure詳細画面の自動バックアップの構成詳細画面
可用性
Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceは、Oracle Database@Azureを使用して、すべてのAzureリージョンでバックアップ先として使用できます。
Oracle CloudWorldで詳細情報が提供されています。ぜひご覧ください。
Oracle CloudWorldで提供されるコンテンツ
- チュートリアル: Protect and Recover Databases from Ransomware with Oracle Recovery Service [TUT2376]
- ラーニング・セッション: What’s New in Oracle’s Recovery Service and Database Backup and Recovery [LRN3023]
参考情報
- ExaDB-DとBaseDBの高度なバックアップ機能のご紹介
- ランサムウェア耐性強化のためのバックアップ保持ロック
- Autonomous Recovery Service セットアップ・チェックリスト
- 技術マニュアル
