こんにちは。日本オラクルのクラウド・ソリューション・エンジニアの小西です。
早くも2月に入り、明日は節分です。今年の恵方は北北西のやや北だそうですね。急いで豆も買ってきます。
さて、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では、基本的に隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは 前回に引き続き、OCIの新機能を見ていきましょう!
[Database] ADB-D on Exadata Cloud@Customer: スタンバイAutonomousコンテナ・データベースの自動フェイルオーバー
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ADB-Dで、ファスト・スタート・フェイルオーバー(FSFO)を利用して、プライマリAutonomousコンテナ・データベースの障害を自動的に検知し、指定されたスタンバイAutonomousコンテナ・データベースにフェイルオーバすることが可能になりました。
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自動フェイルオーバーはAutonomous Data Guard構成時のオプションです。Autonomous Data Guard構成時に有効化/無効化を指定できます。
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詳細
[Data Labeling] データ・ラベリング V2のリリース
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データ・ラベリング(Data Labeling)のV2リリースが利用可能になりました。次の新機能が含まれています。
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データセットのエクスポートは、1つのファイルに統合できます。
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画像データセットとテキストデータセットのエクスポートには、新しい形式を使用できます。
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テキストのネストされたNER注釈。以下3つの方法があります。
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マルチレベル – すでに注釈が付けられているテキストのサブテキストに最大15回注釈を付けることができます。
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複数 – 同じテキストに異なるラベルで最大4回注釈を付けることができます。
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オーバーラップ – オーバーラップするフレーズに注釈を付けることができます。
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Terraformを使用して、データラベリングを使用するようにテナンシーを構成できます。
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データセットの作成者は、レコードに注釈を付ける人に指示を与えることができます。
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レコードに注釈を付けるときに、データセットにラベルを追加できます。
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[Database] Exadata Cloud Service: Data Guardアソシエーション用のデータベース・アップグレードのサポート
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これまでアップグレード実行時にData Guardアソシエーションによって管理されているData Guard構成がある場合は事前に無効化する必要がありましたが、スタンバイを削除・再構築しなくても、Data Guardアソシエーションの一部であるExadataデータベースをアップグレードできるようになりました。
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Exadata Cloud Serviceで実行されているOracleデータベースのアップグレードの詳細: Upgrading Exadata Databases.
[Database] 仮想マシンDBシステム: データ・ストレージとリカバリー領域を個別にスケール可能に
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仮想マシンDBシステムでデータ領域とリカバリ領域のストレージを個別にスケールアップすることが可能になりました。
[Data Science] Accelerated Data Science v2.5.6 のリリース
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ADSDataset.to_hdf()内のstorage_optionsパラメータのサポート -
data_flow.create_app()内でoverwrite_scriptやoverwrite_archiveオプションを指定するためのエラーメッセージの修正 -
詳細:
[MySQL] MySQLサーバの手動アップグレード
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DBシステムのMySQLサーバのバージョンを手動でアップグレード可能になりました。
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この機能拡張により、ユーザーは個々のDBシステムをアップグレードするのに最適なタイミングをより柔軟に選択できるようになり、重要な本番システムが中断するリスクが最小限に抑えられます。たとえば、最初にテスト環境と開発環境でMySQLサーバーのバージョンをアップグレードしてから、後で本番環境に変更を適用できます。
[MySQL] メンテナンス・イベント後のMySQL簡易ステート管理
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MySQL Database Serviceは、メンテナンス・イベント後もDBシステムの以前の状態を保持するようになりました。これにより、メンテナンス開始時にDBシステムが非アクティブ状態になっている場合、メンテナンス完了後も同じ状態のままになるため、予想外の課金が発生しないように追加の自動化を実装する必要がなくなりました。
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メンテナンス開始前にアクティブ状態であったDBシステムは、メンテナンスが完了するとアクティブ状態に戻るため、ダウンタイムが可能な限り短くなります。
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詳細: Maintenance.
[APM] アプリケーション・パフォーマンス・モニタリングの新機能
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次の機能を備えたアプリケーション・パフォーマンス・モニタリングの新しいリリースが利用可能になりました。
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メトリック・グループとスパン・フィルターを使用して、メトリックに関するアラートを作成し、スパン・データに基づいてチャートに表示します。メトリック・グループは、アラートとチャート作成の目的で監視サービスにプッシュされるメトリックを定義しますが、スパン・フィルターは特定のスパンのセットを記述します。これらの機能により、さまざまな集約レベル(サービス、アプリケーション、環境、またはその他)を使用して、監視対象のアプリケーション層のスパンから収集された、すぐに使用可能なカスタムメトリックに関する詳細なアラートが可能になります。
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編集済みのout-of-boxクエリまたはカスタム・クエリをトレース・エクスプローラーに保存し、後で開いてトレース・データをフィルター処理します。これにより、特定の要件を満たす編集済みクエリまたはカスタム・クエリに簡単にアクセスできます。
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timeseriesキーワードを使用する場合は、トレースクエリに1分のポイントの時系列を指定します。
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クエリでヒストグラム関数を使用して、データをヒストグラムとして表示します。
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サブクエリとしてSelection句を使用して、クエリの残りの部分で検索されるトレースまたはスパンのセットを検索します。
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[Compute] クラスタ・ネットワークのインスタンス構成の更新
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インスタンス作成時に、クラスタ・ネットワークの基礎となるインスタンス・プールが使用するインスタンス構成を更新することが可能になりました。
[Data Flow] データ・フローで構造化Spark Streamingをサポート
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ストリーミング・アプリケーションは24時間を超えることが多く、数週間から数か月にも及ぶ可能性のある長期間の継続的な実行を必要とします。
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データ・フローでは、
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定期的なメンテナンスを可能にするために、Spark構造化ストリーミング用のSparkクラスターの正常なシャットダウンを実装します。
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Oracle Cloud Infrastructureストリーミングを使用します。
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Spark構造化ストリーミング・チェックポインティングを使用して、誤った計算結果を生成することなく、障害点から再開します。
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Spark UIおよびSpark History Serverへのアクセスを提供します。
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詳細については、データフローのドキュメントの Spark Streaming の章を参照してください。
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[Compute] プリエンプティブル・インスタンスの対応シェイプの追加
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これまではStandard.E3のみ対応していたプリエンプティブル・インスタンスが、VM.Standard.E2.1.Micro以外のすべてのVMシェイプでサポートされました。
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インスタンスの課金が通常の50%となる低コストな短期利用向けインスタンスがどのVMシェイプでもご利用いただけるようになりました。
[Database] Exadata Cloud Service: コンソールやAPIでData Guardの種類を選択可能に
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Exadata Cloud Serviceデータベースで、コンソールやAPIで新しいData Guardアソシエーションを作成するとき、Oracle Active Data Guardと通常のOracle Data Guardのどちらかを選択できるようになりました。既存のData GuardアソシエーションのData Guardタイプを変更することもできます。
[Data Science] データ・サイエンスのジョブ実行監視
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メトリック、アラーム、および通知を使用して、データサイエンスのジョブ実行の正常性、容量、およびパフォーマンスを監視できるようになりました。
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詳細:
[Data Science] Conda環境の追加と削除
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以下のconda環境が追加されました。
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The General Machine Learning for CPU and GPU on Python 3.7 conda環境:
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データ操作用のライブラリ、sklearn、xgboost、lightGBM、Keras(TensorFlowを使用)、およびOracle AutoMLによる監視付き機械学習が含まれます。これらの環境には、モデル説明可能性ライブラリ(Oracle MLX)も含まれます。スラグ名:
generalml_p37_cpu_v1generalml_p37_gpu_v1.
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以下のconda環境は Apache Log4j module内の重大な脆弱性 (CVE-2021-44228)のために削除されました。
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Parallel Graph AnalytiX 21.4 for CPU on Python 3.8 (version 1.0)
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Parallel Graph AnalytiX 21.3 for CPU on Python 3.8 (version 1.0)
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PySpark 3.0 and Data Flow CPU on Python 3.7 (version 2.0)
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PySpark 3.0 and Data Flow CPU on Python 3.7 (version 1.0)
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PySpark 2.4 and Data Flow CPU on Python 3.7 (version 2.0)
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PySpark 2.4 and Data Flow CPU on Python 3.7 (version 1.0)
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この環境のクローンを作成して公開されたconda環境を作成した場合は、脆弱性を修正することを強くお勧めします。
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詳細:
[Functions] Oracle Functions がDockerの代わりにPodmanのサポート
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Fn Project CLIバージョン0.6.12以降を使用する場合、Oracle FunctionsがDockerではなくPodmanを使用してファンクション・イメージを構築およびデプロイするように指定できるようになりました。
[Managed Cloud Self Service Platform] 自動CEMLI実行
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自動CEMLI実行を使用すると、Oracle E-Business Suite環境でのカスタマイズを簡単に管理できます。これらのカスタマイズは、CEMLI つまり configurations, extensions, modifications, localizations, and integrations(構成、拡張、変更、ローカリゼーション、統合)と総称されます。CEMLIが管理されていないと、メンテナンスコストの増加、パフォーマンスの問題、および計画外の停止につながります。
[Managed Cloud Self Service Platform] Managed Cloud Self Service Platformの新規リリース
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Managed Cloud Self Service Platformの新しいリリースが利用可能になりました。
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セルフ・サービスVMバウンスを使用すると、すべてのAPPSとVM、すべてのAPPSとDBとVMなどのサービスをバウンスできます。
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Oracle Managed Cloud Self-Service Platformでデータ修正ファイルを使用して次のことができます。
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データ修正ファイルのアップロード
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デプロイのためのデータ修正のスケジュール
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以上が本日の新機能ハイライトです。
DBシステムのデータとリカバリのストレージ領域を個別に拡張できるようになったのは便利そうですね。
今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います。
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