Oracle Life Sciences Empirica Signal の最新リリース 2025.4.01 が公開されました。
今回のリリースでは、バージョン番号の体系が一新されただけでなく、シグナルマネジメントやトピック管理、Oracle Analytics との連携など、日々の安全性シグナル業務に直結する改良が多数含まれています。

1. バージョン番号が「年.四半期.連番」に変更

Empirica を含む Safety Suite 全体で、リリース番号が 「2025.4.01」=2025 年第 4 四半期・1 回目のリリース というカレンダーベースの形式に統一されました。

2. プラットフォーム要件のアップデート🔧

システム要件も最新化されています。

  • アプリケーション/DB サーバ OS は Oracle Linux 9 が新たな最低要件に(従来の Linux 7.6 は対象外に)
  • 統計計算に利用する R は 4.4.1 に更新
  • WebLogic 14 & Java 21 への対応

3. データマイニングまわりの改善📊

エクスポート結果に「Empirica バージョン」を自動記録

Excel 形式でダウンロードしたデータマイニング結果に、実行時の Empirica Signal バージョンが含まれるようになりました。
どのバージョンで算出した結果なのかを後から確認できるため、監査対応や再解析時のトレーサビリティ向上に役立ちます。

PRR 層別解析の安定性向上

PRR の層別解析を有効にした大規模Runでメモリ不足エラーが発生することがあった問題について、メモリのデフォルト設定が見直され、失敗しにくい動作に改善されています

4. Oracle Analytics との連携強化📈

Signal Management データを OAS からレポート

Oracle Analytics Server (OAS) から、Empirica のシグナルマネジメントデータを直接参照できるようになりました。
BI Consumer 権限を持つユーザーは、Empirica 画面のサイドパネルからアイコンひとつで OAS に遷移し、専用サブジェクトエリアを用いた分析・ダッシュボード作成が可能です。

プロジェクトフィルタの使い勝手向上

Analytics 上のプロジェクトフィルタは、ユーザーから見えるトピックに紐づくプロジェクトのみが表示されるようになり、大量のプロジェクトから目的のものを探す手間が削減されました。

複数トピックワークフローのレポート対応

複数のトピックワークフロー構成を、それぞれ別サブジェクトエリアとして OAS からレポートできるようになりました。
マルチブランド・マルチレギュレーション環境で、ワークフロー別に KPI を比較したいケースで威力を発揮します。

5. シグナルマネジメント機能の強化

  • 年齢別/性別のブレイクダウングラフが独立したウィンドウで表示され、レビュー時の視認性が向上
  • Signal Configurationのリフレッシュ時に「Tracked Alert 計算を抑制する」オプションを追加し、大規模なConfigurationでの応答性を改善
  • 権限設計も細分化され、従来の View Signal Management に加えて、注釈・コメントの登録に必要な Annotate Signal Management 権限を新設
    これにより、「閲覧のみのユーザー」と「レビュー・コメントを行うユーザー」を明確に分けて運用できます。

6. Topics & REST API の拡張

  • 送信されたメール通知が専用ログに記録され、監査・トラブルシュートが容易に
  • サンプル GVP ワークフローに「シグナル評価方法」フィールドを追加し、GVP ベースの評価フレームとレポートの整合性を強化
  • Topics REST API に「Save to Topic」関連のメソッドが追加され、外部システムからトピック/アクションの参照・登録が可能に
  • 「Save to Topic」時に、ユーザーがアクセス可能な複数のトピックワークフロー構成から対象を選択できるように

外部ワークフロー/タスク管理ツールとの連携や、社内ポータルからのトピック起票など、拡張シナリオが広がります。

7. 新しいカスタマイズ可能な Home 画面

Empirica Signal / Topics にログインすると、タスク・データソース・ヘルプセンター情報などをまとめて表示する新しい Home 画面が出迎えます。
アラート数や進捗、データロード状況など、日々のオペレーションで確認したい情報にすばやくアクセスできるようになりました。

まとめ

Empirica 2025.4.01 は、「Analytics 連携の強化」「権限・運用コントロールのきめ細かさ」「UI/UX の改善」 にフォーカスしたアップデートです。

最新情報や技術的なご質問がありましたら、お気軽に Oracle Life Sciences 担当(hsgbu-oracle_jp@oracle.com)までお問い合わせください。


リリースノート全文はこちら:
https://docs.oracle.com/en/industries/life-sciences/empirica/2025.4.01/releasenotes/index.html