※ 本記事は、Sriram Vrindaによる”AWR Explorer for OCI Operations Insights AWR Hub“を翻訳したものです。

2022年7月27日


2021年、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Operations InsightsサービスでOracle Autonomous DatabaseのAutomatic Workload Repository(AWR)Hubのサポートを発表しました。AWR Hubを使用すると、重要なOracle AutonomousデータベースのAWRからの詳細なパフォーマンス・データを統合および格納できます。AWR HubでAWR Explorerがサポートされるようになったことをお知らせします。

AWR Explorer for AWR Hub

AWRは、Oracleデータベースのパフォーマンス分析のための重要な有用な情報ソースです。一般的な演習では、AWRレポートを作成し、上位の待機イベントを分析し、特定の関心カテゴリを展開します。Operations Insights AWR Hubを使用すると、重要なOracleデータベースのAWRからの詳細なパフォーマンス・データを統合および格納できます。この統合AWR Hubでは、ソース・データベースのAWR保存期間を超える履歴パフォーマンス・データを表示および分析できます。

OCIテナンシの複数のデータベースからAWRスナップショットを収集および統合するクラウドベースのリポジトリであるAWR Hubを使用して、複数のデータベースのAWRデータを処理できます。

AWR Explorerがあれば、手作業でのAWRレポートの確認に加え、AWR HubがAWRデータの有用性を高めるためのサポートをします。AWR Explorerを使用すると、時間単位のAWRレポートを切り替えることなく、パフォーマンスの傾向を容易に可視化できるのです。

AWR Explorerを使ったAWR Hubのパフォーマンス傾向のマイニング

1つのAWRレポートを確認して特定のデータベース・コンポーネントのパフォーマンスを分析するような場合、1つの数字に注目することが多いでしょう。たとえば、ログ・ファイルへのディスクI/O性能とか、CPUの枯渇によるログ・ファイルの同期の状況です。ほとんどの場合は、ピーク全体または1日全体のAWRレポートを作成し、フォアグラウンド待機イベントでlog file syncを調べて、log file syncの平均待機時間を見つけます。この分析では、1つのデータ・ポイントしか見ていません。

A screenshot of the global foreground wait events with a log file sync commit circled in red.

図1: ピーク期間レポート・ログ・ファイル同期のAWRレポート

もちろん、時系列で一連のAWRレポートを取得し、手作業でレポートを処理して特定の統計の関心ある値を調べ、チャートにプロットすることもできます。AWRデータを手作業でマイニングして、次の例のようなトレンド・チャートを得るわけです。

A graphic depicting a trend chart for log file sync.

図2: ログ・ファイル同期のトレンド・チャート

AWR Hubを使用すると、様々なデータベースからAWRデータを取り込んで保管できます。保管したデータを使用して、AWR Explorer上のトレンド・チャートで必要な情報を簡単に抽出できます。たとえば、1秒当たりに生成されたREDOや1トランザクション当たりの論理読取りの傾向を知りたい場合は、AWR Explorerの「メトリック」タブを使用して、一連のAWRスナップショットに対する傾向を視覚化することが可能です。レポート間で切り替える必要も、チャートを手作業で作成する必要もありません。AWRマイニングの数え切れないほどの例は、問題を調査し根本原因を見つけるために利用することができます。

A screenshot of the AWR Explorer with redo and activity per transaction graphs.

図3: AWR ExplorerでのAWRメトリックの傾向

待機イベント時間に関連する問題を調査する場合は、AWR Explorerの「待機イベント」セクションのヒストグラム・チャートを使用して、待機イベント統計を確認し、ヒストグラムとして表示できます。特定のOracle待機イベントのタイミング・シナリオを平均待機時間より詳細に理解する必要がある場合、この機能は便利です。

A screenshot showing a histogram for read by other session bar graph.

図4: AWR ExplorerでのAWR待機イベント・ヒストグラム

まとめ

AWRには、膨大な量のデータベース・パフォーマンス・データが含まれます。AWR Hubを設定しておけば、選択されたデータベースソースからのAWRデータの履歴を長期的に保持することができます。この機能により、ソース・データベース・ターゲットに対するパフォーマンスやストレージに影響を与えることなく、データベース全体のAWRデータを長期的に分析できます。AWR Explorerは、パフォーマンスおよびデータ・ビジュアライゼーション・ツールの統合であり、AWRスナップショットの履歴パフォーマンス・データをわかりやすいチャートで表示します。これにより、1つのインタフェースでAWRデータをビジュアル化し、パフォーマンス・トレンドを分析して問題を検出できます。

AWR Explorer for AWR Hubは、すべての商用リージョンでOracle Autonomous Databaseで使用できます。OCI仮想マシン、ベア・メタル、Exadata Cloudサービス、オンプレミスのOracle Databasesのサポートは近日提供予定です。

Operations Insights AWR Hubの機能をお楽しみください。

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