※ 本記事は、Greg Pavlikによる”Oracle’s generative AI strategy“を翻訳したものです。
2023年7月19日
人工知能(AI)は、人が世界と関わる方法を根本的に変えつつあります。この変化は、新しいAIテクノロジーを活用したいと考える組織に、チャンスと課題の両方をもたらしています。この概念は、ジェネレーティブAIの領域において特に顕著です。ジェネレーティブAIモデルは、多くのソースから知識を吸収し、それを利用してタスクを自動化することで、人間の創造性と生産性を高めてくれます。AIを使用することで、組織はドキュメントの要約、表の作成、価値あるテキストの新規作成、コードの生成、アイデアの集約などを実行できます。
多くのベンダーがこの分野でいち早く動き出そうとしている一方、企業顧客のジェネレーティブAIに関する具体的なニーズにエンドツーエンドで対応しているベンダーはありません。
エンタープライズに特化したオラクルの戦略
オラクルの戦略は、企業が3つの異なる領域でAIに関与するという事実に基づき構築されています。その領域とは、インフラストラクチャ、モデルとサービス、そしてアプリケーションです。
まず、オラクルはモデルを大規模にトレーニング・提供するための堅牢なインフラストラクチャを提供しています。オラクルは、NVIDIAとのパートナーシップを通じて、超低レイテンシRDMA over Converged Ethernet (RoCE)ネットワークで接続された最新のGPUを搭載したSuperclusterをお客様に提供できます。このソリューションは、ジェネレーティブAIモデルを大規模にトレーニングするための、高いパフォーマンスとコスト効率を実現します。現在、AdeptやMosaicMLのような多くのAIスタートアップ企業が、製品を構築にOCIを活用しています。
2つ目に、オラクルは、フルマネージドの実装環境で簡単に利用できるように設計されたクラウド・サービスを、開発者や科学者に提供しています。弊社は、エンタープライズ・クラスの大規模言語モデル（LLM）を提供するジェネレーティブAIのリーディング・カンパニーである、Cohereとのパートナーシップを通じて、新しいジェネレーティブAIサービスとビジネス機能を実現しています。オラクルは、Cohereとのパートナーシップを通じて、新しいジェネレーティブAIサービスを構築しています。近日公開予定のオラクルの新しいAIサービス、「OCI Generative AI」は、OCIのお客様がシンプルなAPIを通じて、自社のアプリケーションやワークフローにジェネレーティブAI機能を追加できるようにします。
3つ目に、オラクルは、ビジネス・ユーザーが毎日使用するアプリケーションやワークフローにジェネレーティブ・モデルを組み込んでいます。オラクルは、CohereのジェネレーティブAIをFusion、NetSuite、およびオラクルの業種向けsoftware-as-a-service (SaaS)ポートフォリオに組み込むことで、ジェネレーティブAIのフルパワーを組織に即座に提供できるソリューションを構築する予定です。オラクルは、ジェネレーティブAIベースのネイティブ機能をさまざまな業界に提供することで、主要なビジネス機能の自動化、意思決定の改善、カスタマー・エクスペリエンスの向上を支援します。例えば、ヘルスケアでは、Oracle Cernerは数十億件の電子健康記録(EHR)を管理しています。オラクルは、患者の退院サマリーや医療保険の承認書の自動生成などヘルスケア領域に特化したジェネレーティブ・モデルを、匿名化されたデータを使用して作成することができます。
オラクルが提供するジェネレーティブAIサービスは、アプリケーションからインフラストラクチャまで幅広く、最高レベルのセキュリティと、パフォーマンス、効率性、そして価値を提供します。
ジェネレーティブAIにおけるオラクルの特徴
現在、多くの大手クラウド・プロバイダーがジェネレーティブAIの提供を開始しています。その中でも、オラクルが最適なジェネレーティブAIを提供できる理由は何でしょうか。例えば、世界で最もビジネス・クリティカルで価値あるデータを保存してきた歴史や、 最新のデータ・プラットフォーム、低コストで高性能なAIインフラストラクチャを有するなど、明確な特徴もあります。
しかし、その他にも、オラクルが提供するジェネレーティブAIが、企業での使用に最適なものであるという主張を裏付ける要素があります。オラクルは、クラウドとオンプレミス間のデータ移行や、ビジネス・アプリケーションへの容易な導入、セキュリティ対策、データ・プライバシー、そして最適なLLMの組み込みなどのアプローチによっても、企業の成功に貢献することができます。
パワフルかつ高パフォーマンスのモデル
オラクルは、独自のデータと業界知識を活用して、お客様の組織にとって最適なモデルを作成します。オラクルは、Cernerの買収やビジネス・アプリケーション・スイートでの経験を活かして、さまざまな業界に特化した専門モデルを当社のSaaSソリューション向けにトレーニングしています。また、オラクルのアプローチでは、お客様は独自のデータを使用してこれらの構築済みモデルをさらに改良できるため、モデルがお客様のビジネスを適切に理解できるようになります。
比類のないデータ・セキュリティ、プライバシー、およびガバナンス
お客様は、独自のデータを使用して事前構築されたジェネレーティブAIモデルを改良およびトレーニングできます。また、オラクルは、お客様のデータを完全かつ継続的に保護します。他のジェネレーティブAI製品とは異なり、オラクルのジェネレーティブAIは、顧客データを混在させません。お客様がトレーニングしたモデルはお客様固有のものであり、データの出所と系統にアクセスするためのツールが利用可能です。また、オラクルはデータ・プライバシーとデータ主権も保護します。
組み込みのジェネレーティブAIサービス
オラクルは、CRM、ERP、HCM、CX、EMRアプリケーションなど、クラウド・アプリケーションのポートフォリオ全体にAIを統合し、組み込んでいます。さらにオラクルは、機械学習(ML)機能をOracle Database ServiceやMySQL HeatWaveに組み込んだのと同様に、ジェネレーティブAI機能をデータベース・ポートフォリオに組み込む予定です。
お客様が必要とする場所で利用可能なジェネレーティブAI
お客様は、Oracle Cloud Infrastructure (OCI)上で近日提供開始予定のオラクルのOCI Generative AIサービスを利用し、パブリック・クラウドのあらゆるメリットを享受できます。例えば、使用量に応じた支払いや、オンデマンドでの拡張、モデルのカスタマイズ、プライベート・モデルのエンドポイントの作成などが可能です。
オラクルはまた、OCI Dedicated Regionなどのクラウド導入オプションにより、AIスタック一式を企業のデータセンターに提供することも可能です。これにより、企業は、オンプレミスのデータやアプリケーションとジェネレーティブAI機能を組み合わせることができます。
AI革命の担い手となる
オラクル会長兼CTOのラリー・エリソンがFY23第4四半期の決算説明会でも強調したように、AIが中心的な役割を果たすテクノロジー革命が幕を開けようとしています。オラクルの描く世界は、AIモデルが人間を支援する世界です。AIモデルは、企業データからインサイトをより迅速に抽出し、人間の創造性を向上させ、人間中心のインターフェイスを実現することで、我々が現実世界の問題を解決できるよう支援してくれます。オラクルは、お客様にもぜひこの取り組みの一員となっていただきたいと考えています。
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