※本ページは、”Advantages of Exadata Exascale“の翻訳です。
(訳注:本記事は主にオンプレミス環境のExascaleでの内容になります。Exadata Cloud 環境の Exascale 環境では同等の機能がお客様が意識しないレイヤーで実装されています)
Exadata Exascaleは2024年に開始され、2008年のExadataのデビュー以来使用してきたASM (自動ストレージ管理)アーキテクチャよりも大きなメリットをもたらします。Exascale上でOracle Database 23aiを実行すると、23aiでのAIベクトル検索やJSONリレーショナル二面性など、300を超える新しいデータベースの機能が利用可能になります。Exadata Exascaleは、Exadataとクラウドの長所を組み合わせたものです。

より効率的な領域使用量
Exascaleは、ASMで利用していたDATAおよびRECO用の個別のディスク・グループ(およびオプションのSPARSEディスク・グループ)ではなく、すべてのストレージを単一のプールに配置します。従来のストレージのサイロが分離された方式は、ストレージの割り当てを変更するのに時間がかかりました。Exascaleストレージはプール・ストレージであるため、管理が簡単になりました。
管理の重複を排除
ASMでは、RECO用のASMディスク・グループを作成し、RECOディスク・グループを使用して各データベースにFRA (Fast Recovery Area)を定義しました。Exascale環境では、FRA領域などのリカバリ・データを保持するための個別のRECOディスクグループを必要としないため、データベースごとに多少の重複作業が排除されます。ASMでは、RECOディスクグループのサイズを設定してから、データベースごとにFRAのサイズを設定しました。Exascaleでは、お客様はFRAのサイズを設定するだけで済みます。
セキュリティとリソース管理のためのボールト
Exascaleストレージ・プール内には、セキュリティ分離およびリソース制御を提供する論理構造であるExascaleボールトがあります。複数のExascaleボールトを任意に設定することが可能で、Exascaleボールトをさらに追加してリソース制限を変更することは迅速かつ簡単に設定出来ます。それぞれのExascaleボールトには、次の制限を設定することができます。
- ストレージ領域
- IOPS
- XRMEMキャッシュ
- フラッシュキャッシュ
これらのコントロールにより、管理者はあるテナントが別のテナントに影響を与えないようにできます。つまり、「ノイジー・ネイバー」の問題を防ぐことができます。この「テナント」とは、1つ以上のデータベースを含む仮想マシン・クラスタを指します(詳細は後述)。
小さな環境からとても大きな環境までスケールが可能
Exascaleでは、テナントのストレージをギガバイトからペタバイトまでスケーリングできるため、ASMストレージを使用するExadataよりもはるかに広い範囲が提供されます。最小のExadataシステムでは、各ストレージ・サーバーのDATA用に約52TBのストレージ(トリプル・ミラーリングを使用)が提供され、少なくとも3台のストレージ・サーバー(少なくとも150テラバイトのストレージ)があります。テナントの最小ストレージを300 GBまたは1 TBのサイズに設定した場合、テナント(VMクラスタ)の数が非常に迅速に増加する方法を簡単に確認できます。
コンピュートとストレージの分離
ASMでは、各コンピュート・サーバーで実行されているソフトウェアを使用して、記憶域の割当ておよびアクセスを制御します。このアーキテクチャは、コンピュートとストレージの密接な結合を生み出します。Exascaleは、この結合を排除し、コンピュートとストレージの分離を改善し、ストレージ管理をこれまで以上にシンプルかつ柔軟にします。
データベース対応のシン・クローン
シン・クローンは、変更が行われるまで領域を消費しないデータベースのコピーです。「データベース対応」とは、個別のユーティリティを使用するかわりに、単一のDDL (データ定義言語)コマンドで作成できることを意味します。データベースのコピーを迅速かつ簡単かつ効率的に作成できます。
複数世代- ディスク・サイズの混合
ディスク容量は、あるハードウェア世代から次の世代へと大きくなることがよくあります。ASMでは、同じサイズのディスク・スライスが必要です。新しい世代のストレージを使用して古いシステムを拡張可能ですが、新しい世代のストレージの余分な領域を未使用領域として無駄にするか、追加された新しい世代のストレージの領域だけで追加のディスク・グループを作成して利用することになります。ディスク・グループを増やすと、容量がサイロ化され、複雑さが増します。Exascaleでは、ストレージを同じプールに配置するだけで、領域を犠牲にすることなく拡張ができます。
共有ストレージ上のVMイメージ
仮想マシンのストレージには、ブート・ボリューム、Oracle Databaseホーム(ソフトウェア)および実行中のVMのその他のコンテンツが含まれます。従来のExadataは、各データベース・サーバーにVMイメージを配置していました。Exascaleを使用すると、VMストレージをExascaleストレージ上に一元化し、柔軟性、効率性および管理の容易性を高めることができます。
事実上無制限のVMストレージ
Exadataの共有ストレージと比較して、各VMに必要な領域の量は比較的少なくなります。VMストレージをExascale共有ストレージに移動すると、ほとんどのデプロイメントで必要となるよりもはるかに多くのVM領域を提供することが可能になります。共有ストレージのサイズは非常に大きく、簡単に拡張できるため、すべての実用的な目的のために、VMストレージの量は本質的にExscaleでは問題になりません。
大量のVM(テナント)への対応
従来のExadataは、各Database Serverに収容可能な仮想マシンの数が、4 VM、8 VMまたは12 VMに制限されていますが、Exascaleによってその制限が大幅に増加しています。お客様がリクエストした最大数はデータベースサーバー毎に25VMだったため、初期制限として倍の50 VMにしました。我々はこの制限が安定していることを確認したいので、我々は地面にステークを入れて、それを50と呼んだ。「盤石である」ことの1つのポイントは、サーバー起動時に合理的な時間内に起動することが可能であること、です。
高性能RDMA対応ストレージ
Exascaleのすべてのストレージは、データベースまたはVMイメージに使用されているかどうかにかかわらず、RDMAが有効になっています。利点はパフォーマンスです。RDMAは、非常に低レイテンシで高速なアクセスのためにソフトウェアで使用されるプロトコルです。これは、Exadataに固有のものです。Oracle DatabaseソフトウェアはRDMAコールを実行し、Exadataにのみ実装されています。
結論
Exascaleは、Exadataの次世代ソフトウェア・アーキテクチャです。データベースと仮想マシンにメリットがあり、XS(Extra Small)からXL(Extra Large)までほぼすべての次元で拡張できます。詳細については、https://www.oracle.com/jp/database/technologies/exadata/exascale/をご覧ください。
