2026年4月21日、3回目となる公開ディスカッションでは、透明性、参加、そして MySQL の将来をめぐる対話がさらに深められました。これまでのセッションの勢いを引き継ぎつつ、このウェビナーでは、すでに進行中の取り組み、MySQLコミュニティ版の短期的な計画、そしてコミュニティメンバーが実際に参加できる方法に焦点が当てられました。

議論の中心にあったのは、MySQL Community Engagement Strategy です。この戦略は引き続き、次の 3 つの優先事項に重点を置いています。

  • コミュニティ版により多くのイノベーションを提供すること
  • エコシステムを拡大し成長させること
  • 透明性とコミュニティ参加を高めること

今回のセッションでは、これらの目標が単なる戦略にとどまらず、すでに複数の取り組みとして具体的に動き始めていることが示されました。

リリース計画とロードマップの進捗

ウェビナーで共有された大きなアップデートの一つは、MySQL 9.7 LTS のリリースでした。議論では、今後も四半期ごとのリリースと、定期的な Early Access リリースのサイクルを継続していくことが改めて確認されました。MySQL コミュニティ版の公開ロードマップは、今後さらにコミュニティからの意見を取り入れて形づくられていきます。これと並行して、商用版の機能のうち、将来的にコミュニティ版へ取り込むのに適したものを見極める作業も続けられています。

透明性を継続的に高めるための重点分野としては、一部の CVE 情報dev.mysql.com で公開すること、選定された WorkLog の公開を継続すること、そしてコミュニティのニーズに沿ったロードマップ項目を優先することが挙げられました。ベクトル機能は将来リリースに向けた重要なターゲットであり、スレッド・プールもコミュニティ版への追加候補として挙げられました。

Planet MySQL の改善が進行中

Planet MySQL に関するアップデートも共有されました。計画されていた改善作業はすでに始まっています。初期の取り組みは、比較的工数の小さい改善に重点を置いています。これは、チームがコードベースへの理解を深めるのに役立つと同時に、フィルタリング処理のより大規模なリファクタリングに向けた土台作りにもなります。

そのほかの優先度の高い改善としては、コミュニティメンバーがコンテンツをより簡単に投稿できるようにすること、そしてエコシステムやツールを紹介するスポットライトページを作成することが含まれます。

これらのアップデートは、コミュニティコンテンツをより見つけやすく、より投稿しやすく、そしてより広いエコシステムにとって有用なものにしていくという、より大きな取り組みを反映しています。

Early Access リリースとコミュニティからのフィードバック

もう一つの主要なトピックは、Early Access リリース・プログラムでした。MySQL 9.7 の正式リリース前には 2 回の Early Access リリースが提供されており、将来的には Early Access ビルドをさらに高頻度で公開していくことも視野に入れています。

早期段階での参加状況はすでに好調で、9.7 向けの 2 回の Early Access リリースを合わせたダウンロード数は約 11,000 件に達しています。コミュニティからのフィードバックは、引き続きこのプロセスの重要な一部であり、リリース体験と製品そのものの両方を改善する助けになっています。

コミュニティ参加が特に大きな影響を与えられる領域として、次のものが明確に示されました。

  • 実践的なテスト
  • バグ修正の検証
  • より広範な製品フィードバック

この重点は、開発をより協調的なものにし、ユーザーがより早い段階からリリース品質の形成に関われるようにする継続的な取り組みを反映しています。

バグ報告と機能要望の透明性向上

セッションの多くの部分は、バグのバックログに関してこれまでに達成された進捗と、バグ報告をめぐる透明性の向上に充てられました。現在の取り組みには、新しいツールの評価、提案内容を標準化するためのテンプレート整備、バグのトリアージ改善、進捗状況の伝え方の改善が含まれます。

バグのバックログの継続的な改善については段階的なアプローチが計画されており、まずは 8.x 系列に関連する課題が対象になります。コミュニティメンバーに対しても、関心がある場合はバグ検証に協力してほしいとの呼びかけがありました。

進捗の測定

MySQLコミュニティチームは、前回の公開ディスカッションの要約を共有し、進捗をどのように測定すべきかについて説明しました。追跡する指標には、前年との比較における次の改善が含まれます。

  • コミュニティ貢献の量と質
  • 新規コントリビューターおよび中心的コントリビューターの増加
  • 対応された課題、バックログの進捗、応答時間
  • コミュニティから提出されたパッチの量と質
  • ロードマップ・プロジェクトにおけるイノベーションとリーダーシップ
  • イベントやソーシャルでの関与と参加

これらの指標は総じて、時間をかけて、よりオープンで説明責任のあるコミュニティエンゲージメントモデルへ進んでいく方向性を示しています。

Contributor Summit と新機能要望

このセッションでは、2026 MySQL Contributor Summit の開催予定も案内されました。開催日は 2026年5月26日(火)、形式は ハイブリッド(オンラインおよび現地参加)、開催地は カリフォルニア州レッドウッドショアーズ です。

新機能を提案し、Contributor Summit での議論づくりに関わりたいコントリビューター向けには、参加方法として次の手順が示されました。

  1. 案したい機能または改善点を特定する。なお、公開 MySQL Community Roadmap に沿った機能が優先されます。
  2. 設計提案テンプレートに記入する。
  3. 機能要望を登録し、提案書を添付する。
  4. Contributor Summit に参加登録する。
  5. サミット前のミーティングに参加し、アイデアについてより深く議論する。

また、提案の準備やプロセスへの参加に役立つ追加リソースとして、MySQL Developer Guide も紹介されました。

今後に向けて

セッションは、開発者、テスター、そしてコミュニティメンバーに対し、今後の公開ディスカッション、特に MySQL への貢献プロセス改善に焦点を当てた議論に参加してほしいという明確な呼びかけで締めくくられました。

セッション全体を通じたメッセージは一貫していました。透明性は向上しており、参加機会は広がっており、コミュニティからの意見は今後も MySQL の将来を形づくるうえで重要な役割を果たし続ける、ということです。

MySQL コミュニティ版 9.7 が利用可能となり、ロードマップの可視性が高まり、Planet MySQL の改善が進み、さらに貢献ワークフローに関する新たな取り組みも動き始めています。第3回公開ディスカッションは、よりオープンで、より協調的で、よりコミュニティ主導の MySQL エコシステムに向けた、もう一つの意味ある前進となりました。

次回の公開ディスカッションは 5月に開催され、MySQL Community Contributions に焦点を当てる予定です。