この記事はTammy BednarによるGetting Started with Exadata Database Service on Oracle Database@AWSを日本語に翻訳したものです。
2024年12月3日
Oracle Database@AWSは、 Amazon Web Services (AWS)リージョンで実行されているアプリケーションを、AWSのOracle Cloud Infrastructure (OCI)で稼働するOracle Exadata Database Service on Dedicated InfrastructureおよびOracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructureを使用できるようにする OracleとAWSの戦略的パートナーシップです。 Amazon KinesisやAmazon QuickSightなどのAWSアプリケーションやサービスは、Exadata Cloud Infrastructureで稼働するOracle Databaseに低レイテンシでネイティブにアクセスできるようになり、 AI Vector SearchなどのOracle Database 23aiの機能を活用できるようになりました。
AWS内のOracle Exadata Database Serviceを使用すると、オンプレミス環境と機能やアーキテクチャの互換性、パフォーマンス、および可用性を完全に維持しながら、最小限の変更でOracle Exadataワークロードを簡単かつ迅速に移行できます。 Oracle Database@AWSのExadata Cloud Infrastructureは、OCIデータセンターで使用されているものと同等であり、あらゆる規模のワークロードとデータベースに合わせて拡張できます。OLTP、アナリティクス、AIなどに差別化された機能を提供する多くの独自機能が含まれています。
Oracle Database@AWSのメリット
Oracle Database@AWSは、ミッションクリティカルなOracle DatabaseワークロードをAWSに移行し、AWSとOracle Databaseの最高の機能を活用して革新を起こし、管理と運用を簡素化するのに役立ちます。
Oracle Zero Downtime Migration (Oracle ZDM)を使用し、オンプレミスのOracle DatabaseをOracle Database@AWSに移行し、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を含むOracle DatabaseおよびExadataとの完全な互換性を活用できます。 本番ワークロードを実行するだけでなく、開発者は、Amazon QやAmazon Bedrock 基盤モデルに含まれる業界をリードする生成AI機能、およびOracle Database 23aiを使用して、新しいクラウドネイティブアプリケーションを構築することもできます。これらはマイクロサービスアーキテクチャに基づいており、さまざまなワークロードやデータフォーマットをサポートし、Exadataに最適化されています。
Oracle Database@AWS を使用すると、既存のAWSクラウドコミットメントを使用してAWS Marketplaceを通じた購入により、管理と運用を簡素化できます。 AWSマネージメントコンソールとOCIの緊密な統合により、より迅速に開始できるだけでなく、Exadata Database Serviceのほとんどの管理タスクをAWップで実装できるため、短期間で運用を開始できます。 Exadata Database Serviceは、定期的なメンテナンスのためにサービスを中断する必要がなく、ワークロードの需要に合わせてデータベースの使用量をオンラインで拡張できるため、コストとダウンタイムの両方を削減できます。

Exadata Database Serviceでは、Oracleがインフラストラクチャを管理するため、一般的なライフサイクル管理タスクに対して強力なクラウド自動化を使用してデータベースを管理するだけで済みます。 自動化により、実績のあるOracle Databaseのベスト・プラクティスが実装され、管理の負担が軽減されます。これらの強力な機能により、データベースの作成、拡張、更新、バックアップ、リカバリがより簡単に行うことができます。
Oracle Database@AWSの設定
AWS Marketplaceのプライベートオファーを使用すると、AWSアカウントから、または既存のAWSアカウントとOCIアカウント間で構成されたOracle Database@AWSサブスクリプションによって、Oracle Database@AWSへの移行が有効になります。
他のAWSリソースと同様に、Oracle Database@AWSアーキテクチャには、AWSリージョン内のアプリケーションリソースにネットワークを提供するためにAmazon Virtual Private Cloud(VPC)が必要です。さらに、同じAWSリージョンに共存するOCIの子サイトで動作するOracle Database@AWSには、親OCIリージョンまで拡張してOCI内の他のリソースにアクセスできるようにするOCI Virtual Cloud Network (VCN)を持っています。OCIは、OCIの子サイトと親OCIリージョン間のネットワークを管理します。AWSは、ODBネットワークとアプリケーションVPC間のネットワーク接続を管理します。
注:Oracle Autonomous DatabaseはGAまでに利用可能予定

ネイティブのAWS自動化を活用すれば、Oracle Database@AWSでExadata Database Serviceの運用を簡単に開始できます。Exadata Database Serviceのプロビジョニングには、以下の4つの簡単なステップが必要です。
- ODBネットワークの作成
- Exadata Infrastructureの作成
- Exadata Infrastructure上にExadata VM Clusterを作成
- Exadata VM Cluster上にOracle Databaseの作成
ODBネットワークの作成
ODBネットワークは、AWSアベイラビリティゾーン(AZ)内でOCIのインフラストラクチャをホストする分離されたプライベートネットワークです。ODBネットワークは、IPアドレスのCIDR範囲で構成されます。ODBネットワークは、OCIの子サイト内に存在するネットワークに直接マッピングされ、AWSとOCI間の通信手段として機能します。

Exadata Infrastructureの作成
AWSに設置されたExadata Database Serviceは、2台のデータベース・サーバーと3台のストレージ・サーバーから構成されるDedicated Exadata Infrastructureをサポートしており、これらのサーバーは高速かつ低レイテンシーの内部RDMAネットワーク・ファブリックによって内部接続されています。必要に応じてデータベース・サーバーやストレージ・サーバーを追加できます。AWSデータセンター内のExadata Infrastructureは、クラウド内の他のサービスにセキュアに接続するために必要なネットワーク・リソースとハードウェアを統合します。 Exadata Database Serviceでは、Oracleが毎月のセキュリティ更新と四半期ごとのインフラ更新を行います。四半期ごとのインフラ保守スケジュールは、ビジネス要件に合わせて指定できます。
Oracle Database@AWSメニュー・オプションから、Create Exadata Infrastructureを選択します。

Exadata VM Clusterの作成
Exadata Infrastructureを作成したら、Exadata VM Clusterを作成する準備が整いました。複数のVM Clusterを作成して、Exadata Infrastructureに統合するOracle Databaseワークロードを分離できます。 VM Clusterを作成する際は、コンピュート、メモリ、ローカル・ストレージ・リソースおよびODBネットワークを指定し、VM Clusterとデータベースへのアクセスを提供します。最初のVM Clusterを作成するには、Create VM Clusterを選択します。

Oracle Databaseの作成と管理
最初のOracle Databaseを作成するには、Exadata VM Clusterを選択し、”Manage In OCI”をクリックします。AWSとOCIの統合により、Oracle Databaseを作成するためにOCI Consoleに直接移動します。

Oracle Databaseの作成時に、Oracle Database 19cまたは23aiを選択できます。Exadata Database Service on Dedicated Infrastructureでプロビジョニングされたデータベースの自動バックアップは、OCIリージョンのOCI Object Storageにバックアップできます。自動バックアッププロセスは、日次バックアップウィンドウの任意の時間に開始されます。オプションで、自動バックアップ処理を開始する2時間のスケジューリング・ウィンドウをデータベースに指定できます。バックアップの保持期間は、7、15、30、45または60日に指定できます。指定したバックアップ保持期間が経過すると、システムは自動的にバックアップを削除します。

Oracle Databaseの移行
Oracle Databaseが作成されると、Oracle ZDMを使用してデータを移行できます。Oracle Database@AWS上で稼働するExadata Database Serviceのレプリカ・データベースをデプロイし、オンプレミスの本番データベースと同期させます。準備ができたら、アプリケーションをOracle Database@AWSに切り替えて、クラウド移行を完了します。
まとめ
Oracle Database@AWSを使用すれば、ミッションクリティカルなOracle DatabaseアプリケーションをAWSで実行できます。 オンプレミスと機能、アーキテクチャの互換性、パフォーマンス、および可用性を完全に維持しながら、最小限の変更でオンプレミス環境のOracle DatabaseをAWSに簡単に移行できます。 Oracle Databaseのこの新しいデプロイメント・オプションにより、AWSで実行するアプリケーションとサービスを、Oracle Exadata Database Serviceの利点と簡単に組み合わせることができます。