Oracle Database 12cの延長サポート終了に伴い、ORACLE MASTER Oracle Database 12cの試験の配信が終了しました。アップグレード方法について不安に思っていらっしゃるかも知れませんが、ご安心ください。ORACLE MASTER 2019では、旧バージョンからスムーズにアップグレードできる制度になっています。この記事では、旧バージョン資格からのアップグレード方法についてご説明します。

 

まず、ORACLE MASTER 2019という資格ですが、この資格は、長期リリースであるOracle Database 19cに対応しています。Oracle Database 19cの延長サポートは2027年4月30日までとなっています。

 

従来、ORACLE MASTERのバージョンをアップグレードするには、再度Bronzeから取得し直したり、移行試験を受験したりする必要がありましたが、ORACLE MASTER 2019の制度では、それぞれ1試験の合格だけでORACLE MASTER 2019資格にアップグレードできるようになっています。また、従来はGold移行専用の試験がありましたが、ORACLE MASTER 2019では1Z0-083-JPN試験に一本化されています。

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ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 10g/11g/12cをお持ちの方

1Z0-082-JPN試験でORACLE MASTER Silver DBA 2019にアップグレードできます。1Z0-082-JPN試験は、DBA分野とSQL分野から出題されますが、SQL分野については、1Z0-061-JPN試験(Bronze取得時のSQL試験)と試験範囲は概ね同じです。

DBA分野については、Bronzeを深掘りする内容となります。

 

ORACLE MASTER Silver Oracle Database 10g/11g/12cをお持ちの方

1Z0-083-JPN試験でORACLE MASTER Gold DBA 2019にアップグレードできます。1Z0-083-JPN試験は、バックアップ・リカバリ、マルチテナント、デプロイ、パフォーマンス管理から広く出題されます。その中でも、バックアップ・リカバリとマルチテナントがDBAスキルとして特に重要です。バックアップ・リカバリではRMANによるバックアップ・リカバリが出題されますが、RMANはDBAにとって非常に重要なスキルです。

 

ORACLE MASTER Gold Oracle Database 10g/11gをお持ちの方

1Z0-083-JPN試験でORACLE MASTER Gold DBA 2019に移行できます。1Z0-083-JPN試験は、バックアップ・リカバリ、マルチテナント、デプロイ、パフォーマンス管理、18c/19c新機能概要から広く出題されます。バックアップ・リカバリについては、10g/11gからの差分は少ないので、マルチテナントに重点を置きつつ、デプロイ、パフォーマンス管理を学習していただくとよいでしょう。

Oracle Database 19cでは非CDB構成が非推奨に、21c以降では非CDB構成がサポートされないことから、今後、設計や移行するデータベースはCDB構成となります。CDBを安全にそして効果的に活用していくために、マルチテナントのスキルはとても重要です。

 

ORACLE MASTER Gold Oracle Database 12cをお持ちの方

1Z0-083-JPN試験でORACLE MASTER Gold DBA 2019に移行できます。バックアップ・リカバリとパフォーマンス管理については、大きな変更点はありません。マルチテナントについては、12c R2で機能が大幅に拡張されていますので、その辺りを中心に確認して頂くとよいでしょう。また、デプロイも変更点があるので確認してください。

 

ご紹介してきましたように、10g, 11g, 12cのORACLE MASTER資格から1試験の合格で最新のORACLE MASTER 2019資格に移行できます。特に、今後、多くのデータベースがCDB構成となることから、マルチテナントのスキルはとても重要です。データベース管理者の方は、マルチテナントが試験範囲に含まれるORACLE MASTER Gold DBA 2019を目指して頂くとよいでしょう。

 

参考 ORACLE MASTER Portal