※ 本記事は、Sinan Petrus Toma による”Announcing Oracle Zero Downtime Migration 26.1“を翻訳したものです。
2026年4月16日
この度、Oracle Cloud、マルチクラウドなどへ、簡単に信頼性の高いデータベース移行を実現するソリューションの最新版 Oracle Zero Downtime Migration (ZDM) 26.1 をリリースしました。

移行における課題と、Oracle ZDMによる解決策
企業のデータベースのクラウド移行は、決して簡単な作業ではありません。従来の移行手法は多くの場合、時間がかかり、エラーが発生しやすく、ミッションクリティカルなアプリケーションに影響がでる可能性があります。このプロセスは複雑で、多くの課題があります。
- 専門知識の不足
- 多くのデータベース管理者は従来のツールには慣れているものの、クラウドへの移行には、RMAN、Data Pump、Data Guard、GoldenGate、およびクラウドのコマンドラインツールといったソリューションに関する、より深い専門知識が求められます。
- セキュリティ
- クラウド移行に伴い、これまでされていなかったデータベースの暗号化が必要になる場合があり、新たな要件が導入され、セキュリティに関する専門知識の水準が引き上げられます
- バージョン管理
- データベースは複数のバージョンやパッチレベルで稼働している場合があるため、移行中のアップグレードを調整することは極めて重要ですが、複雑でもあります。
- アーキテクチャの変更:
- シングルテナント環境からマルチテナント環境への移行は、移行の進め方とシステムの可用性の両方に影響を与える可能性があります。
- 可用性の確保:
- ユーザーへの影響をなくしながらデータをクラウドに移行することは、ミッションクリティカルなアプリケーションにとって常に課題となっています。
- プラットフォームの変更:
- クラウドサービスは多くの場合Linux上で動作するため、AIX、Solaris、またはWindowsからの移行には技術的なハードルが伴います。
- ライセンスと追加コスト:
- 多くの移行ツールでは追加のライセンスが必要となり、コストと複雑さの両方を増大させます。
Oracle ZDMとは

ZDMは、オラクルが提供する、完全に自動化された無償の移行ソリューションです。データがオンプレミス、オラクルのクラウドプラットフォーム、あるいは他社クラウドなどのいずれに保持されていても、ZDMを利用すれば、スムーズかつほぼ中断のない移行を実現できます。
オラクルの実績のあるMaximum Availability Architectureを基盤とし、Data Guard、GoldenGate、Recovery Manager (RMAN)、Data Pump、データベース・リンクなどのツールと緊密に連携するZDMなら、移行プロセス全体を通じて本番環境の可用性が維持されるため、安心して移行を行うことができます。
柔軟な移行機能
ZDMでは、物理移行、論理移行、およびハイブリッド移行が可能です。データベースがLinux、Solaris、AIX、Windowsのいずれの上で稼働していても、Oracle RACまたはシングル・インスタンス構成であっても、ZDMは対応可能です。ZDMは、非CDBからプラガブル・データーベース(PDB)へのオンザフライ変換をして、移行ワークフローの汎用性を高めます。
幅広いバージョン対応
Oracle AI Databaseのバージョン11.2.0.4から26aiまでをサポートするZDMは、バージョン間の移行およびアップグレードを可能にします。21.5で導入されたアップグレード機能付きの新しい物理移行方式により、モダナイゼーション・プロジェクトの柔軟性がさらに向上します。オンプレミス、Oracle Cloud、または提携クラウド・インフラストラクチャへの移行、あるいはそれらからの移行のいずれにおいても、Oracle ZDMは移行の全段階でデータの可用性とセキュリティを確保します。
Oracle Zero Downtime Migration 26.1での新機能

ZDM Instant Deploy
ZDMは、迅速なローカル・データベース移行を実現するインストール不要オプション「Instant Deploy」を導入しました。お客様は、追加の仮想マシンやインストールを必要とせずに、ソースサーバーまたはターゲットサーバー上にZDMを直接デプロイできます。物理移行、論理移行、ハイブリッド移行を含むすべての機能が利用可能であり、既存の設定ファイルも従来通り動作します。
新しい移行ワークフロー:PDBクローンによる物理移行
Oracle ZDM 26では、プラガブル・データベース(PDB)のクローン機能を用いた物理移行が導入され、移行ワークフロー内でのオプションとしてのアップグレードを含め、より迅速かつ柔軟なデータベース移行が可能になりました。このワークフローは中小規模のデータベース向けに最適化されており、データベース・リンクを使用してデータ転送を効率化します。お客様は、ダウンタイムの許容範囲や移行のニーズに応じて、コールド、ホット、またはリフレッシュ可能なクローンのいずれかを選択できます:
- コールド・クローンは、ダウンタイムが許容される環境(テスト/開発環境など)に最適な方法です。Oracle Database 12.1では、コールド・クローンが必須となります。
- ホット・クローンは、プロセス中にデータベースをオンライン状態に保ち、業務への影響を最小限に抑えた移行をサポートします(12.2以降)。
- リフレッシュ可能クローンは、継続的な同期によりシームレスなオンライン移行を実現し、本番、テスト、および開発環境に最適な方法です(12.2以降)。
Windows OS上のソース・データベースのサポート
ZDM リリース 26 では、ZDM の論理移行ワークフローを通じて、Windows ソースデータベースが利用可能になりました。これにより、お客様はより多くの移行オプションを利用できるようになり、データベースをより簡単かつ確実に移行できるようになります。
スタンバイ・データベースからのData Pumpエクスポート
ZDMの論理移行ワークフローは、プライマリ・データベースからのData PumpおよびGoldenGateによる移行を自動化します。リリース26.1以降、ZDMはスナップショット・スタンバイからのエクスポートが可能となり、稼働中のワークロードへの影響を回避できます。この新しいアプローチにより、オンラインおよびオフラインの移行が効率化され、高い並列処理によってデータ転送が高速化され、移行ジョブのパフォーマンスがさらに最適化されます。
移行先としての「Oracle Database Appliance」へのZDM対応
ZDMは以前からExadata On-Premisesシステムへの移行をサポートしてきました。最新リリースでは、物理、論理、ハイブリッド移行の新たな移行先としてOracle Database Applianceが追加されました。
Oracle Key Vault との物理移行の統合
ZDMは、Transparent Data Encryption (TDE) および Oracle Key Vault (OKV) との統合を自動化し、安全なクラウド移行を効率化しました。OKVウォレットの移行は完全に自動化されました。ZDMがプロセス全体を管理するため、お客様は暗号化キーを手動で転送したり、データベース・ウォレットを設定したりする必要がなくなりました。OKVウォレットを使用する場合でもファイル・ウォレットを使用する場合でも、このワークフローにより、ターゲットデータベースが所定のウォレットタイプで暗号化されることが保証されます。
APEX ワークスペースのメタデータ移行
ZDMの論理ワークフローにより、Oracle APEXワークスペースのメタデータ移行が自動化され、これまで遅延やエラーの原因となっていた手作業が不要になりました。標準化されたツールと手順を用いてプロセス全体を統合的に管理することで、ZDMはダウンタイムを最小限に抑え、正確性を確保し、アプリケーションの整合性を維持します。この論理的な移行ワークフローは、APEXメタデータを自動的にエクスポート、転送、およびターゲットデータベース上で設定するため、運用リスクを低減し、クラウドまたはオンプレミスへの展開を迅速化します。
APEXワークスペース移行のメリット:
- 稼働までの時間の短縮:自動化された移行により、プロジェクトのスケジュールを加速します。
- リスクの低減:標準化されたプロセスと手動介入の削減により、エラーを最小限に抑えます。
- 事業継続性:アプリケーションの整合性が維持され、移行後のスムーズなユーザー体験が保証されます。
- 柔軟性:ユーザーはレスポンスファイルのパラメータまたは標準設定を通じてAPEX移行を管理できます。
Automatic Workload Repository(AWR)の自動移行
ZDMは、Oracle DatabaseのAutomatic Workload Repository(AWR)レポートの移行を自動化しました。これにより、移行前後のデータベース・パフォーマンスの分析と最適化をより容易に行えるようになります。AWRはシステム全体のパフォーマンス統計と履歴データを収集し、チームが適切なチューニングやトラブルシューティングを行うために必要な情報を提供します。
Oracle Zero Downtime Migration の主なメリット
- シンプルかつ効率的
- 自動化されたワークフローにより、手作業が不要になり、ミスが減り、プロジェクト期間も計画段階で最大50%、エンジニアリング段階で30%短縮されます。
- 高可用性
- オラクルの高可用性ソリューションとの緊密な連携により、ダウンタイムゼロ、あるいはほぼゼロでの移行が可能です。
- コスト効率
- ZDMは無料で利用可能です。既存のOracleライセンスと特別規定を活用するため、移行プロジェクトに追加費用は発生しません。
Oracle Zero Downtime Migrationなら、移行プロセスをこれまで以上にスムーズ、迅速、かつ安全に制御できます。強力な自動化機能により、Oracle AI Databaseへの移行が効率化され、リスクを最小限に抑え、ダウンタイムを削減しながら、複雑なアップグレードを簡素化します。Oracle Zero Downtime Migrationを活用すれば、組織はオラクルの最新のAI機能、分析機能、クラウド技術の進歩を迅速に活用できます。当社の最新製品が、お客様のビジネス変革をいかに加速させるかをご覧ください。詳細については、Oracle ZDMの製品ウェブサイトをご覧ください。
