以前のブログ記事では、Valkeyプロジェクトをサポートすることと、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Cacheサービスの一部としてこのプロジェクトを提供する計画を表明しました。Redisが2024年3月にライセンスを改訂した後、Valkeyはオラクルを含むいくつかの主要なクラウド・ベンダーからの支援を受けてRedisの代替としてプロジェクトが開始され、オープンソースのBerkeley Software Distribution (BSD) 3ライセンスのもとで入手できます。ValkeyはRedis v7.2のフォークです。
Valkeyは、メモリの効率性とパフォーマンスの向上、追加機能(JSONやVectorの類似性検索など)の広範なサポート、およびアクティブなオープンソースコミュニティ支援により、採用事例が増えています。オープンソースのライセンスにより、Valkeyは多くの人気のあるLinuxディストリビューションにおいてデフォルトで利用可能であり、Valkeyによる開発が容易になります。オープンソースコミュニティはValkeyの改善に専念し、Valkey Glideによる標準化されたクライアントライブラリの開発などの分野に焦点を当てています。

このたび、OCI CacheでValkeyの一般提供を発表しました。

 

OCI CacheでValkeyに切り替える理由

OCI Cacheは、レスポンス時間を短縮を目的としたフルマネージド・キャッシュを提供します。アプリケーションやシステムの要件に基づいて、シャード・クラスタまたは非シャード・クラスタ(あるいはその両方)を使用し、ダウンタイムなしでクラスタおよびシャードを動的に拡張しながら、シンプルで競争力のある価格設定のメリットを引き続き享受できます。このたびOCI CacheクラスタにValkey 7.2エンジンを使用することを選択できるようになりました。OCI CacheのValkeyは、効果的な監視と可観測性に必要なツールを提供しながら、高可用性、大規模、分散型の環境を引き続きサポートしています。Valkey 7.2エンジンは、効率的なメモリ使用量に加え、パフォーマンスと耐障害性を向上させます。さらに重要なのは、最新のセキュリティ修正を提供することです。このような理由から、OCI Cacheで新しいValkeyエンジンを採用することをお薦めします。

 

OCI CacheのRedisからValkeyへの移行

ValkeyはオープンソースのRedisとのAPIの互換性を維持し、コード変更なしで既存のRedisアプリケーションをValkeyに移行できます。スムーズな移行により、環境を再構築する手間をかけずに、Valkeyのパフォーマンス上の利点を活用したい開発者やチームにとって魅力的な選択肢となります。

OCI CacheにValkey 7.2を使用して新しいクラスタを作成できます。また、すでにOCI CacheのRedis 7.0ベースのクラスタをご利用中の場合は、次に示すように、1クリックで簡単にValkey 7.2に移行できます。

Figure 1: OCI Console upgrade screen for your OCI Cache version
図1: OCIコンソールでのOCI Cacheのアップグレード画面

アップグレードは追加料金なしで行われます。Oracle Cloud Infrastructureは、RedisエンジンとValkeyエンジンの両方で、シンプルでわかりやすい価格設定を維持しています。他のクラウド・ベンダーとは異なり、コア数ではなく、メモリーサイズとノード数に基づいています。サービスの価格については、こちらを参照するか、こちらで見積もることができます。


今すぐOracle Cloudコンソールに移動して、新しいValkeyクラスタを起動するか、既存のRedisクラスタをアップグレードしましょう。Valkey 7.2がお客様のシステムにどのように役立つかについては、製品ページドキュメントをご覧ください。