※ 本記事は、Julien TESTUTによる”OCI GoldenGate ZeroETL Mirror Pipelines: Now Available!“を翻訳したものです。
2025年4月22日
昨年9月のOracle CloudWorldにおいて、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) GoldenGateのZeroETL Mirror Pipelineが制限使用で提供開始しました。本日、ZeroETL Mirror Pipelineが正式に提供開始されたことをお知らせいたします。

ZeroETLとは?
ZeroETLは、従来のバッチベースのETL (抽出、変換、ロード)パイプラインの複雑さを解消する、データ統合の最新のアプローチです。ZeroETLでは、個別の抽出、変換およびロード・プロセスを実行するかわりに、手動変換ステップを必要とせずに、ソース・システムからターゲット・データベースにデータを即時にロードできます。
OCI GoldenGateのZeroETL Mirror Pipelineを使用すると、Autonomous Databasesへのデータ移動を容易に自動化できます。この記事では、OCI GoldenGateでのZeroETL Mirror Pipelineの作成、構成および実行にドリルダウンします。
ZeroETL Mirror Pipelineの開始
OCI GoldenGateでZeroETL Mirror Pipelineを作成するには、次の簡単なステップに従います:
ZeroETL Mirror Pipelineの作成
コンソールのナビゲーション・メニューで、「Oracle Database」をクリックし、「GoldenGate」を選択し、その「Overview」ページにアクセスします。
まず、ソース・データベースとターゲット・データベースに必要な接続を作成します。「Connections」ページで、「Create Connection」をクリックし、2つの接続を作成します。1つはソース用、もう1つはターゲット・データベース用です。
ノート: ZeroETL Mirror Pipelineは、Autonomous Databasesをソースおよびターゲットとしてサポートします。接続でトラフィック・ルーティング方法として専用エンドポイントが使用されていることを確認します。
「Pipelines」ページで、「Create Pipeline」をクリックして「Create ZeroETL Mirror pipeline」パネルを開きます。ZeroETL Mirror Pipelineを作成すると、多くのタスクが自動化されます:
- OCI GoldenGateデータ・レプリケーション・デプロイメントは、1 OCPUで自動スケーリングが有効になっている状態で作成されます。
- 以前に設定した接続がこのデプロイメントに割り当てられます。
- 初期ロード・プロセスが構成されます。
- 進行中のデータ・レプリケーションに必要なGoldenGate Capture and Applyプロセスが作成されます。
- 初期ロードから進行中のレプリケーションへの移行は透過的に処理されます。

「Name」を入力し、「Compartment」を選択し、「license type」(ライセンスを含むまたはBYOL)を選択して、「Source」と「Target connections」を選択します。

オプションで、「Advanced」オプションを確認します:
- 進行中のレプリケーションの前に既存のデータをコピー: 進行中の同期の前に、ソース・データベースからターゲット・データベースへの初期ロードを実行します。
- 既存の表に対するアクション: ターゲット・スキーマが空でない場合のパイプライン動作を決定します。有効な値は、「Replace」、「Truncate」、「Append」および「Skip」です。「Copy existing data before ongoing replication」が有効になっている場合にのみ適用できます。
- スキーマ変更のレプリケート (DDL): ZeroETL Mirror PipelineがDDL変更をレプリケートするかどうかを制御します。
- DDLエラー時のアクションおよびDMLエラー時のアクション: 実行時にDDLまたはDMLエラーが発生した場合のパイプラインの動作を管理します。有効な値は、「Terminate」、「Discard」および「Ignore」です。破棄されたレコードにアクセスするには、ZeroETL Mirror Pipelineの詳細ページの「Collect Diagnostics」を使用します。
DDLエラー時のアクションは、「Replicate schema changes (DDL)」が有効になっている場合にのみ適用できます。 - 失敗後に再起動: 障害が発生した場合に、パイプラインが自動的にランタイム・プロセスを再起動するように設定します。
- デフォルト・マッピングを使用してパイプラインを開始: デフォルトの1:1マッピング・ルール (*.* into *.*)を使用して、作成直後にZeroETL Mirror Pipelineを開始するかどうかを制御します。
「Start pipeline using default mapping」を除く、これらのオプションはすべてデフォルトで有効になっています。
「Create pipeline」をクリックして、パイプライン作成ジョブを開始します。詳細は、「Create pipelines」を参照してください。
ZeroETL Mirror Pipelineの構成
ZeroETL Mirror Pipelineが作成されると、その詳細ページにアクセスし、その情報を確認できます。
「Pipeline information」ページの「Source and Target connection」の横にある「Test connection」をクリックして、構成の変更を適用する前に接続を検証します。
ノート: テスト接続が失敗した場合は、再実行が必要になることがあります。
次に、Mapping rulesに進みます。ZeroETL Mirror Pipelineは、ソース・データベースからターゲット・データベースにすべてのスキーマおよび表を移動するデフォルトの1:1マッピング・ルールを使用します。マッピング・ルールを追加または削除できますが、少なくとも1つのインクルード・マッピング・ルールを常に定義する必要があります。詳細は、「Add mapping rules」を参照してください。
「Preview」をクリックして、マッピング・ルールに基づいてターゲットにレプリケートされる表およびスキーマをリストします。

「Actions」、そして「Add rule」をクリックして、「Include」または「Exclude」ルールを追加します。
Excludeルールは、移動するオブジェクトのリストからスキーマまたは表を削除しますが、Includeルールは新規オブジェクトを追加します。
リストからマッピング・ルールを削除または編集することもできます。
マッピング・ルールの構成が終了したら、「Preview」をクリックしてオブジェクトのリストを検証してから、パイプライン実行を開始します。

次に、「Critical Events」の横にある「Logs」および「Enable log」をクリックし、アクティブ化に必要な情報を指定します。
有効にしたら、「Log Name」をクリックしてクリティカル・イベントを確認し、OCIロギングで通知を設定します。

ZeroETL Mirror Pipelineの実行
「ZeroETL Mirror Pipeline」ページの「Actions」をクリックし、「Start」をクリックしてパイプライン実行を開始します。
パイプラインが最初に初期化を開始します。「Initialization」タブのステップに従って、その詳細を確認できます。


初期化フェーズが終了すると、「Runtime」タブで取得および適用プロセスを確認できます。このリストには、プロセス名、状態、現在の待機時間、およびそれらの情報が最後に更新された日時が含まれます。
ZeroETL Mirror Pipelineは現在実行中であり、マッピング・ルールに基づいてソース・システムとターゲット・システムの間でデータを継続的に移動します。「Runtime」タブを使用して実行をモニターしたり、「Monitoring」タブでメトリックを確認したり、「Notifications」タブを使用して通知を設定したり、「Logs」ページおよびOCIロギングを使用して警告またはエラー・メッセージを確認したりできます。
その他のリソース
