この記事はTammy Bednar、Kevin DeihlによるGet All Exadata Benefits for Less on Oracle Database@Azureを日本語に翻訳したものです。
2025年3月21日
Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructureは、既存のExadata Database Service on Dedicated Infrastructureを補完する形で、Oracle Database@Azureで利用可能になりました。Exascaleはクラウド上でExadataを利用するOracle Databaseのインフラストラクチャ・コストを最小限に抑える共有Exadataインフラを提供します。 これにより、Exadataの独自で強力な機能をすべて利用できるだけでなく、開発およびテストのために新しい高速クローニング機能によって開発者の生産性が向上します。
クラウド環境では、より高いパフォーマンスがリソースの消費を抑え、コストを削減できます。Exascaleは、すべてのOracle Databaseのワークロードでこのメリットを提供します。 AIではExascaleは多くの同時ベクトル検索をサポートし、AI Smart Scanを使用して最大30倍高速化を実現できます。 分析用途ではインテリジェント・ストレージ内の数百から数千のコアを利用し、Oracle Databaseの追加ライセンスを必要とせずに、あらゆるSQLクエリを処理できます。 また、トランザクション処理ではDRAM、フラッシュ、ディスク間の自動データ階層化により、頻繁にアクセスされるデータへの低レイテンシで高スループットのRemote Direct Memory Access(RDMA)が可能で、DRAMのパフォーマンス、フラッシュのIOPS、ディスクの容量を組み合わせることで、クラウドの経済性を向上させます。現在、Azure上のアプリケーションはExadata Database Service on Dedicated InfrastructureまたはExascale Infrastructure上で稼働するOracle Databaseに対し、低レイテンシかつネイティブなアクセスが可能になります。
Exadata Database Service on Exascale Infrastructureの利点

- パワフル: Exadata Exascaleは、Exadataのパフォーマンス、信頼性、可用性、セキュリティ機能をすべて継承するOracleの革新的な疎結合のハイパー・エラスティック・アーキテクチャです
- 超低コスト: Exascale infrastructureでは、データベースが使用する非常に手頃な最小サイズからコンピュート・リソースとストレージ・リソースに対してのみ課金が発生します。IOPSには追加料金は発生しないため、コストを予測しやすくなります。
- スケーラブルなプール済リソース: Exascaleインテリジェント・ストレージ・クラウドとExascaleデータベースに最適化されたコンピューティングのプールは、最も厳しいワークロード要件にも対応しながら、クラウド上でスケーラブルな共有リソースを提供します。必要なときに必要なExascaleコンピューティング・リソースとインテリジェント・ストレージ・リソースのみをプロビジョニングできます。
- 俊敏性: ExascaleはOracle Database 23aiのみをサポートします。Exascaleを使用することで、開発者の生産性を高め、ストレージ・コストを削減しながら、AIベクトル検索やJSONリレーショナル・デュアリティなどの独自の機能を活用し、 アプリケーションを最新化できます。 もともとのExadataパフォーマンスを備えた高速で効率的なOracle Databaseクローンにより、各開発者が使用する独自のデータベースを即座に提供することで、開発者がデータベース・アクセスを調整する必要性が低減されます。
今すぐExadata Database Service on Exascale Infrastructure on Oracle Database@Azureを使ってみよう
Azureデータセンター内のOCI上で稼働するOracle Database@Azureでは、Oracle Database@Azureを支えるOracle Exadataエンジニアド・システムならではの最高レベルの Oracle Database パフォーマンス、スケール、可用性をOCIと同等の価格で利用できます。Exadata Database Service on Exascale Infrastructureは、Azure Marketplaceでプライベート・オファーによるカスタム見積もりまたは従量課金(PAYG)で購入できるため、お客様は柔軟な対応が可能です。また、購買が簡素化され、OracleおよびMicrosoftのライセンス、コミットメント、割引プログラムを活用できるというメリットもあります。
仮想マシン(VM)クラスタを使用して、VMあたり8ECPU、22GBのメモリ、300GBのインテリジェント・データベース・ストレージを搭載したVMを2台から小規模に始めることができます。 クラスタ内のコア数やVM数を簡単にスケールアップでき、必要なリソースが少なくなればスケール・ダウンできます。必要なときにすぐにコンピュート・キャパシティを利用できるように、わずかなコストでコアを予約できます。
利用を開始するには、AzureコンソールまたはAzure Marketplaceにログインし、Oracle Database@Azureに移動します。Exadata Database Service on Exascale Infrastructureを選択し、VMクラスタを作成します。
VMクラスタの詳細を指定
Azureコンソールで、Exascale VMクラスタの詳細からExadata Database Service on Exascale Infrastructureを簡単にプロビジョニングできます.

VMクラスタ名、リージョン、可用性ゾーン(AZ)を入力し、Grid Infrastructureのバージョンを選択します。 Exascale Database Storage Vaultは、共通のストレージ・プールから作成され、従量制のストレージ容量を提供します。 300GBからはじめ、データベースの成長に合わせて100TBまで拡張できます。 ストレージ・ボールトは、1つ以上のVMクラスタをサポートできます。
VMリソースを構成

クラスタ内のVM数とECPUメトリック(1コア=4ECPU)を使用したコアの数を指定します。 VMあたり最小8ECPUで、4ECPU単位で増やせます。 再起動なしで容量を拡張し、データベースの可用性を向上させるために、VMに追加のECPUを予約できます。 メモリは、有効なECPUごとに2.75GBが自動的に割り当てられ、コアを追加するごとにスケーリングされます。 最後に、データベース・バイナリとログ・ファイルをホストするために使用するVMファイル・システム・ストレージのストレージ容量を指定します。最小値はVMあたり280GBです。複数のOracle Databaseホームを同じVMにプロビジョニングできます。
Oracle Databaseを作成する際にOCIコンソールが表示されます。Create Databaseフローを使用して、Oracle Database 23aiを選択します。親OCIリージョンのAutonomous Recovery ServiceまたはOCIオブジェクト・ストレージを使用した自動バックアップ構成が選択できます。 オプションで、自動バックアップを開始する2時間のスケジュール・ウィンドウを指定することもできます。バックアップは、割り当てられた保持期間が過ぎると自動的に削除されます。

Oracle Databaseの移行
Oracle Database Service on Exascale Infrastructureでデータベースをプロビジョニングしたら、いくつかのユーティリティを使用してデータベースを移行できます。これらのユーティリティには、データベースの物理コピーを提供するOracle Data Guard、データベースを複製するGoldenGate、Oracle Database間でデータとメタデータのエクスポートとインポートを可能にするData Pumpなどがあります。これらのデータベース移行方法については、こちらを参照してください。
まとめ
Exadata Database Service on Exascale Infrastructure on Oracle Database@Azureを使用するとDedicated Infrastructureよりも低いインフラの最小コスト でOracle Exadataのメリットを享受できます。 Oracle Exadataのパフォーマンス、信頼性、可用性、セキュリティをより柔軟で俊敏なサービスで提供します。 オンプレミスのExadata環境とOracle Database機能とアーキテクチャの完全な互換性を維持したまま、アプリケーションの変更なく簡単にOracle Database Service on Exascale Infrastructure on Azureに移行できます。 Exadata Database Service on Exascale Infrastructureを導入するお客様に以下のメリットがあります:
- Azure上のデータ集約型アプリケーションのための強力なパフォーマンス、信頼性、可用性、セキュリティ
- クラウド上のExadataを最小限のインフラにすることでコストが非常に低い
- スケーラブルなプール済リソースを必要なときに必要な場所で柔軟にプロビジョニング
- 迅速かつ効率的な開発/テスト用のOracle Databaseクローンにより、開発者の生産性向上
Exadata Database Service on Exascale Infrastructureの詳細については、以下のリンクを参照ください。