この記事はKelly Smith、Jun JangによるObject Storage vs Autonomous Recovery Service — which one is better for automatic backups?を日本語に翻訳したものです。
2024年12月19日
Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceは、OCI、Azure、Google CloudおよびAWSのOracle Managed Database向けのZero Data Loss Recovery Applianceテクノロジーに基づいたOracleの戦略的なデータベース統合リカバリ・ソリューションです。Recovery Serviceは、最新のサイバー・セキュリティ保護と回復力を提供し、すべてのOracle Managed Databaseに強く推奨されます。
このブログでは、Autonomous Recovery Serviceによるデータベース・バックアップの主な利点を、従来のオブジェクト・ストレージと比較します。また、ミッション・クリティカルなデータベース向けのプレミアムなZero Data Loss Autonomous Recovery Serviceのさらなる利点についても説明します。
Autonomous Recovery Serviceは、Object Storageへのバックアップと同じ価格帯でありながら、以下のような独自の利点を提供します。
-
データベースのオーバーヘッドを削減し、より高速なバックアップを実現 – Recovery Serviceは、毎週のフルバックアップが不要になり、オフロードされた永久増分バックアップを使用するため、データベースのCPU、メモリー、I/Oのオーバーヘッドは削減され、バックアップ・ウィンドウも短縮されます。貴重なデータベース・リソースは、バックアップ・タスクよりもビジネスニーズに集中させることができます。
-
信頼性の高いリカバリに自信を持つ – Recovery Serviceは、リカバリ操作に影響を与え得るデータの異常がないか、すべてのバックアップを検証します。 この検証プロセスと不変性および強制的な暗号化を組み合わせることで、お客様のデータは安全になり、テナント内の誰からも変更されることなく、ランサムウェア攻撃に備えて常にリカバリの準備ができています。Recovery Serviceは、個々の増分バックアップを仮想フルバックアップに最適化するため、リカバリも数日前に作成されたフルバックアップから余分なデータ処理をする必要がなく、リカバリも予想通り高速化されます。
-
データベース保護に関するより深い洞察を得る – Recovery Serviceは、一元化されたデータ保護ダッシュボードを提供し、データベースのバックアップ状態に関する重要な質問に回答します。私のバックアップは健全ですか?最後のバックアップからどのぐらい経過していますか?どのぐらい前までリカバリできますか?特定のデータベースにどのぐらいバックアップの領域が使用されていますか?ビジネス要件に基づいて、どのデータベースが同じ保護ポリシーに属していますか?
Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceは、上記の機能に加えて、リアルタイム・データベース保護という独自の機能も追加しています。
-
すべてのデータベース・バックアップでデータ損失ゼロ – データベースのリアルタイム保護により、障害やランサムウェア攻撃の発生した時点から1秒以内にリカバリできるようになります。ランサムウェア攻撃が発生した場合、数時間前にスケジュールされた最後のバックアップにリカバリするのではなく、攻撃の直前まで保護されていることがわかります。
Object Storageと比較したRecovery Serviceのコスト
上記で強調したように、Recovery Serviceは、Object Storageへのバックアップと同じ価格を維持しながら、Object Storageと比較して大幅に優れたバックアップとリカバリの機能を提供します。自動バックアップ構成でObject Storageがバックアップ先として選択されると、Database Backup Cloud Service(DBBCS)とObject Storageの2つのサービスが起動します。 Database Backup Cloud Serviceはバックアップ・ソリューションのソフトウェア・コンポーネントで、Object Storageはバックアップが保存される物理ストレージです。 OCI Cost Estimatorの情報を使用すると、図1の左側に示されているこれら2つの部分の合計は、現在$0.0306/GB/Month(4.743円/GB/月)です。Autonomous Recovery Serviceの価格は、図1の中央に示されているように全く同じで$0.0306/vGB/Month(4.743円/vGB/月)です。図1の右側に示されているZero Data Loss Autonomous Recovery Serviceは、リアルタイムのデータベース保護を提供し、価格は$0.0400/vGB/Month(6.2円/vGB/月)と30%割り増しに設定されています。
Recovery Serviceは、消費の計算に仮想化GB(vGB)を使用します。これは、1ヶ月の間に毎週のフルバックアップ、毎日の増分バックアップ、アーカイブREDOログで使用されるストレージ消費量の合計です。これにより、Object Storageと同じようにコストを従来のストレージ計算を使用してコストを決定しながら、任意の日付に仮想フルバックアップからリカバリできるようになります。

図1 – Recovery ServiceとObject Storageの価格比較
お客様は、”リアルタイム・データ保護”オプションのチェックボックスを選択するだけで、データベースごとにAutonomous Recovery ServiceとZero Data Loss Autonomous Recovery Serviceを簡単に切り替えることができます(図2)。 データ損失を許容できない組織内で最もミッション・クリティカルなデータベースにZero Data Loss Autonomous Recovery Serviceを選択し、それほど重要でないデータベースでは Autonomous Recovery Service を活用することができます。
Object StorageからRecovery Serviceへの移行容易性
現在、Object Storageをご利用のお客様は、バックアップをRecovery Serviceにシームレスに移行できます。Recovery Serviceを利用する前に、お客様はテナントで1回限りのセットアップ・チェックリストを実行し、権限を確立し、データベースとRecovery Service間のセキュアな通信を有効にします(Autonomous Recovery Service セットアップ・チェックリスト).このチェックリストが完了したら、図2に示すようにOCIデータベース管理コンソールで、自動バックアップ用に設定された”バックアップの保存先”をObject StorageからAutonomous Recovery Serviceに変更するだけです。

図2 – 自動バックアップ設定
この移行中にデータベースが停止することはなく、データベースの保護が中断されることもありません。 Recovery Serviceへの移行後、自動バックアップを使用してObject Storageに保存された以前のバックアップは、どのようなリカバリ操作でも利用できます。 ポイント・イン・タイムを選択するだけで、バックアップがどこに保存されているかに関係なく、クラウド・オートメーションが最適なバックアップを選択してリカバリ処理を完了します。 また、Object Storage内の過去のバックアップは、その保持期間に基づいて自動的にクリーンアップされるため、自動スケジューリングで作成された過去のバックアップを削除するために手動で操作する必要はありません。
まとめ
同じ金額の投資をするならば、Autonomous Recovery Serviceは、Object Storageよりも高速なバックアップ、信頼性の高いリカバリ、データベース・レベルの保護に関する深い洞察など、大きな利点を提供します。リアルタイム保護のために、必要に応じて、Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceは、ミッション・クリティカルなデータベースに対して、簡単に有効にできます。OCI、Azure、Google CloudそしてAWSで稼働しているすべてのOracle Managed Databaseは市場で入手可能な最高のデータベース・リカバリおよび保護機能のためにRecovery Service を活用できるようになりました。今すぐ Recovery Service に切り替えましょう!