Oracle Cloud Infrastructure:2023年2月度サービス・アップデート

※ 本記事は、Zeke Kaufmanによる”RHEL runs on OCI supported by Oracle and Red Hat“を翻訳したものです。

2023年2月1日


Oracle Cloud Infrastructure(OCI)におけるRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のサポートと一般提供の開始を発表できることを嬉しく思います。

現在、OCIはRed Hatの認定クラウドおよびサービス・プロバイダ(CCSP)プログラムのメンバーであり、Red Hat Enterprise Linuxエコシステム・カタログにも記載されています。OCIで最も人気のある最新世代の仮想マシン(VM)シェイプで、最新バージョンのRHEL 7、8および9を実行できるようになりました。

OCIは、エンタープライズのニーズに対応した幅広いオペレーティング・システムを提供し、イメージの持ち込み(BYOI)機能により、新しいオペレーティング・システムからレガシーなオペレーティング・システムまで幅広くインポートして利用できます。OracleとRed Hatのパートナーシップにより、OCIでRHELを実行しているお客様に対して、新しいレベルのサポートが追加されます。RHELサブスクリプションを介してRed Hatのサポート・システムおよびナレッジ・ベースへのアクセスを維持しながら、Intel、AMDまたはArmプロセッサでサポートされているバージョンのRHELを実行できるようになりました。

このブログでは、OCIでRHELを起動するための簡単なステップについて説明しますが、最初にいくつかのポイントについて説明します。

認定クラウドおよびサービス・プロバイダ・プログラム

OracleがRed HatのCSSPプログラムに参加することの利点は、OCIとRHELの互換性およびパフォーマンスが事前に動作確認されることです。OCIの現世代のVMシェイプで、メンテナンス・サポートとフル・サポート対象のRHELの最新バージョンが認定されています。

A graphic depicting a table of RHEL supported shapes.

ライセンスの詳細

このパートナーシップは新しいパートナシップになるため、次の重要な点について説明したいと思います。

  • インポートされたRHELイメージは、Red HatからBring Your Own Subscription(BYOS)モデルで動作します。デプロイメント環境の場合と同様に、これらをRed Hat Subscription Managerに登録する必要があります。ライセンスと料金に関する質問はRed Hatに直接お問合せください。

  • OCIの課金は、RHELを実行するインフラストラクチャに対して、標準のOCIレートまたはお客さまが契約しているレートで行われます。

  • RHEL固有のサポートおよび保守ライフサイクルの質問については、Red hat Enterprise Linuxのライフサイクルのページを参照してください。

  • OCI固有のサポートに関する質問は、OCI BYOIサポート・ポリシー・ページを参照してください。

サポートされているデプロイメント・メソッド

お客様がさらに多くのOCIシェイプでRHELをサポートできることを嬉しく思っており、OCI Computeベア・メタル・サーバーと仮想マシン・シェイプの認証に迅速に取り組んでいます。各シェイプが認定されているため、Red Hatエコシステム・カタログを詳細に更新する予定です。

OOCIで実行されるRHELのサポートされるシェイプおよびバージョンに加えて、ユーザーは、イメージ自体で何がサポートされていて何がサポートされていないのかについての質問に対しては、Red Hat Production Support Scope of CoverageおよびRHELのサード・パーティ・パッケージに関するRed Hatサポート・ポリシーを参照する必要があります。
一般的に言えば、他のRed Hat認定CCSPまたはオンプレミス環境から認定されたRHELバージョンおよびインスタンス・タイプにRHELイメージをエクスポートおよび移行する場合、ユーザーは完全なサポートを期待できます。

OCIでのRHELの実行

上記で重要ないくつかのポイントを説明しました。次に、OCIでRHELを実行しましょう。

RHELイメージのインポートは、OCI上の他のOSイメージのインポートと同様です。OSインポート・ワークフローをすでに理解している場合、同じプロセスになります。

1. Red HatからRHELイメージをダウンロード

RHELは、Red Hat カスタマ・ポータルからダウンロードされたKVMゲスト・イメージ、またはRed Hatのイメージ・ビルダー・ツールから取得されたQCOW2イメージをサポートするイメージ形式で必要です。イメージ・ビルダーは、最近リリースされたツールです。イメージを既存のサブスクリプションに登録し、RHELリポジトリからパッケージを事前インストールして、ディスク上にカスタム・パーティションを作成できるようにすることで、ゴールデン・イメージの作成プロセスが簡略化されます。

Red Hat Enterprise Linuxのダウンロード・ページを使用している場合は、必要なKVMゲストイメージをダウンロードします。:

A screenshot of a list of installers, including WinSync and Red Hat Enterprise Linux, with a red arrow pointing to the Red Hat option.

または、イメージ・ビルダーで、「仮想化- ゲスト・イメージ(.qcow2)」オプションをクリックしてQCOW2-formattedイメージをダウンロードします。:

A screenshot of the Image Builder tool with a red arrow pointing to the virtualization - guest image option.

2. OCIオブジェクト・ストレージへのRHELイメージのアップロード

RHELイメージをダウンロードしたら、OCI オブジェクト・ストレージのバケットにイメージをアップロードします。これらのイメージ専用に、個別のバケットを作成することをお薦めします。

A screenshot of the Upload Objects page with the image uploaded outlined in red.

3. RHELイメージをカスタム イメージとしてインポート

ここまでで、イメージがOCI上に格納されました。次に、コンピュート・サービスからカスタム・イメージとして使用できるようにする必要があります。

Oracle Cloudコンソールで、「Compute」、「Custom Image」とナビゲートして、「Import Image」を選択します。前のステップのオブジェクト・ストレージのバケットからRHELイメージをインポートします。

QCOW2イメージとKVMゲスト・イメージのどちらを使用しているかにかかわらず、QCOW2イメージ形式を選択します。「Launch Mode」に「Paravirtualized mode」を選択します。その他の必須フィールドに入力したら、「Import Image」ボタンをクリックします。

質問がある場合は、イメージのインポートのドキュメントを参照してください。

A screenshot of the Import Image page with the object name and image type fields outlined in red.

4. 互換性のあるシェイプの選択

RHELイメージをインポートしたら、互換性のあるシェイプに割り当てられていることを確認します。コンソールで「Compute Custom Image」に移動し、カスタム・イメージを選択してから「Edit details」を選択します。

x86アーキテクチャRHELイメージを使用する場合は、「VM.Standard3.Flex」および「VM.Standard.E4.Flex」が選択されていることを確認します。ArmアーキテクチャRHELイメージを使用する場合は、「VM.Standard.A1.Flex」が選択されていることを確認します。

A screenshot of the Edit Image Details page with the selected VM shapes outlined in red.

5. RHELイメージの起動

あと少しで完了です! コンソールで、「Create Instance」をクリックしてRHELイメージを起動します。(サポートされているシェイプを選択していることを確認してください。)

インスタンスが実行中の場合、次のコマンドを使用して、イメージにsshしてインスタンスを検証できます。:

$> ssh cloud-user@<ip_address>

A screenshot of the running code output.

まとめ

OCIがRed HatのCCSPプログラムに参加することは、RHELワークロードを実行する企業にとって非常に重要です。RHELのユーザーは、OCI上でRHELを実行しながら、OCIの柔軟なインフラストラクチャ分散クラウド機能競争力のある価格設定モデルを利用できるようになりました。Red Hatとの関係が進むにつれて、OracleとRed Hatの両方によって認定およびサポートされるOracle Cloud Infrastructureハードウェア上のRHELテクノロジーがより多くなることが期待できます。これは、相互の顧客にとって真のメリットです。