この記事はIlam SivaによるOracle True Cache: Learn about Cache Warmupを日本語に翻訳したものです。

2025年3月7日


最適に動作するキャッシュは、高性能アプリケーションにとって重要な要素です。しかし、キャッシュの起動時には、キャッシュ・ミスによるレイテンシの増加がアプリケーションにとって課題となる可能性があります。キャッシュ・ウォームアップによって、この問題をより適切に処理する方法を学びましょう。

Oracle True Cache – 開発者フレンドリーなユニークなキャッシュ

True Cacheを初めて利用する読者のために、簡単におさらいします。 Oracle True Cacheは、Oracle Database用のインメモリで一貫性のある自動管理キャッシュです。 True Cacheは、データベース用のSQLキャッシュであると同時にキーバリュー(オブジェクトまたはJSON)キャッシュでもあります。 Oracle Databaseのすべてのオブジェクトと型をキャッシュします。True Cacheは、ほぼディスクレスであること以外は、プライマリ・データベースの完全な機能を持つ読み取り専用のレプリカです。 True Cacheの最も優れた機能の1つは、自動管理です。アプリケーション開発者がキャッシュ層のキャッシュを管理したり、キャッシュの一貫性やキャッシュ内のアイテムの有効期限を管理したりする手間を省くことができます。これらはすべて管理されており、アプリケーション開発者の生活を本当に楽にしてくれます!

キャッシュはなぜコールド状態なのか?

まず、キャッシュ・ヒットとキャッシュ・ミスの意味を確認しましょう。

キャッシュ・ヒットは、システムがキャッシュ・メモリー(この場合はTrue Cache)からデータを正常に取得できたときに発生します。このためには、データが既にキャッシュ内に存在し、高速にアクセスできる必要があります。これは望ましいシナリオであり、キャッシュのメリットを活かしてアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。また、クエリーのオフロードやプライマリ・データベースへのリクエスト数を減らすことにも役立ちます。

キャッシュ・ミスは、要求されたデータがキャッシュ内に見つからない場合に発生し、システムはプライマリ・データベースからそのデータを取得することを余儀なくされます。その結果、パフォーマンスが低下し、プライマリ・データベースに負荷がかかります。

さて、キャッシュが最初に起動すると、キャッシュはコールド状態です。起動時のキャッシュがコールド状態とは、システムまたはアプリケーションが最初に起動した時、そのキャッシュが空であり、すぐに利用できるデータが保存されていない状態を意味します。 キャッシュが空であるため、すべてのリクエストは元のデータソース(プライマリ・データベース)に送信される必要があり、レスポンスタイムに顕著な遅れが発生します。

ウォームアップ期間

True Cacheがリクエストを受け取り始めると、頻繁にアクセスされるデータで徐々にキャッシュが埋まっていき、キャッシュが効率的になるにつれて、コールドからウォーム、そして最終的にはホットへと移行していきます。

キャッシュ・ウォーミングが重要なのはどうしてか?

キャッシュの事前読み込み:システムが実際のアプリケーション・トラフィックにさらされる前に、頻繁にアクセスされるデータを事前にキャッシュに読み込みます。このキャッシュ・ウォーミングは、頻繁にアクセスされるコンテンツをキャッシュに事前に読み込むすことで、アプリケーションのパフォーマンスを最適化するために使用される概念です。これにより、データはTrue Cacheですぐに利用可能になり、アプリケーションやユーザーへのデータ提供時間が短縮されます。その結果、より高速で効率的なユーザーエクスペリエンスが実現します。

アプリケーションがデータを要求すると、True Cache、プライマリ・データベース、またはその両方からデータが取得されます。データがキャッシュに存在しない場合、システムはプライマリ・データベースからデータを取得する必要があり、時間がかかる場合があります。データの取得に時間がかかればかかるほど、アプリケーションは遅くなり、ユーザーエクスペリエンスや処理スループットへの影響が大きくなります。キャッシュ・ウォーミングは、頻繁にアクセスされるコンテンツをキャッシュに事前に読み込んでおくことで、この問題を解消し、アプリケーションやユーザーが常にアクセスできるようにします。

Oracle True Cache

キャッシュ・ウォーミングのメリットは何か?

  1. データ・アクセス時間の高速化:キャッシュ・ウォーミングは、キャッシュを事前に読み込むことで、最初のキャッシュ・ミスに伴うレイテンシを削減します。この戦略によりキャッシュ・ヒット率が向上するため、データはより速くアプリケーションに提供され、より高速でシームレスなアプリケーションとユーザー・エクスペリエンスを実現します。
  2. プライマリ・データベースの負荷軽減:データをキャッシュすることで、プライマリ・データベースへの負荷が軽減され、リソースが解放され、アプリケーションとシステムの全体的なパフォーマンスが向上します。
  3. スケーラビリティの向上:True Cacheは、アプリケーションの全体的なスケーラビリティの向上に役立ちます。実際、複数のTrue Cacheインスタンスを導入して、より高いスケーラビリティを実現することもできます。
  4. ユーザー・エンゲージメントの向上とアプリケーションSLAの達成:より高速で効率的なアプリケーションは、ユーザーのエンゲージメントを維持し、可用性も向上させます。
  5. キャッシュの最適な使用:この戦略では、頻繁にアクセスされるデータでTrue Cacheをウォームアップすることにより、True Cacheスペースの使用を最適化し、貴重なリソースがアプリケーションの使用に最も役立つデータに使用されるようにします。

結論

True Cacheのウォーミングは、アプリケーションのパフォーマンスを最適化する効果的な手法です。頻繁にアクセスされるデータをキャッシュに事前に読み込んでおくことで、システムはクエリーにより速く応答できるようになり、その結果、より合理的で効率的なアプリケーション・エクスペリエンスを実現します。キャッシュ・ウォーミングを手動で実装する(クエリーを手動で実行する)場合でも、カスタムツールやスクリプトなどの自動化を使用してプライマリ・データベースのフロントエンドとなるキャッシュをウォーミングする場合でも、キャッシュ・ウォーミングのメリットは明らかであり、その努力に見合うだけの価値が十分にあります。

より詳細な情報:
True Cacheホーム: https://www.oracle.com/jp/truecache
ユーザー・ガイド: Oracle True Cacheユーザーズ・ガイド
Live Labs: アクセス方法True CacheのLiveLabs
ビデオ: プレゼンテーション動画