この記事はSuraj Rameshによる”OCI Full Stack DR Support for Oracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructure (ADB-D) and Oracle Autonomous Database on Exadata Cloud@Customer (ADB- C@C)”の日本語翻訳版記事です。
2025年2月20日
Full Stack Disaster Recovery(FSDR)のDR保護グループのメンバーとして、Oracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructure(ADB-D)とOracle Autonomous Database on Exadata Cloud@Customer(ADB-C@C)がサポートされるようになりました。
今回の発表により、FSDRとADB-D、ADB-C@Cは完全に統合されるようになります。今回のブログではFSDRをADB-DとADB-C@Cで利用する方法をご紹介します。
Oracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructure(ADB-D)は、お客様に合った運用の制御と分離を実現するために2つの導入オプションを提供しています:
詳細については、ADB-D on OCIおよびADB-D on ExaCCのドキュメントをご参照ください。
ADB-DおよびADB-C@Cでは、Autonomous Data GuardをAutonomous Container Database(ACD)レベルで設定する必要があります。これは、FSDRでACDをDR保護グループに追加する前の前提条件です。
Autonomous Data Guardの設定方法の詳細については、Autonomous Data Guard ADB-DおよびADB-C@Cのドキュメントを参照してください。
この新しいサポートにより、ADB-DとADB-C@CのACDをFSDRの保護グループ・メンバーとして追加できます。
ADB-Dの場合は「Autonomous Container Database on Dedicated Infrastructure」、ADB-C@Cの場合は「Exadata Cloud@Customer Autonomous Container Database」を選択します。
ここからの手順は、ADB-Dから構成されたACD with Autonomous Data Guardを例としてご紹介していきますが、ADB-C@Cから構成されたACDでも操作手順は変わりません。
OCI Full Stack DRは、構成されるDRプランのタイプ(スイッチオーバー、フェイルオーバーなど)に基づいて、ACD用の組み込みプラン・グループとステップを自動的に生成します。
以下は、ADB-Dで実行するACDを既存のDR保護グループ・ペアに統合するために必要な手順概要です。
このブログでは、ADB-Dに新しく導入されたACDリソース・タイプのサポートに重点を置いているため、ACDに関連する必要なメンバーのみをデモします。理想的には、どのようなビジネス・システムでも、DR保護グループとプランにデータベースとともに、コンピュート、アプリケーション、ストレージ、ロード・バランサーなどのさまざまなコンポーネントを構成することです。
以下のリソースは、必要なロールで事前に作成されており、すぐに使用できる状態です。詳細については、OCI Full Stack DR、ADB-D on OCI、ADB-D on ExaCCのドキュメントを参照してください。
リソースタイプ | リージョン1 (Ashburn) | リージョン2 (Phoenix) |
Exadata VM Cluster | FSDR_IAD_ADBD_VM_cluster | FSDR_PHX_ADBD_VM_cluster |
ACD | FSDR_IAD_ACD02 | FSDR_PHX_ACD02 |
Data Guardのロール |
Primary |
Standby |
DRPG |
ADB-D-IAD |
ADB-D-PHX |
DRPGのロール |
Primary |
Standby |
このDRトポロジーのDRプランを作成してみましょう。
1. プライマリACDをADB-D-IAD DRPGに追加する
3. スタンバイACDをADB-D-PHX DRPGに追加する
4. ADB-D-PHX DRPGで追加されたメンバーを確認します
5. ADB-D-PHX DRPGでDR計画を作成します。FSDRでは、スタンバイ・ロールを持つDRPGでのみDRプランを作成できます。
6. FSDRにより、プレチェックとACDスイッチオーバーのための組み込みプラングループが作成されました。同様に、フェイルオーバーとドリル開始プランの詳細を確認します。
7.ここで、Switchover-IAD to PHXプランを実行し、ステータスをモニターしてみます。 数分後、Switchover-IAD to PHXプランの実行が成功したことが確認できました。
8. 切り替えが完了し、DRPGの役割が変更されたので、ADB-D-IAD DRPGでDRプランを作成できます。
9. ドリル・プランを実行した後、両方のDRPGで利用可能なすべてのプランが揃いました。
以下は、ADB-DとADB-C@Cデータベース計画グループのすべてのDR計画タイプの手順の要約です。
DR計画 |
計画グループ |
タイプ |
Switchover |
Autonomous Container Database – Switchover |
Built-in |
Failover |
Autonomous Container Database - Failover |
Built-in |
Start drill |
Autonomous Container Database - Convert to snapshot standby |
Built-in |
Stop drill |
Autonomous Container Database - Convert to physical standby |
Built-in |
OCI Full Stack Disaster Recovery(FSDR)は、Oracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructure (ADB-D) および Oracle Autonomous Database on Exadata Cloud@Customer (ADB-C@C) のビルトイン・サポートを提供します。これにより、ADB-DとADB-C@Cを使用する業務システムの復旧プロセスが、OCI内のアプリケーションやその他のコア・コンポーネントとともに、より簡単かつ効率的になります。
以下はFull Stack Disaster Recoveryの導入に役立つ追加リソースです。ぜひご活用ください。
日本オラクルでデータベースの製品担当をしています。