2026年6月のOracle Cloud Infrastructureのサービス・アップデートです。

マルチクラウド領域では、Oracle AI Database@Google CloudにおいてExaDB-XSとBaseDBが大阪リージョンで新たに利用可能になりました。これにより、Azure東日本・西日本、Google Cloud東京・大阪、AWS東京・大阪といった主要クラウドの国内リージョンにおいて、Oracle AI Database関連サービスの選択肢がさらに広がっています。既存アプリケーションを各ハイパースケーラー上に配置しながら、データベース基盤にはExadataやAutonomous AI Databaseを組み合わせる構成が取りやすくなり、レイテンシ、データ主権、BCP、既存クラウド投資の活用といった要件に柔軟に対応できます。

Oracle AI Database@AWSでは、米国リージョンでAutonomous AI Database Serverlessの提供が開始されました。専用のExadataインフラストラクチャやVMクラスタを事前にプロビジョニングすることなく、AWSマネジメントコンソール、AWS CLI、AWS APIからフルマネージドのOracle Databaseを利用できます。また、AWS上のアプリケーションとOracle Databaseを近接配置するマルチクラウド設計の実用性が高まっています。

インフラ領域では、移行、サポート、運用管理を中心に強化が進んでいます。Oracle Cloud Migrationsでは、移行プラン作成時にWindows VMのライセンス・タイプを「OCI提供」または「ライセンス持込み」から選択できるようになりました。これにより、移行後のインスタンスがOCI上でWindowsとして正しく扱われ、Windows VM移行時の手戻りや回避策を削減できます。

DB/AI領域では、Autonomous AI Database Serverlessを中心に、可用性、移行、セキュリティ、レイクハウス機能の強化が進んでいます。Autonomous Data Guardでは、ローカル・スタンバイ・データベースに対するゼロ・データ損失保護、つまりRPO=0の保護が提供されるようになりました。データ損失許容値を0〜3600秒の範囲で指定することもでき、ワークロードの重要度に応じた可用性設計が可能です。

レイクハウス機能では、Lake Cacheが強化されました。外部表全体ではなく列単位でキャッシュできるようになり、必要なデータのみを効率的にキャッシュできます。さらに、キャッシュ操作にデータベース・リソース・マネージャのコンシューマ・グループを指定できるようになり、対話型問合せへの影響を抑えながらキャッシュ処理を実行できます。CSVファイル上の外部表もLake Cacheの対象となり、外部データ活用の性能最適化が進めやすくなりました。

バックアップ・リカバリ領域では、Autonomous Recovery ServiceではOCI Recovery MCP Serverが発表されました。AIエージェントと連携し、保護されたデータベース一覧、保護ポリシー、異常検知、ストレージ利用状況、ダッシュボード生成などを自然言語で確認できます。バックアップやリカバリ運用を、画面操作中心からAI対話型の運用へ拡張する取り組みです。

事例・関連ニュースとしては、パルシステム生活協同組合連合会様が、宅配サービス基盤をはじめとした約50のシステムをオンプレミスからOCIへ移行した事例が紹介されています。東京・大阪リージョンにそれぞれ100台以上のアプリケーション・サーバーを配置し、データベースはData Guardによるマルチリージョン構成を採用することで、事業レジリエンスを強化しています。Exadata Database Service、Compute、Storage、Networkingを活用し、注文増加に応じてCPUリソースを自動増減させる運用により、安定性とコスト最適化を両立し、年間約20%の運用コスト削減を見込んでいます。

過去のサービス・アップデートは、こちらをご覧ください。
各サービスの詳細なアップデート情報は、ドキュメントをご覧ください。


Oracle Cloud Infrastructure:2026年6月度サービス・アップデート


Oracle Cloud Infrastructure:参考情報