この1年間、MySQLエコシステム全体における透明性とコミュニティとのエンゲージメントを高めるため、さまざまな取り組みを進めてきました。公開ロードマップディスカッション、Early Accessリリース、WorkLogの公開、バグ情報の透明化とバックログ削減、公開ディスカッション、GitHub Discussionsの積極活用、そしてコントリビューター向けイベントなどを通じて、コミュニティの皆さまがMySQLで進められている開発を理解し、フィードバックを寄せ、将来のMySQLづくりに参加できる機会を広げてきました。
この夏、MySQLコミュニティとの対話は、JAPAC(日本・韓国・台湾)地域でも、対面イベントを通じて行われました。
OracleのVice President of External Standards & Community Engagement を務める Heather VanCura は、日本、韓国、台湾のMySQLコミュニティを訪問し、ユーザーグループ、開発者、お客様、大学関係者、メディア、そしてオープンソースコミュニティのリーダーとの意見交換を行いました。
目的はシンプルでした。耳を傾け、学び、そして共創することです。
日本、韓国、台湾で行われた対話
今回のJAPACを巡る旅は、一連の公開ディスカッションと第1回MySQL Contributor Summitで始まった対話を継続するものです。
各地では、MySQL Community Edition、ロードマップの透明性、コントリビューションの仕組み、GitHubでのコラボレーション、ガバナンス、今後の機能開発について多くのフィードバックが寄せられました。
日本では、MySQL User Group Japan (MyNA)が、MySQL コミュニティへの取り組みや、Contributor Summitのフィードバック、地域コミュニティに焦点を当てたミートアップを開催しました。この訪問には、AWSとのコミュニティラウンドテーブル、メディアインタビューに加え、Javaユーザーグループ北海道(Hokkaido JUG)代表である山川宏人教授が主催する地域の理工系教育機関も訪問しました。

韓国では、HeatherがMySQLコミュニティ、お客様、メディアと意見交換し、オープンガバナンス、GitHubを活用したコラボレーション、コミュニティロードマップ、MySQL 9.7 LTSを含む、MySQL コミュニティの次のフェーズについて議論しました。

台湾では、MySQLの最新情報、コミュニティとのコラボレーション、今後の貢献機会にフォーカスした合同ユーザーグループイベントでツアーを締めくくりました。悪天候のため、このイベントはオンラインで開催されました。

これら一連のイベントを通じて、コミュニティとの交流はオンラインだけにとどまらないことが改めて明らかになりました。地域ごとの課題や期待を理解し、信頼関係を築き、Oracleの開発チーム、コミュニティリーダー、そしてMySQLユーザーの間でより強いつながりを作るために対面での交流は今なお重要な機会となります。
透明性から貢献へ
ツアー全体を通じて一貫して語られたテーマは、透明性は引き続き重要である一方、フィードバックを具体的な成果へ変えるのはコミュニティへの参加である、ということでした。
現在のMySQLコミュニティでは、ユーザーやコントリビューターがロードマップを注視し、フィードバックの投稿、機能リクエストの提出、技術的な議論への参加、そして開発プロセスのより早い段階から関わることをより容易に行える取り組みを進めています。
韓国でのメディアとの意見交換の際にも、この方向性が紹介されました。また、よりオープンなガバナンス、明確なコントリビューターの役割、GitHubでのコラボレーション、AWSやGoogle Cloudを含むエコシステム全体での幅広い連携を通じて、OracleはMySQLコミュニティへの貢献を推進していく方針を示しました。
目標は、単により多くの情報を公開することだけではありません。アイデア、フィードバック、テスト、ドキュメント、機能提案、コードなどコミュニティが貢献できる仕組みを整えることです。
ガバナンス、GitHub、コミュニティロードマップ
ガバナンスについては、JAPACツアーを通して繰り返し話題になったテーマの1つでした。
新しいMySQLガバナンスモデルでは、コントリビューター、コミッター、プロジェクトリーダー、Technical Steering Committee、そして脆弱性対応に関する役割を明確に定義しています。これにより、MySQLユーザーが期待する品質、セキュリティ、互換性、安定性を維持しながら、コミュニティがより透明性が高く総合的に貢献できるようになります。
また、GitHubもコラボレーションの中心的な場所になりつつあります。MySQLコミュニティのGitHubリポジトリ、ディスカッション、課題、Wiki、ロードマップは、コミュニティからのフィードバック、機能リクエスト、設計案、およびその後の取り組みを、よりオープンに可視化できるようになっています。
これらの取り組みは、まず議論するというアプローチを支えています。つまり、アイデアを共有し、フィードバックを集め、提案を練り上げ、適切な場合には実装へ進めていくと言うアプローチです。
AI、ベクトル、MCP、そしてMySQLのこれから
JAPACでの議論では、MySQLの将来的な技術的方向性、特にAI時代に求められるデータベースの将来像についても大きな関心が寄せられました。
AIとクラウドの連携、パフォーマンス、可観測性、拡張性、開発者体験(DevEx)は、MySQLコミュニティロードマップにおける重要な分野です。韓国でのメディアブリーフィングでは、ネイティブベクトルサポート、ベクトルインデックス、MCP統合といったAI関連のトピックが重点ぶんやとして取り上げられました。
AIエージェント、RAGアプリケーション、リアルタイムのデータ駆動型システムが進化し続ける中で、MySQL Community Editionは、ユーザーからの信頼性、安定性、幅広い互換性を維持しながら、最新のアプリケーション開発を支援するうえで重要な位置づけにあります。
地域コミュニティの声が未来をつくる
今回のJAPACツアーを通じて、地域コミュニティがMySQLの将来を形作るうえで重要な役割を果たしていることが改めて認識されました。
日本、韓国、台湾のコミュニティからは、実践的なフィードバックや技術的な質問、機能要望、そしてMySQLの未来により積極的に関わりたいという多くの声が寄せられました。
こうした対話は、地域で培われた経験をグローバルなロードマップへとつなげるものであり、ユーザーグループや開発者コミュニティ、各地域のリーダーが、現場のユースケースやアイデアをMySQLエコシステム全体へ共有する重要な役割を担っています。
今後は、公開ディスカッション、GitHub、ユーザーグループ、Contributor Summit、地域コミュニティイベントで寄せられたフィードバックを、より体系的で実践的なコラボレーションプロセスへと結び付けていきます。
対話はこれからも続きます
MySQLコミュニティは、これまでもコラボレーションによって成長してきました。
コードの提供は重要ですが、それだけではありません。テスト、ドキュメント作成、バグ報告、ベンチマーク、機能リクエスト、設計フィードバック、本番環境での知見、教育活動、そしてコミュニティ運営もMySQLをより良いものにする重要な貢献です。
今回のJAPACツアーは、MySQLを日々利用し、支援し、教え、拡張し、そして貢献している多くの人々とのつながりをさらに深める機会となりました。
コミュニティとの対話は、これで終わりではありません。今後は中南米や欧州でもコミュニティ活動を予定しており、世界各地のMySQLユーザー、コントリビューター、コミュニティリーダーから話を聞き、学び、協力する機会を作ります。
日本、韓国、台湾で開催したイベントにご参加いただき、フィードバックや質問をお寄せいただいて対話を進めてさせてくださったすべての皆さまに、心より感謝いたします。
OracleとMySQLコミュニティは、これからもMySQLの未来を共に築いていきます。
関連メディア掲載
JAPACコミュニティツアーは、日本・韓国のメディアでも取り上げられました。記事では、MySQLコミュニティへの参加推進、オープンガバナンス、GitHubを活用したコラボレーション、コミュニティロードマップ、AI・ベクトル検索への取り組み、そして地域コミュニティとの連携などが紹介されています。
- ZDNet Korea: Oracle、オープンガバナンスを拡大。AI・ベクトル対応をロードマップの重点項目として発表
- Digital Daily: AI時代のデータベース競争が激化。Oracle、MySQLのオープンガバナンスを加速
- ETNews: Oracle、MySQLコミュニティへの参加を推進し、オープンソースエコシステムを強化
- CodeZine Japan: MySQLコミュニティ、エコシステム共創に向けた変革への取り組み



