OCI Search with OpenSearch v2.15: アプリケーションと検索を強化するための新しいAIおよびML機能の概要

January 27, 2025 | 2 minute read
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※ 本記事は、Julien Lehmann, George Csabaによる"OCI Search with OpenSearch v2.15: Introducing new AI and ML capabilities to enhance your application and search"を翻訳したものです。

2025年1月28日


本日、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Search with OpenSearchでのOpenSearchバージョン2.15の提供開始と、その他のいくつかの大幅な改善を発表しました。この更新では、OCI Search with OpenSearchは、次の主要なユース・ケースをサポートしています:

  • アプリケーション向けのAIと機械学習
  • セマンティックおよび会話型検索機能
  • 可観測性におけるAI搭載機能
  • セキュリティ分析

Elasticsearchの代替手段として、OCIのフルマネージドOpenSearchサービスの2022年のローンチ以来、お客様はアプリ内セマンティック検索、ログ分析、可観測性、セキュリティ監視にその機能を熱心に使用してきました。バージョン2.11では、セマンティック検索、ベクトル検索、検索拡張生成(RAG)などの機能を導入し、テキストや画像のどちらでも検索インタラクションがより自然になります。

Illustration of a multimodal search on OpenSearch on images
図1: OpenSearchのマルチモーダル検索

次に、OpenSearchバージョン2.15で導入された機能をまとめて確認します。パフォーマンス、効率性、回復力を大幅に向上させましたが、さらに重要なこととして、OpenSearch v2.15は、OCIの画期的なAIおよび機械学習(ML)機能により、検索の可能性を高めます。

OpenSearch 2.15におけるAIとMLのイノベーション

AIとMLをOpenSearchと統合するという大きな課題の1つは、MLモデルを検索エンジンに接続するためのカスタム・ミドルウェアを構築する必要性でした。OpenSearch 2.15では、こうした障壁を取り除き、AIとMLのニーズに特化した新しいユース・ケースを開いています。OpenSearch内で最小限の労力でAI統合を直接作成できるようになり、高度なML機能へのアクセス性が向上し、強力になりました。

このリリースでは、OCI Data ScienceOCI Generative AIOCI Generative AI Agentsなど、他のOCIサービスとのOpenSearch統合によりOCI Searchを強化し、高度なAIワークフローのための統合的なソリューションを提供します。

AIとMLの主な機能

最新バージョンでは、次のAIおよびML機能が提供されます:

  • 事前トレーニング済モデルの統合: 以前に実装が複雑だったテキスト分類、センチメント分析、エンティティ認識など、一般的なMLタスクに事前トレーニング済モデルを使用します。 

OCI OpenSearch dashboard showing pretrained model registration
図2:  事前トレーニング済モデルの登録を示すOCI OpenSearchダッシュボード
  • OpenSearchでのRAGパイプライン作成の自動化: RAGパイプラインを簡単に作成して、セマンティック検索を生成AIと組み合せ、検索問合せにおいて、より豊富でコンテキスト対応のレスポンスを提供します。
RAG pipeline creation simulation
図3: RAGパイプラインの作成
  • 外部コネクタの統合: 外部コネクタをOCI Data Scienceモデルと統合し、それらをトレーニングおよびチューニングして埋込みを生成し、検索の精度を向上させ、OpenSearchに高度なML機能を簡単に組み込むことができます。OCI Data ScienceAIクイック・アクションを使用して、選択したモデルをHuggingFaceに登録してデプロイします。
Model registration utilizing OCI Data Science
図4: OCI Data Scienceを利用したモデルの登録
  • AIを活用した検索のためのLangChain統合: OpenSearchのLangChain統合により、開発者は、大規模な言語モデル(LLM)とベクトル検索の使用を簡素化することで、生成チャットボットと会話型検索エクスペリエンスをシームレスに構築できます。これにより、カスタム・ミドルウェアの必要性がなくなり、OpenSearchベクトル・ストアやRAGテンプレートなどの機能でAI駆動型アプリケーションが強化されます。

このようなAIの進歩により、検索の関連性の向上、ログでの異常検出、豊富なAIによるインタラクションなど、よりスマートで応答性の高い検索アプリケーションを作成できます。

OCI Search with OpenSearchに追加されたその他の機能

OCI Search with OpenSearchでは、次の機能もリリースしています:

  • クラスタ間検索: 複数のOpenSearchクラスタ間でシームレスな検索を実行することで、独立したクラスタの管理を複雑にすることなく、スケーラビリティと分散環境を実現できます。
  • 可観測性のためのPrometheusプラグイン: 新しいPrometheusプラグインは、OpenSearchと直接統合されるため、メトリックの監視、パフォーマンスの可視化、リアルタイムのインサイトの取得が可能になり、検索アプリケーションの可観測性が向上します。
  • 検索可能なスナップショット: 検索可能なスナップショット索引は、リストア時にすべての索引データをクラスタ・ストレージにダウンロードするのではなく、検索時にスナップショット・リポジトリからのデータをオンデマンドでリアルタイムで読み取ります。
  • ログを取り込むためのData Prepper (Limited Availability / 制限付き利用): Data Prepperは、ログをOpenSearchにに取り込む前に前処理および変換するための機能を使用できるようになり、分析用にデータを準備しやすくなり、取り込まれたデータが検索および可観測性用に最適化されるようになりました。この機能の利用をご希望のお客様は、御社担当営業までご連絡ください。

試してみてください!

これらの追加機能により、OCI Search with OpenSearchは、効果的な監視と可観測性に必要なツールを提供しながら、大規模で分散された環境を引き続きサポートしています。このアップグレードには追加料金はかかりません。Oracle Cloud Infrastructureは、他のハイパースケーラとは異なり、コア数ではなくノード数に基づいて、シンプルで透過的な価格設定を維持します。

新機能を検討する準備はできていますか。Oracle Cloudコンソールに移動して、今すぐアップグレードを開始します。バージョン2.15が組織にどのように役立つかについては、オラクルのドキュメントをご覧ください。

詳細は、次のリソースを参照してください:

Hiroyuki Yoshino

Product Release Manager in Japan


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