この記事はDileep ThiagarajanLeo AlvaradoによるModernize Your Disaster Recovery Strategy: Multiple Standby databases with Data Guard on Oracle Cloudを日本語に翻訳したものです。

2026年5月7日


ミッション・クリティカルなデータベースに対するレジリエンシへの期待が高まり続ける中、組織には基本的な災害復旧にとどまらないソリューションが必要です。インフラ障害やリージョン規模の中断に備えるには、日常業務に影響を与えることなく、厳格な復旧目標時点(RPO)および復旧目標時間(RTO)を満たすアーキテクチャが求められます。

これが今、より重要である理由

近年の世界的な混乱は、組織が災害復旧(DR)システムを構築、テストし、迅速に対応できる状態にしておくことで、より十分に備えられるという重要な教訓を示しています。Oracle Exadata Database ServiceおよびBase Database Serviceは、Oracle Data Guardによる複数のスタンバイ・データベースをサポートすることで、このニーズに対応します。Oracle Data Guardは、リアルタイム同期、シームレスなロール移行、最小限のデータ損失またはデータ損失ゼロによって、業界をリードするデータ保護を提供し、組織のリスクを低減し、継続的な運用を維持できるようにします。この機能により、お客様は単一のスタンバイに依存するのではなく、異なる場所に複数の同期されたスタンバイ・データベースをデプロイして、レジリエンスを強化できます。ローカル・スタンバイは通常のインシデントに対する迅速なフェイルオーバーを提供し、追加のリモート・スタンバイ・データベースはより大規模なリージョン障害からの保護に役立つため、幅広いシナリオにわたってビジネス継続性を支援します。

これらのスタンバイ・データベースは、単にコピーを受け取るだけではありません。Active Data Guardにより、お客様はレポート作成、分析、バックアップなどの読取り専用ワークロードをスタンバイ・データベースにオフロードできます。同時に、スタンバイ・データベースはプライマリ・データベースからの変更とリアルタイムで同期されるため、プライマリの負荷が軽減され、プライマリは重要なトランザクション処理に集中できます。これにより、全体的な効率と投資対効果が向上し、推奨されるベスト・プラクティスとして、プライマリのバックアップを別途維持できます。

複数のスタンバイは、メンテナンスとテストも簡素化します。ソフトウェア・アップデートなどの操作を、まずスタンバイ・データベースで実行してからプライマリで実行できるため、ダウンタイムを最小化または完全に排除できます。さらに、Data Guardのスナップショット・スタンバイ機能を使用して、スタンバイを一時的に読み書き可能な環境に変換できます。これにより、チームは実データに対して変更内容を検証し、その後安全に元に戻してプライマリと再同期することができます。

高可用性、運用上の柔軟性、効率的なリソース利用を組み合わせることで、複数のスタンバイ・データベースは、最新の常時稼働型ミッション・クリティカルなエンタープライズ・アプリケーションをサポートするよう設計された、レジリエントで分散されたデータベース基盤を提供します。

複数スタンバイのための効率化された自動化

Oracle Cloudは、複数のスタンバイ・データベース向けに非常にシンプルで管理された自動化機能を提供することで、Data Guardを強化します。お客様はOCIコンソールに加え、API、SDK、Terraformを使用して、複数のローカルおよびリモートのスタンバイ・データベースを構成および管理できます。OCIによる自動化とガイド付きワークフローにより、Data Guardの設定と管理はシンプルかつ容易になり、複数のスタンバイ・データベースのプロビジョニングと運用で通常必要となる手動の手順が不要になります。

複数のスタンバイ・データベースはData Guardグループに編成されます。これは、複数のスタンバイ・データベース全体にわたる構成およびライフサイクル操作を簡素化する自動化モデルです。このモデルでは現在、リージョン内またはリージョン間で、プライマリ・データベース1つにつき、最大6つのスタンバイ・データベースをサポートしています。これにより、単純なプライマリ/セカンダリ・モデルを超えた拡張性の高い設計が可能になります。

一般的な構成は次のとおりです。

  • インフラストラクチャ障害発生からの迅速なリカバリを目的とした1つのローカル・スタンバイ(同一リージョン)
  • 災害復旧やリージョン間の事業継続性を確保を目的とした1つのリモート・スタンバイ(異なるリージョン)
ユーザーがスタンバイ・データベースの追加を開始できるOracle CloudコンソールのData Guardアソシエーション・ページ
複数のスタンバイ・データベースを構成し、高可用性と災害復旧を実現するためにローカル・リージョンとリモート・リージョンを組み合わせたOracle Data Guardグループの構成

主なポイント 

Oracle Exadata Database ServiceおよびBase Database ServiceでOracle Databaseを実行しているお客様にとって、複数のスタンバイ・データベース向けData Guardの自動化は、より強力で柔軟な高可用性および災害復旧体制を実現します。これにより、次のことが可能になります。

  • 可用性ドメインおよびリージョン全体にわたる地理的レジリエンス
    • 複数のスタンバイ構成により、障害ドメイン間での分離が可能になります。たとえば、ローカルの高可用性とリージョンに対する災害復旧を組み合わせることができます。各スタンバイは、特定のリカバリ要件およびレイテンシ要件を満たすよう構成できます。
  • 計画されたイベントと計画外のイベントの両方に対応できる柔軟なロール移行
    • 管理者は、単一の事前定義済ターゲットに依存するのではなく、状況に最適なスタンバイに対してスイッチオーバーまたはフェイルオーバーを実行できます。
  • レポート作成およびバックアップ向けのパフォーマンスを考慮したオフロード・オプション
    • スタンバイを使用して、レポート作成、分析、バックアップなどの処理をオフロードすることで、プライマリの負荷を軽減できます。
  • リージョン間で一貫した災害復旧準備
    • 対称型アーキテクチャにより、各リージョンが単なるバックアップとして機能するだけでなく、本番環境にも対応できる状態を確保できます。これにより、リージョン障害時のリスクが軽減され、フェイルオーバー後の保護レベルの不均衡を防ぎ、拠点間で一貫した災害復旧に関するコンプライアンス要件を満たすことができます。
  • リスクを低減したアップデートおよび移行の簡素化
    • 管理者は、より新しいインフラストラクチャ上に新しいスタンバイ・データベースを作成し(たとえばOracle Exadata X9MからOracle Exadata X11Mへの移行)、プライマリとの同期を維持し、準備が整った時点でスイッチオーバーできます。これにより、移行中のフォールバック・オプションを維持しながら、アップグレードのリスクとダウンタイムを低減できます。

その結果、災害復旧を後回しにすることなく、実際の障害シナリオ、継続性要件、および本番パフォーマンスへの期待により適合したデプロイメントが可能になります。

Oracle Data Guardの複数スタンバイ(クラウド自動化を利用)は以下で利用可能です。

  • Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure
  • Oracle Exadata Database Service on Cloud@Customer
  • Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure
  • Oracle Base Database Service

詳細はこちらをご覧ください。https://docs.oracle.com/ja/learn/multi-standbydb/