この記事は MySQL HeatWave on AWS – New and upcoming capabilities in March and April 2023 の翻訳版です。​

 MySQL HeatWave on AWS – 新機能と今後の予定 2023年3月・4月

 

HeatWave スケールアウトデータ管理

MySQL HeatWave on AWSは、S3上に構築された最適化されたストレージレイヤーを提供し、HeatWaveのインメモリハイブリッドカラムナー型のデータを保持するようになりました。これにより、独立したそれぞれのHeatWaveノードに並列してデータを再ロードすることができ、サービス起動や障害復旧、メンテナンス、システム再起動などのパフォーマンスが大幅に改善されます。

HeatWave Scale out storage

また、HeatWaveストレージレイヤーから高速なデータリロードにより、簡単かつ迅速にHeatWaveクラスタを一時停止・再起動が可能になったことで、HeatWaveを利用しない際は停止しておきコストを削減することができます。

4TBのTPCHデータでは、MySQLからLINEITEMテーブルデータをリロードするのに140分かかるのに対し、HeatWaveストレージレイヤーからのリロードは3.5分と、40倍も改善されています。

TPCHテーブル

データサイズ

行数

スケールアウトストレージなし

スケールアウトストレージあり

高速化

LINEITEM

3.38TB

24575963562

140 分

3.5 分

40倍

ORDERS

749 GB

6144000000

33 分

43 秒

46倍

CUSTOMER

102GB

614400000

14 分

9 秒

93倍

 

HeatWaveのスケールアウトデータ管理の詳細についてはHeatWaveアーキテクチャに関するドキュメントを参照してください。

 

OLTP向けのMySQL Autopilot: 自動シェイプ予測

自動シェイプ予測は、最新のクエリ実行メトリクスを収集し高度な機械学習モデルを使用して、最適なトランザクション処理性能を実現するMySQLインスタンスのシェイプを予測します。自動シェイプ予測は、OLTPワークロードを継続的に監視し変化するワークロードパターンに適したレコメンドを提供するため、長期にわたってOLTP向けの最適なコストパフォーマンスを維持することができます。

Auto Shape Prediction

自動シェイプ予測機能により、データベース管理者がOLTPワークロードに最適な構成を見つけ出すための手作業が不要になります。メモリやCPUが不十分なMySQLインスタンスシェイプを使用すると、バッファープールミス(長時間のIO)の頻発やCPUの過剰使用により、パフォーマンスが著しく低下します。MySQLインスタンスシェイプを過剰にプロビジョニングすると、サーバー(DRAM、CPU)リソースの利用は不足し、本来は不要なリソースコストが発生することになります。適切なMySQLインスタンスシェイプを選択するには、ワークロードによって理想的なサイズ(read/write比率、ファイルサイズ、アクセスパターン)が決定されるため、本番環境のワークロードを分析する必要があります。さらに、ワークロードは時間経過とともに変化するため、ワークロードの継続的な監視と評価が必要です。

自動シェイプ予測は、バッファプールの使用量やワークロードの内容、実行中のワークロードのアクセスパターンなど、MySQLの統計情報を継続的に収集します。統計情報はさまざまな間隔で収集され、高度な機械学習技術に基づいて予測値が作成されます。収集するタイミングでアクティビティが不十分であったり、バッファプールの使用量が増加している場合は、自動シェイプ予測機能が収集する間隔を延長します。

 

Auto Shape Prediction advisor

MySQL HeatWave on AWSでは、自動シェイプ予測のためのインタラクティブなWebコンソールインターフェースも提供します。これにより、自動シェイプ予測機能からのレコメンドを簡単に確認することができます。また、バッファプールヒット率やバッファプール利用率などのメトリクスでワークロードの傾向と分析結果を表示し、ワークロードをよりよく理解することができます。

詳細については、 自動シェイプ予測に関するドキュメントを参照してください。

 

MySQL構成

MySQL HeatWave on AWSでMySQL構成が利用できるようになりました。これにより、DBシステム上のMySQL構成を確認したり、カスタマイズしたMySQL構成を作成してDBシステムに適用することができます。

MySQL HeatWave on AWSは、シェイプやワークロードに基づき、あらかじめ定義され最適化されたMySQL構成セットを提供します。MySQL HeatWave on AWSは、OLTPのみのワークロードとOLAP/ミックスワークロードをサポートしています。各MySQLのシェイプに対して、2つのデフォルト構成が用意されています:

  1. OLTPワークロードに最適化されたMySQLのみの構成
  2. OLTP/OLAPが混合したワークロードに最適化されたMySQLとHeatWaveの構成

 

Configurations

図1. MySQL構成表示

 

デフォルトの構成をベースに、必要な初期変数やユーザー変数を設定してカスタム構成を作成し(図2・3)、新規または既存のDBシステムにカスタマイズされた構成を適用することができます(図4)。

 

Create configuration

図2. カスタム構成の新規作成ステップ1

 

Create configuration

図3. カスタム構成の新規作成ステップ2

 

Update configuration

図4. カスタム構成の適用

 

自動バックアップ

MySQL HeatWave on AWSが自動バックアップに対応しました。DBシステム作成時に指定した時間にバックアップが自動作成されます。デフォルトの保持期間は7日間です。保持期間は1~35日の間で定義することができます。DBシステムを削除するとスケジュール作成されたバックアップも削除されます。

Automatic backup

 

 

HeatWave AutoMLのインタラクティブなコンソール

HeatWave AutoMLのインタラクティブなコンソールを使って、HeatWave AutoML機能を活用することができるようになりました。機械学習モデルのトレーニング、予測、モデルや個々の予測の説明、モデルの視覚化、特徴量の変化がモデルの出力結果に与える影響を判断するためのwhat if分析などがコンソールから操作可能です。この対話型コンソールにより、データサイエンスやデータベースの専門知識を持たないユーザーでも、機械学習機能をより簡単に利用することができます。 

 

HeatWave AutoML console

 

HeatWave AutoMLコンソールの機能については、ブログ MySQL HeatWaveにおいて機械学習を活用するための対話型コンソールをご参照ください。

 

補足資料