こんにちは。日本オラクルのクラウド・エンジニアの小西です。
4月になりました。ようやく桜も見られて季節の変化が感じられます。
さて、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」ではOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは、前回以降のリリースノートに掲載されているOCIの新機能を見ていきましょう!
[Ops Insights] Operations InsightsからOps Insightsへ名称変更
-
Operations Insights (オペレーション・インサイト)が Ops Insights に名称変更されました。
-
詳細:Ops Insights
[Monitoring] 1つのアラームに最大2つのトリガー・ルール
-
1つのアラーム内で、重要度に応じた2段階のアラーム生成が可能になりました。例えば、1つのアラーム内で、CPU使用率 80% で警告アラーム、95% でクリティカルアラームを出す、という設定が可能です。
-
詳細: Adding Trigger Rules to an Alarm.

[Monitoring] エージェント構成を使用したカスタム・メトリックが利用可能に
-
従来のAPIを使用したPush型でのカスタム・メトリック生成の方法に加え、新たにエージェント構成を使用したPull型の方法が登場しました。
-
統合モニタリング・エージェントが、Loggingのカスタム・ログだけでなく、Monitoringのカスタム・メトリックも収集するように変更され、Prometheus形式のHTTPエンドポイントを使用して、仮想マシン(VM)からメトリックを公開することができます。
-
詳細: Managing Agent Configurations.

[MySQL HeatWave] Read Replicasを使用した高可用性DBシステムおよびDBシステムのシェイプおよび構成の変更
-
高可用性を無効にせずに、高可用性DBシステムのシェイプおよび構成を変更できるようになりました。すべての読取りレプリカを削除せずに、読取りレプリカがあるDBシステムのシェイプおよび構成を変更することもできます。プロセスは、スタンドアロンDBシステムのシェイプおよび構成の変更に似ています。
[Database Management, MySQL HeatWave] データベース管理でのHeatWaveクラスタのモニター
-
データベース管理を使用して、MySQL HeatWave DBシステムに接続されているHeatWaveクラスタを監視し、HeatWaveクラスタのヘルス、容量およびパフォーマンスに関する迅速なインサイトを取得できるようになりました。これは、MySQL HeatWave DBシステムの既存のデータベース管理機能に追加となります。
[OKE] Kubernetes version 1.29.1のサポート
-
Container Engine for Kubernetesでは、バージョン1.28.2および1.27.2に加えて、Kubernetesバージョン1.29.1がサポートされるようになりました。Oracleでは、Kubernetes環境をバージョン1.29.1にアップグレードすることをお薦めします。
-
Kubernetes 1.29.1の詳細: Kubernetes Changelog.
[Object Storage] オブジェクト・ストレージのオブジェクト・レベルのきめ細かいアクセス制御
-
これまでオブジェクト・ストレージではコンパートメントやバケット単位での権限設定しかできませんでしたが、オブジェクト単位(オブジェクト名または接頭辞によるグループ)で条件指定し、より細かなアクセス制御が可能となりました。
-
新規のIAMポリシー変数:target.object.name
-
IAMポリシー例
-
groupAグループに、bucketAバケット内のprodフォルダのオブジェクト(= 接頭辞 prod/ がついたオブジェクト)への読取り専用アクセスを許可
ALLOW group groupA TO manage objects IN TENANCY where all {target.bucket.name = 'bucketA', target.object.name = 'prod/*', any{request.permission='OBJECT_INSPECT', request.permission='OBJECT_READ'}} -
特定のユーザーに、bucketAバケット内の .pdf で終わるオブジェクトへのすべてのアクセスを許可:
ALLOW any-user TO manage objects IN TENANCY where all {target.bucket.name = 'bucketA', target.object.name = '*.pdf', request.user.id='ocid1.user.oc1..exampleuniqueID'}
-
[Email] HTTPS Submitを使用した電子メール送信
-
OCI Email Deliveryは高速で信頼性の高いマネージド・ソリューションで、安全で大量のマーケティングのトランザクション電子メールを配信できます。これまではSMTPでの送信のみがサポートされていましたが、Hypertext Transfer Protocol Secure (HTTPS)インタフェースを使用して送信できるようになりました。
[Database] Base Database: リージョンをまたいでバックアップをリストアしてデータベース作成
-
既存のバックアップを使用してリストアし、Object StorageまたはAutonomous Recovery Serviceで作成されたバックアップを使用して、同じリージョンまたは別のリージョン内の可用性ドメイン間でデータベース(アウトオブプレース・リストア)を作成できるようになりました。
-
ホストベースのウォレット(ローカル・ウォレット)またはOCI Vaultを使用して構成されたデータベースに対して作成されたバックアップをリストアすることもできます。
[Language] Language 3.0 のリリース
-
Language 3.0の拡張機能は次のとおりです。
-
ドキュメント翻訳(Document Translation):ある言語から別の言語へのドキュメントの簡単で効率的な翻訳が可能になります。
-
非同期ジョブ(Async jobs): OCI Languageで非同期ジョブを実行できます。非同期ジョブはバックグラウンドで実行され、即時レスポンスは必要ありません。
-
非同期ジョブ用のAPIs
-
-
[OS Management Hub] OS管理ハブの新リリース
-
このリリースには、次の不具合修正が含まれています。
-
一部のスケジュール済ジョブが2回実行される原因となった問題を修正しました。
-
-
OS管理ハブ・サービスの詳細:OS Management Hub.
[Data Science] データ・サイエンスでAIクイック・アクションが利用可能
-
AIクイック・アクションにより、厳選された基盤モデルのリストを簡単に参照し、データ・サイエンス・ノートブック内でデプロイ、微調整および評価できます。アクティブなノートブック・セッションがある場合は、AIクイック・アクションにアクセスするには、ノートブックを非アクティブ化して再アクティブ化する必要があります。
-
詳細: AI Quick Actions
[Database Migration] データベース移行の新機能
-
データベース移行サービス接続、移行、ジョブ・リソースのライフサイクル状態遷移イベント、またはフェーズ状態遷移などのより詳細なカスタム・イベントに基づいて、ストリーミングまたはファンクション・サービスを介して通知を取得したり、他のアクションを実行するためのルールを設定できるようになりました。
-
お客様は、データベース移行サービスのイベントおよびメトリックに基づいて通知を取得するルールを作成できるようになりました。この機能を使用すると、アラートを迅速かつ便利に設定し、移行の変更を通知できます。これには、移行、接続またはジョブの状態の全体的な変更と、さらに粒度を上げるためのオプションの条件が含まれます。
-
詳細:What’s New for Oracle Cloud Infrastructure Database Migration.
以上が本日の新機能ハイライトです。
今後も引き続き新機能をお伝えしていきたいと思います。
関連情報
