本記事はDerik Harlow、Royce Fu、Murtaza Husainによる”Oracle Database@Azure deployments can leverage Database Management and Ops Insights for in-depth performance monitoring“の日本語翻訳記事です。
クラウド・コンピューティングは、あらゆる企業がビジネスを運営する際に頼りにできる動的でスケーラブルかつコスト効率に優れたプラットフォームを提供します。IT 環境は拡大し続けており、インフラストラクチャ・リソースは複数のクラウド・プロバイダーやオンプレミスに分散され、アプリケーション間でのパフォーマンスの一貫性に対する厳しい要件が課せられることがあります。
Oracle Database@Azure の展開では、Azure は Oracle Cloud Infrastructure (OCI) からストリーミングされた Oracle Database サービスのログ、メトリック、イベントの基本的な監視およびトラブル・シューティング機能を提供します。これらの基本的な監視機能ではパフォーマンスの低下が示される場合がありますが、包括的なエンドツーエンドのデータベースおよび SQL の監視と管理機能を求めるお客様は、Oracle の専用ツールを検討する必要があります。OCI Database Management および OCI Ops Insights サービスは、Oracle Database の管理を容易にし、詳細な監視情報を提供し、インフラストラクチャ・リソースの管理のオーバーヘッドを軽減する高度な機能を提供します。
OCI Database Management
- Oracle Database 群の主要なパフォーマンスと構成のメトリックを監視します。選択した期間にわたってデータベース・メトリックを比較および分析することもできます。
- パフォーマンス・ハブを使用すると、データベース・パフォーマンスをリアルタイムで表示できるため、パフォーマンスの問題を迅速に診断できます。
- AWR Explorer を利用して、AWR スナップショットからの履歴パフォーマンス・データをわかりやすいグラフで視覚化します。
- パフォーマンス管理には、SQL チューニング・アドバイザ、SQL チューニング・セット、SQL プラン管理、オプティマイザ統計などを活用します。
- ダッシュボードを使用して、データベースのパフォーマンス・メトリックを視覚化、調査、分析します。
OCI Ops Insights
- AutoML の容量計画と予測を活用して、主要なリソースの使用率を最適化し、リソースのボトルネックを事前に防止します。
- SQL Insights を使用して、フリート全体およびデータベース・レベルの SQL パフォーマンスを監視し、SQL パフォーマンスの異常を見つけたり、企業全体での SQL パフォーマンスの低下傾向を特定したりします。
- ADDM Spotlight を活用して、最も影響の大きいデータベース・パフォーマンス低下の原因を特定し、問題を効果的に軽減するための推奨事項を受け取ることで、データベース ・フリートの戦術的なパフォーマンス管理を実現します。
- 一連のデータベース全体のデータベース・パフォーマンス、診断、チューニングに関する AWR 統計を分析します。
- 毎週のニュース・レポートを作成して受信し、データベース、ホスト、Exadata システム全体の新たな使用率の高値、大きな使用率の変化、インベントリの変化の内訳を示します。
Database Managementは、クラウド内のデータベースを管理するための詳細かつ包括的なソリューションを提供します。
Database Management のフリート概要を利用すると、データベース・フリートの健全性をすばやく評価できます。主要なパフォーマンス・メトリック、短期的なリソースのトレンド分析、アラームの詳細が豊富な視覚化で提供されるため、データベース管理の労力を最小限に抑えることができます。リアルタイム監視も利用でき、パフォーマンス・ハブでは ASH 分析が提供され、データベース・アクティビティの詳細な分析情報が得られます。パフォーマンスが低下した場合は、パフォーマンス・チューニング・ツールをすぐに活用してサービス内で緩和できます。機能の詳細については、こちらのブログをご覧ください。Autonomous Databases で高度な監視が利用できるようになったため、Azure にデプロイされた ADB でも同じ機能を利用できます。
Ops Insightsは、クラウドでのデータベース管理のオーバーヘッドを最小限に抑え、労力を軽減するための強化されたツールを提供します。
Ops Insights は、ホストとデータベースのフリートの予測と容量計画を簡素化する強化されたツールを提供します。2年以上の使用データから得られた AutoML 駆動型の分析情報を活用して、インフラストラクチャの使用率を簡単に最適化し、コストを削減します。Ops Insights は、SQL Insights を使用して、データベース・フリート全体の詳細な SQL パフォーマンス分析情報も提供します。ADDM Spotlight は、データベース・パフォーマンスの問題を特定し、問題を効率的に軽減するための構成またはパフォーマンス強化を推奨します。これらの機能の詳細については、こちらのブログをご覧ください。
Oracle Database@Azure の監視をすぐに始められます。
オンボーディング・プロセスを進める前に、次の点を考慮してください。
- ネットワーク構成: プライベー・ エンドポイントが必要です。Database Management (DBM)、Ops Insights (OPSI)、および専用インフラストラクチャ上の Exadata データベース サービス (ExaDB-D) 間の通信を有効にするには、セキュリティ・リストまたはネットワーク・セキュリティ・グループを更新する必要があります。
- サービス権限: Database Management サービスの高度な監視機能と Ops Insights は、Oracle Database@Azure 契約には含まれていません。詳細な SKU 情報については、価格設定ドキュメントを参照してください。
これらのビデオ・シリーズを視聴することで、Database ManagementとOps Insightsのオンボーディングをすぐに始められます。
Oracle Database@Azure は、業界をリードする Oracle Database サービスのパワーと柔軟性を Azure エコシステムにもたらし、組織がシームレスなマルチクラウド・エクスペリエンスを活用できるようにします。堅牢な可観測性と管理機能を実装することで、企業は Oracle Database が環境全体で高いパフォーマンス、信頼性、セキュリティを維持していることを保証できます。OCI Database Management サービス、OCI Ops Insights、Azure ネイティブの監視機能などのツールを活用することで、組織はデータベースをリアルタイムで効果的に監視、診断、最適化できます。データベースの可観測性と管理に対するこの総合的なアプローチにより、運用が簡素化され、生産性が向上し、データに基づく意思決定が可能になるため、マルチクラウド戦略の不可欠な要素となります。