※ 本記事は、Pravin Jha による”Enhanced PDB automation on Exadata and Base Database Services“を翻訳したものです。
2023年10月30日
全てのOCI商用リージョンで、Exadata Database Service on Cloud@Customer (ExaDB-C@C)、Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D)およびBase Database Service (BaseDB)の新しいプラガブル・データベース(PDB)自動化機能を発表しました。新しい機能拡張により、次のPDB固有の機能に対するOCIコンソール/API/Terraformを介した自動化がExadata DatabaseおよびBase Database Serviceで提供されます。
- バックアップ・リストア
- リモート・クローン
- リフレッシュ可能クローン
- 再配置
- VMごとのオープン・モードの確認
主なメリット
- クラウドでのエンドツーエンドのアプリケーション開発およびデプロイメントに、新しいPDB自動化機能を利用します。
- Exadata Database ServiceおよびBase Database Service上のOCIコンソール/API/Terraformを介して、Oracle Multitenant機能にアクセスします。
それでは、主な機能を見てみましょう
※ OCIコンソールのExaDB-C@C、ExaDB-DおよびBaseDBサービスでは、コンテナ・データベース(CDB)を「データベース」と呼びます。次のCDBの記述は、わかりやすく簡潔にするためのみです。
PDB バックアップ
PDBを作成するときに、そのPDBの即時バックアップを行うかどうかを指定できます。このオプションは、CDBが自動バックアップ機能で構成されている場合、ローカル・クローン、リモート・クローンおよび再配置操作時にも使用できます。PDBバックアップの保存先は常にCDBのバックアップの保存先と同じであり、バックアップに直接アクセスしたり、オンデマンドで作成することはできません。オラクルでは、PDBの作成、クローニングおよび再配置後すぐにPDBをバックアップして、次のCDB自動バックアップが正常に完了する前にPDBをリカバリ可能にすることをお薦めします。

PDB リストア (インプレース・リストアとアウトオブプレース・リストア
同じCDB内のPDBをリストア(インプレース・リストア)したり、新しいCDBにリストア(アウトオブプレース・リストア : ExaDB-DおよびBaseDBで有効) できるようになりました。インプレース・リストアでは、最新または指定したタイムスタンプにリストアすることを選択できます。これは、Data Guardが有効になっているCDBのPDBには適用できません。


PDBを新しいCDBにリストアすると、PDBのアウトオブプレース・リストアが実現されます。「バックアップからのデータベースの作成」が拡張され、PDBまたは一連のPDBを新しいCDBにリストアできるようになります。PDBまたはPDBのグループを指定するには、「リストアするPDBの選択」オプションを使用します。デフォルトでは、PDBは常に新しいCDBにリストアされ、既存のVMクラスタまたは新しいDBシステムに作成されます。

リモート・クローン
同じCDB内(ローカル・クローン)または別のCDB(リモート・クローン)にPDBのコピーを作成できます。宛先CDBは、同じデータベース・バージョン以上にすることができます。オプションで、データベース・リンクが接続に使用する既存の共通ユーザー名(CDB$rootコンテナで作成されたユーザー)を指定できます。リモート・クローニング後にPDBのバックアップを作成するオプションがあります。PDBリモート・クローニングは、Data Guard環境間で機能します。


リフレッシュ可能・クローン
PDBのリフレッシュ可能なコピー(リフレッシュ可能クローン)を作成できます。データベース・リンク接続には、既存の共通ユーザー名の指定が必須です。リフレッシュ可能なクローンPDBは、PDBの詳細ページに移動し、アクション「リフレッシュ」を開始することで、自由にリフレッシュできます。リフレッシュが成功するかは、アーカイブREDOログ・ファイルが利用できるかによります。


リフレッシュ可能なクローンPDBをソースから切断するには、通常のPDBに変換します。変換後、PDBは読取り/書込みでオープンされ、すべてのライフサイクル操作を実行できます。リフレッシュ可能クローンから通常のPDBに変換した後、PDBのバックアップを作成するオプションがあります。Data Guardプライマリで実行されたときにリフレッシュ可能クローンを通常のPDBに変換する操作では、そのスタンバイにPDBも作成され、マウント・モードで使用できます。


PDB 再配置
PDBを別のCDBに移動することが可能です。宛先CDBは、別のコンパートメント、VMクラスタまたはDBシステム上のものを指定でき、同じデータベース・バージョンかそれ以上のCDBに再配置することができます。また、PDBを別のCDBに再配置するときに、新しいPDB名を指定できます。オプションで、データベース・リンクが接続に使用する既存の共通ユーザー名を指定します。宛先CDBへの再配置の完了後にPDBをバックアップするオプションがあります。再配置の時間は、PDBのサイズと、ソースから宛先へのファイル・コピー時のネットワーク帯域幅によって異なります。再配置されると、PDBは宛先で読取り/書込みでオープンされます。宛先がData Guardのプライマリの場合は、PDBはスタンバイに作成されてマウント・モードで使用可能になります。


PDB オープン・モード
マルチ・ノードのRAC上のCDBの場合、PDBを特定のVM (データベース・インスタンス)でオープンできます。VM間のオープン・モードが同じ場合は、「読取り/書込み」、「読取り専用」、「マウント済」のいずれかの値が表示されます。VM間のオープン・モードが異なる場合は、情報アイコンの上にマウスを置くと、読取り/書込みモードでオープンされているVM PDBが表示されます。OCIコンソールまたはAPIを介してPDBのオープン・モードを変更することはできません。ただし、PDBを起動または停止できます。PDBを起動してPDBを停止すると、それに応じて読取り/書込みモードおよびマウント・モードになります。スタンバイでは、PDBを起動してPDBを停止すると、Data Guardタイプ(Active Data Guard / Data Guard)に応じて、PDBが読取り専用およびマウント・モードになります。

考慮事項
- これらのPDB自動化機能は、データベース・リリース19c以降でサポートされています。
- PDBのクローン(リモート、リフレッシュ可能)および再配置は、異なるコンパートメント、VMクラスタ、DB システム (BaseDB)、VCN、ネットワーク(ExaDB-C@C)およびデータベース・バージョン(同一バージョンもしくは上位バージョンへ)間でサポートされます。異なるアベイラビリティ・ドメイン(AD)およびExadataインフラストラクチャ間ではサポートされていません。
- Data Guardスタンバイは、PDBクローンおよびPDB再配置操作のソースまたは宛先のいずれにもできません。
- Data Guardプライマリに作成されたリフレッシュ可能なクローンPDBはスタンバイに表示されません。その存在は、通常のPDBに変換されるまで延期されます。
- 現在、PDBの自動化は、TDEウォレットベースの暗号化(Oracle管理キー)を使用するデータベースでサポートされています。
