この記事はJulien TESTUTによるKeep data moving: Cross-region disaster recovery for OCI GoldenGateを日本語に翻訳したものです。

2025年12月9日

リージョン障害によってデータ移動が停止してはなりません。OCI GoldenGateのクロスリージョン・ディザスタ・リカバリは、GoldenGate構成を保護し、Oracle AI Databaseを含むデータベースとともにペア・リージョンで実行可能な状態に保つことで、障害発生時にもレプリケーションとイベント駆動型統合を維持します。その結果、ミッションクリティカルな分析、AI、運用ワークロードにおいて、目標復旧時間(RTO)の短縮、目標復旧時点(RPO)の厳格化、運用リスクの低減を実現できます。

ディザスタ・リカバリとは何か、なぜ重要なのか

ディザスタ・リカバリ(DR)とは、リージョンまたはサイト・レベルの障害発生後にサービスを復旧するためのポリシー、アーキテクチャ、ランブックの集合です。適切な戦略では、次のことを目指します。

  • 事前にプロビジョニングされ、テスト済みのスタンバイ環境により、ダウンタイム(RTO)を最小化します。
  • 状態とチェックポイントを継続的に保護することで、データ損失(RPO)を最小化します。
  • リージョンをまたいで単一障害点を排除し、回復力を向上させます。
  • 文書化された目標と定期的なテストにより、コンプライアンスおよびサービス・レベル契約(SLA)を満たします。

OCI GoldenGateの新しいクロスリージョンDR機能は、企業がこれらすべての要件を満たすのに役立ちます。GoldenGateは、分析、運用レポート、AI/ML、イベント駆動型統合において重要な経路上に置かれることが多いため、これは重要です。レプリケーションが停止すると、次のような影響があります。

  • 下流の分析が古くなり、意思決定の質が低下します。
  • ニアリアルタイム・レプリケーションに依存する運用アプリケーションで整合性のずれが生じます。
  • AI/MLのフィーチャ・ストアやモデル提供パイプラインに古いデータが届き、推論品質やRAGの精度が低下します。
  • CDC駆動のマイクロサービスやイベント・パイプラインが停止します。

クロスリージョンDRは、最小限の介入でレプリケーションを継続させ、長時間の停止や手作業によるパイプライン再構築を回避します。

Example DR topology with OCI GoldenGate and Autonomous AI Databases
OCI GoldenGateとAutonomous AI Databaseを使用したDRトポロジの例

OCI GoldenGateの新しいクロスリージョン・ディザスタ・リカバリ機能で可能になること

大まかに言うと、新しいディザスタ・リカバリ機能により、次のことが可能になります。

  • リージョン間でデプロイメントをペアリング: 1つのOCIリージョンでプライマリ・レプリケーションを実行し、迅速に有効化できるように、ペアリングされたDRデプロイメントを同期状態で維持します。
  • GoldenGate状態の保護: 構成、メタデータ、資格証明(OCI Vault経由)、レプリケーション・チェックポイントを保持することで、プロセスを再作成することなくDRデプロイメントを昇格できます。
  • ペア・リージョンへのスイッチオーバー: ガイド付きワークフローにより前提条件を検証し、スタンバイ・リージョン内のDRデプロイメントを昇格します。

OCI GoldenGateのクロスリージョン・ディザスタ・リカバリは、OCIリージョン間でデプロイメントをペアリングし、状態、資格証明、チェックポイントを保護することで、リージョン・イベント中もレプリケーションと統合を利用可能に保ちます。ガイド付きの昇格と監視により、最小限の中断でRTOとRPOを短縮できます。

始める: ステップ・バイ・ステップ

  1. リージョンとトポロジを計画する
  • レイテンシ、コンプライアンス、データ・レジデンシ要件を満たすペアOCIリージョンを選択します。
  • スコープを決定します。単一のOCI GoldenGateデプロイメントを保護するのか、複数を保護するのかを決めます。それらを対応するデータベースDR戦略(例: Autonomous Data Guardリージョン)にマッピングします。
  1. ネットワークとセキュリティを準備する
  • リージョン間でVCN、サブネット、ルート表、ネットワーク・セキュリティ・グループ(NSG)ルールをミラーリングします。
  • 両リージョンで、ソース/ターゲット・データベースへのプライベート・エンドポイントと必要なルートを構成します。
  1. プライマリGoldenGateデプロイメントを検証する
  • ExtractとReplicatのヘルス、パラメータのベースライン、資格証明ストア、ストレージ構成を確認します。
  • 命名とタグ付けを標準化します。これらはオーケストレーションとコスト追跡に役立ちます。
  1. GoldenGateデプロイメントにクロスリージョン・スタンバイ・ピアを追加する
  • プライマリ・デプロイメントに対してDRデプロイメントを作成し、ペアリングします。DRデータベースまたは代替エンドポイントへのネットワーク到達性とアクセスが同一であることを確認します。
別のOCIリージョンにスタンバイ・ピア・デプロイメントを追加
  1. (任意)GoldenGate DRをOracle AI Database DRと整合させる
  • 同じリージョン・ペアでAutonomous Data GuardまたはActive Data Guardを有効化し、同期します。
  • 操作の順序を定義します。通常は、最初にデータベースをフェイルオーバーし、その後GoldenGateを昇格します。
  1. 準備状況チェックを実行する
  • ネットワーク到達性、シークレット、IAM、ストレージ・アクセスを検証するプリチェックを実行します。
  • 非本番環境でスイッチオーバーのドライランを実施し、RTOを測定してランブックを更新します。
  1. スタンバイ・リージョンへの計画スイッチオーバー・テストを実行する
  • メンテナンス・ウィンドウ中に、DRリージョンへの制御されたスイッチオーバーを開始します。
  • Extract/Replicatが正しく起動すること、チェックポイントが一貫していること、下流システムが重複や欠落なくデータを受信することを確認します。
クロスリージョン・スタンバイ・ピアへのスイッチオーバー
  1. スイッチバックする、または新しいプライマリを維持する
  • ペアリングを反転して元のトポロジを復元するか、DRリージョンを新しいプライマリとして指定します。
  1. 運用と最適化を行う
  • 両リージョンでアラーム、メトリック、ログを設定します。
  • ラグ、スループット、エラー、チェックポイント経過時間を監視します。
  • IAMポリシー、ネットワーク・ルール、暗号化状態を定期的に再検証します。

まとめ

OCI GoldenGateのクロスリージョン・ディザスタ・リカバリは、リージョンが停止した場合でもデータ移動をオンラインに保ちます。リージョン間でデプロイメントをペアリングし、構成、資格証明、チェックポイントを保護することで、プロセスを再作成することなくRTOとRPOを短縮できます。その結果、分析、統合、AIワークロードを最新かつ信頼できる状態に維持できます。

次のステップ: