2024年は、HeatWave MySQLにとって飛躍の年であり、クラウドおよびデータベースのコア機能全体に数多くの機能強化を行いました。高可用性とディザスタ・リカバリの改良から、パフォーマンス、システム管理、運用の効率まで、スケーラビリティ、効率性、使いやすさを向上させる重要なマイルストーンを達成しました。このブログでは、2024年に導入された重要な機能強化をご紹介します。

高可用性および障害時のリカバリ:

  • HeatWave: リージョン間のDB Systemバックアップ:
    • バックアップをあるリージョンから別のリージョンにコピーし、データの耐久性とディザスタ・リカバリ機能を強化

    • データ管轄の規制/コンプライアンスに準拠

    • リージョンが使用できなくなった場合、ユーザーはリージョン間バックアップを使用して、データ損失を最小限に抑えて別のリージョンのHeatWaveインスタンスをリストア可能

    • リージョン間のバックアップはOCIアイデンティティ・ポリシーをサポートし、リージョン間のデータ移動を制

  • HeatWaveクラスタを使用した高可用性構成MySQL DBシステムのシェイプ変更:
    • Heatwaveクラスタを使用し、かつ高可用性構成にしているMySQL DBシステムのシェイプを変更可能に

    • これまでは、シェイプ変更のためには一度HeatWaveクラスタを終了し、シェイプ変更後に再作成が必要だった

    • HeatWaveクラスタはそのままでシェイプ変更できるようになったため、サービスの停止時間を大幅に短縮

 

パフォーマンスの向上:

  • MySQLのハイパーグラフ・ベースのオプティマイザ: 
    • より最適化された実行計画のための「真の」コスト・ベースの意思決定を実現

    • 特にヒント句を使用しない結合を含む複雑な問合せのパフォーマンスが向上

    • TPC-HやTPC-DSクエリなど、業界標準のベンチマークで複雑なクエリを競合製品よりも大幅に高速に実行

  • Autopilot Indexing: HeatWaveのAutopilot Indexingは、お客様がMySQL DBシステムを最適化してコストとパフォーマンスを向上させるために役立つように設計された機械学習ベースの機能
    • ワークロードに最も有益なセカンダリ・インデックスを自動で判別

    • 現在のワークロードに基づいて索引を作成および削除するための「セカンダリ・インデックスの推奨」を自動的に生成

    • 問合せのパフォーマンスとインデックスのメンテナンス・コストの両方を考慮

    • インデックス作成時間、パフォーマンスおよび記憶域の見積り、および生成される推奨事項の説明を提供

  • 一括データロード (Bulk Ingest): インスタンス作成時に、大量のデータをHeatWave MySQLのInnoDBストレージ・エンジンを使用しているテーブルに一括でロードする機能を追加

    • データを並列でテーブルにロード

    • 元データがソートされているかソートされていないにかかわらず、データのインポートのパフォーマンスが向上

 

主なリリース: LTSとイノベーション: MySQLリリース・モデルは、LTS (Long-Term Support)とInnovationの2つの主要トラックに分割されています。

  • LTSおよびInnovationのすべてのリリースには、バグおよびセキュリティ修正が含まれ、本番グレードの品質

  • LTSリリースは、より安定性が高く、機能追加は限定的。後続のマイナー・バージョンでは、機能は削除または追加されない

  • イノベーション・リリースには、アプリケーションの最新のイノベーションを活用したいお客様向けの最先端テクノロジーに関する高度な機能を含む

  • MySQL 8.4.0 LTSおよび8.0.37のサポート:  MySQL 8.4.0は、MySQL 8.3.0 イノベーション・リリースまでの改良点をもとにした、新しいLong Term Support (LTS)リリースの最初のバージョンです。MySQL 8.4では、常に同じHeatWave MySQL機能をご利用いただけます。
    ※2024年1月末時点での最新バージョンはMySQL 8.4.4と8.0.41 LTS

  • 最初のイノベーション・リリース- HeatWave 9.0.0:

    • 9.0.0 で導入された新機能は、HeatWave GenAI、Autopilot索引アドバイザおよびJavaScriptストアド・プログラムなど

    • HeatWaveのバージョン9.1.2 では、HeatWave Lakehouseでの選択的データ・ロード、HeatWave AutoMLでのより効率的なメモリー使用、およびHeatWave GenAIでの「取得拡張生成(RAG)」の高度な取得オプションをサポート
      ※2024年1月末時点での最新バージョンは9.2.0イノベーション・リリース

 

DBシステム管理:

  • DBシステムのECPUシェイプ:
    • ECPUシェイプはアーキテクチャに依存せず、MySQL DBシステムのすべてのECPUシェイプはHeatWaveクラスタをサポート
  • 自動ストレージ拡張: HeatWave自動ストレージ拡張は、増加するデータベース・ワークロードに対応するためにストレージ容量を動的に調整

    • ダウンタイムのない継続的な運用

    • 空きストレージ領域が不足すると、割り当てられたデータ・ストレージ・サイズが自動的に増加

    • HeatWave自動ストレージ拡張機能は、設定が必要なのは最大ストレージ制限のみであり、システムが自動的にスケーリングを管理

  • 連絡先管理: データベース・システムの計画メンテナンス・アクティビティまたは計画外メンテナンス・アクティビティ中に、システム・ダウンタイムの通知をユーザーに設定可能

    • 適切な担当者に速やかに情報を提供して、ユーザビリティを向上

    • 必要とするアクションを実行し、システムの信頼性を維持できるよう支援

  • 独自の証明書の持込み(Bring Your Own Certificates): HeatWave MySQLで、暗号化された接続に独自のセキュリティ証明書を使用できるように

    • DBシステムの作成時に、Oracle Cloud Infrastructure (OCI)証明書サービスから証明書を指定するだけ

    • DBシステムの証明書を自動的にローテーション

    • OCI証明書サービスは、すべての証明書を作成、インポートおよび管理可能

       

HeatWave MySQLの可観測性と管理:

  • OCIのDatabase ManagementサービスでのHeatWaveクラスタの監視:  HeatWave MySQL DBシステムの既存のデータベース管理機能に加えて、HeatWaveクラスタの稼働状況、容量およびパフォーマンスに関する詳細をすばやく取得可能。注目すべき機能は次のとおり:

    • DBシステムの重大度別のオープン・アラームの合計数およびアラーム数の監視

    • 稼働状況の時系列の変化を監視可能。このタイムラインには、選択した期間中のHeatWaveクラスタの稼働ステータスの概要を表示

    • メモリー(%)やCPU(%)などの主要なHeatWaveクラスタの稼働統計を監視

  • Ops Insightsによる監視
    • 機械学習ベースのリソース使用状況トレンドと容量計画

    • データ・エクスプローラ・ベースのSQLパフォーマンス分析およびダッシュボード機能

    • コスト管理の消費を予測し、ワークロード(SQL)パターンを予測してパフォーマンスとスケーラビリティを向上可能

 

これらの機能およびその他の新機能の詳細は、Oracleドキュメントのリリース・ノートを参照してください。

 

まとめ:

世界で最も人気のあるデータベースとして、HeatWave製品チームは、すべてのビジネス・ニーズにお答えするため、可用性、パフォーマンス、操作性および開発者の生産性のイノベーションを提供し続けています。


HeatWaveの製品ポートフォリオには多数のイノベーションが組み込まれています。Oracle Cloud Free TierのAlways Freeのリソースを使用して、まずは小規模なアプリケーションを試していただくことをお薦めします。


2025年にさらに充実した新機能を提供できることを楽しみにしています。

HeatWave MySQLをご愛顧いただきありがとうございます。