2026年7月の MySQL リリースが利用可能になりました。今回のリリースには次が含まれます。

  • MySQL 26.7.0 イノベーションリリース
  • MySQL 9.7.2 LTS
  • MySQL 8.4.11 LTS

MySQL 26.7.0は、MySQL 9.7 LTSの後に続く、一般提供(GA)の最初のイノベーションリリースであり、新しいカレンダーベースのバージョニングモデルを採用した最初のMySQLリリースでもあります。

MySQL 9.7.2 と MySQL 8.4.11 は、現在の MySQL Long-Term Support リリースラインにおける四半期ごとのメンテナンスサイクルを継続するものです。

MySQLの新しいカレンダーバージョニングモデル

MySQL 26.7.0 以降、MySQL イノベーションリリースでは、カレンダーに基づく 年.月.パッチ番号、すなわち YY.M.P 形式のカレンダーベースのバージョン表記を採用します。

  • 26 は 2026年を表します
  • 7 は 7月を表します
  • 0 はパッチ番号です

したがって、次に予定されている イノベーションリリースは MySQL 26.10.0 となり、2026年10月のリリース時期を表します。

カレンダーバージョニングにより、イノベーションリリースラインがいつ始まったのか、また四半期ごとのサイクルの中での位置付けが分かりやすくなります。既存の MySQL 8.4 および MySQL 9.7 LTS のリリースラインは、サポート期間の間は従来どおりの位置付けとなります。

イノベーションリリースと LTS は、いずれも本番環境向けのリリーストラックです。

  • イノベーションリリースは、定期的にテストとアップグレードを行えるユーザー向けに、最新の機能、改善、非推奨化、削除、バグ修正を提供します。
  • LTSリリースは、安定した機能セットと四半期ごとのメンテナンス更新、そしてより長いサポートライフサイクルを提供します。

詳細は、より予測しやすい MySQL リリースモデル: カレンダー・バージョン、LTS、Innovation を参照してください。

MySQLの四半期リリースサイクルは継続

MySQLは、計画された四半期リリースを Oracle の Critical Patch Update サイクルに合わせています。

四半期メンテナンスリリースは、セキュリティ修正だけに限定されません。LTSメンテナンスリリースには重要なバグ修正が含まれることがあり、イノベーションリリースにはバグ修正と新機能が含まれます。

2026年10月時点では、次が予定されています。

  • MySQL 26.10.0 イノベーションリリース
  • MySQL 9.7 LTS の四半期メンテナンスリリース
  • MySQL 8.4 LTS の四半期メンテナンスリリース

2026年7月のMySQL Serverリリース

MySQL Server 26.7.0 Innovation には以下が含まれます。

  • 新機能、バグ修正、セキュリティ修正
  • MySQL 26.7.0 リリースノートの記載事項

MySQL Server 9.7.2 LTS には以下が含まれます。

  • バグ修正とセキュリティ修正
  • MySQL 9.7.2 リリースノートの記載事項

MySQL Server 8.4.11 LTS には次が含まれます。

  • バグ修正とセキュリティ修正
  • MySQL 8.4.11 リリースノートの記載事項

各バージョンのリリースノートには、変更内容の一覧が記載されています。

MySQL Server 26.7.0 のハイライト

MySQL 26.7.0 は、MySQL Community Server 26.7 Early Accessリリース で先行公開されていた機能を基盤としています。MySQL Community 26.7 イノベーションリリース(Community Edition) のダウンロードページはこちらです: https://dev.mysql.com/downloads/

ハイライトは、InnoDB、レプリケーションと Group Replication、セキュリティ、アップグレードチェック、高並列接続の処理などにわたる改善です。

レプリケーション — Change Stream Applier

MySQL 26.7 では、マルチスレッドレプリケーション向けのレプリカSQLアプライヤーとして、新しく Change Stream Applier が導入されています。

Change Stream Applier は、既存の Multi-Threaded Applier に対する、チャネル単位で選択可能なオプトイン方式の代替実装です。モジュール化されたスケジューリングと実行モデルを提供し、並列トランザクション適用の改善と、将来のレプリケーション拡張の基盤を目的としています。

概要は以下の通りです:

  • 各レプリケーションチャネルごとの個別アプライヤー設定
  • チャネルごとに1 〜 1,024 のワーカースレッド
  • トランザクション適用とコミット順序の分離
  • チャネルごとのイベントメモリ制御
  • STOP REPLICA に対する応答の改善
  • パフォーマンススキーマ による設定とワーカーステータスの可視化

Change Stream Applier は、対応するレプリケーション・チャネルに対して APPLIER_VERSION=2 を設定することで選択されます。既存の Multi-Threaded Applier は APPLIER_VERSION=1 で引き続き利用することができます。

詳細は、Change Stream Applier (CSA) の紹介: 先行公開版(Labsリリース)で利用できる新しい MySQL レプリケーションアプライヤ を参照してください。

スレッドプール・プラグイン

MySQL Thread Pool Plugin が MySQL Community Edition でも利用できるようになりました。

スレッドプール・プラグインは、デフォルトの 「1 接続につき 1 スレッド」という実行モデルに代わる方式を提供します。大量のクライアント接続にまたがってステートメント実行スレッドを管理し、高並列ワークロード下における過剰なコンテキスト・スイッチ、OS スケジューリング負荷、リソース競合の低減に役立ちます。

Community Edition でスレッドプール・プラグインが利用できるようになったことで、同時接続数の多いワークロードに対して、より多くのユーザーが MySQL のスレッドプールスケジューリングを評価・利用できるようになります。

グループレプリケーションの通信スタック

Group Replication のデフォルト通信スタックが XCOM から MYSQL に変更されます。

MySQL の通信スタックは MySQL Server の接続セキュリティと認証を使用するため、グループレプリケーションをサーバー全体で使われているセキュリティ構成により近づけます。

既存の グループレプリケーションの環境をアップグレードする管理者は、設定を慎重に見直す必要があります。グループ内のすべてのメンバーは同一の通信スタックを使用する必要があり、スタックの変更には連携した運用手順が必要です。

MySQL InnoDB Cluster はすでに MySQL 通信スタックを使用しており、XCom を明示的に使用している構成ほどの影響は受けません。

MySQL 26.7 では、グループレプリケーション の XCom 関連設定オプションに対する非推奨警告も導入されます。設定ファイル、デプロイ自動化、運用ドキュメントにこれらの設定への依存がないか、見直しをお願いします。

より堅牢になった InnoDB undo 領域の切り詰め

MySQL 26.7 では、InnoDB undo tablespaceの堅牢性が向上しています。

Undo 領域を切り詰める際の進行状況は、ローカルに生成される undo-truncation ログファイルに依存するのではなく、undo tablespace ヘッダーに保存されるようになりました。既存の truncation ログファイルは後方互換のために引き続きサポートされますが、新しい truncation ログファイルは生成されなくなります。

これにより、既存のトランザクション可視性と MVCC の挙動を維持しながら、切り詰めとリカバリの仕組みが改善されます。

ポスト量子暗号のサポート

MySQL Server 26.7 は、OpenSSL 3.5 以降でビルドされる前提のもと、ポスト量子鍵交換アルゴリズムをサポートします。

サーバーは、相互運用性を高めるためにハイブリッド方式を優先しつつ、ハイブリッドおよび純粋なポスト量子グループをサポートします。厳密なポスト量子準拠が不要な場合には、従来の鍵交換アルゴリズムを使用できます。

これにより、長期間保持されるデータ、将来を見据えた暗号化ポリシー、または規制上のセキュリティ要件を持つワークロードについて、ポスト量子暗号の評価を行うことができます。

詳細は、MySQL におけるポスト量子暗号サポート を参照してください。

アップグレードチェックの進行状況表示

互換性チェックとアップグレードチェックで、進行状況が表示されるようになりました。

大規模スキーマや複雑なデプロイメントでは、アップグレードチェックにかなりの時間がかかることがあります。進行状況の表示により、管理者はチェックの現在のフェーズをより把握しやすくなり、長時間かかっている処理と停止している処理を見分けやすくなります。

これにより、アップグレード前の検証状況を監視し、トラブルシューティングやアップグレード手順に組み込みやすくなります。

MySQL Enterprise Editionのハイライト

動的データマスキング

MySQL 9.7 LTS で導入された 動的データマスキングは、MySQL Enterprise Edition の提供機能として MySQL 26.7.0 イノベーションリリース でも利用できます。

動的データマスキング は、アプリケーション変更や本番データの別のマスク済みデータコピーなどを必要とせずに、社会保障番号、メールアドレス、電話番号、その他の識別子などの機密情報を保護するのに役立ちます。

マスキングポリシーはベーステーブルの列に直接関連付けられます。クエリ実行時に、MySQL は実行ユーザーまたは有効なロールに基づいて、元の値またはマスクされた値のいずれかを返却します。

主なメリットは次の通りです:

  • アプリケーションやクエリ経路全体にわたるサーバー側での強制適用
  • ユーザーおよびロールベースでの非マスク値へのアクセス
  • マスキングビューの作成・管理の削減
  • レポーティング、分析、AI支援クエリに対する一貫した保護
  • 最小権限のデータアクセスモデルのサポート

詳細は、MySQL における動的データマスキングの紹介: アプリケーションを変更せずに機微(センシティブ)情報を保護する を参照してください。

MySQL Enterprise Audit — 監査ログファイルの見える化

MySQL 8.4.11 LTS、MySQL 9.7.2 LTS、MySQL 26.7.0 イノベーションリリース の MySQL Enterprise Audit では、設定された監査ログディレクトリに保存されている JSON 監査ログファイル数を報告するステータス変数が追加されます。

監査ログプラグインでは audit_log_file_count ステータス変数を、Audit Log コンポーネントでは audit_log.file_count ステータス変数を利用できます。これらの値は、監査ログファイル作成、ローテーション、削除、その他の理由で除去される度に更新され、ディスク上に実際に存在するファイル数を正確に把握できます。

この機能は JSON 形式の監査ログでサポートされます。XML 形式では、カウンタを維持するために必要なファイルインデックスや削除の仕組みがありません。

この見える化により、管理者は監査ログファイル管理に役立ち、OCI Oracle Log Analytics への 監査ログのオフロードを補完します。監査ログディレクトリに残るファイル数が予期せず増加した場合、アラートのトリガーとして利用でき、監査ログオフロードが期待通りに動作していない可能性を確認することができます。

MySQL クライアント、ツール、コネクタ

MySQL クライアント、ツール、コネクタの2026年7月版は 26.7 です。

MySQL Workbench、MySQL Shell、MySQL Router、MySQL Connectors などの製品は、複数の MySQL Server バージョンをサポートします。そのため、イノベーションリリース または LTS リリースとして分類されません。

選択した MySQL Server リリースに対応する各クライアント、ツール、コネクタの最新互換版をインストールしてください。サポートされる サーバーのバージョン、互換性情報、修正内容、変更点については、各製品のドキュメントおよびリリースノートを確認してください。

アップグレードの指針

リリーストラックは、運用要件とアプリケーション要件に基づいて選択する必要があります。

  • 最新の MySQL 機能の利用・四半期ごとのテストとアップグレードが可能な場合は、MySQL 26.7.0 イノベーションリリースへの移行を検討してください
  • 最新の LTSリリースを利用したい方は、MySQL 9.7 LTS を評価して利用を検討してください
  • MySQL 8.4 LTS 系列に標準化している方は、最新の 8.4 メンテナンスリリースである MySQL 8.4.11 に更新してください
  • 旧バージョンのMySQL リリースを利用している方は、現在サポートされている LTS 系列への移行計画を検討してください

アップグレード前には、適用対象のリリースノートとアップグレードドキュメントを確認し、互換性チェックとアップグレードチェックを実行し、テスト環境でアプリケーションの挙動と性能を検証してください。

参考情報:

MySQLのダウンロード

最新の MySQL Community Editionは、MySQL Downloads ページからダウンロードできます。

いつも MySQL をご利用いただきありがとうございます。